坂路の好タイム追い切りをそのまま出したタイセイプライド!【平林雅芳の目】

タイセイプライド

17年7/2(日)3回中京2日目6R 2歳新馬(芝1400m)

  • タイセイプライド
  • (牡2、栗東・西村厩舎)
  • 父:ヨハネスブルグ
  • 母:キャニオンリリー
  • 母父:エルハーブ

2歳新馬の結果・払戻金はコチラ⇒

西村厩舎は、稽古でどのコースでも一番乗り。タイセイプライドも、開場すぐの4時59分に50.6~36.9の2歳馬では出色の時計を出した。それも、手応えは馬なりとあった。単勝1.5倍の圧倒的人気となるのも当然か。
そして実戦も4コーナーを2番手で廻ると、後は何もせずで前を交わしてゴール前だけ次走のために気を少しだけ緩めない様にしただけの楽勝劇。3馬身半の圧勝でデビュー戦を飾った。502キロと大型だが機動力も十分で楽しみであろう。

スタートはそんなに速くないとのことだったが、外枠でもそう差はなく出られたタイセイプライド。少しだけ外へ逃げ気味な感じはあった様だが、そこは許容範囲だろう。内から和田Jの逃げ(土日の4勝はダートであれ芝であれ、全て逃げ切り勝ち)でモズアゲートが行こうとするが、外のアトレヴィードの方が前に行く。その内で2番手にモズゲートだが、外からタイセイプライドが楽な手応えですっと付けてくる。アトレヴィードの逃げは、そのまま前半3Fを35.4と引きつけての逃げ。タイセイプライドもあまり外を廻らない様に、少し内目での3番手で進める。

勝負は4コーナーへと入るところ。逃げるアトレヴィードに対して、少しだけ外へと出してカーブに入ったタイセイプライド。ややカーブを廻りにくそうな恰好はしていた様にも見えたが、それも若さか。ラスト200で前を交わしてゴールへと向かうが、鞍上のMデムーロJはステッキを右手に持ったまま。何もしないでも馬が加速していく感じで、伸びてゆく。
最後の2Fの11.2~11.8をほぼ馬なりで駆け抜けたタイセイプライド。時計面は流れと対戦相手からも平凡かも知れないがまだまだ奥がありそうな馬である。姉のフクノドリームが1200までで3勝だったがその域を完全に超える馬であろう。まずは緒戦を楽な感じで終え次なるステージでどんな戦いをするのかを見極めたいものである。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。