【函館スプリントS】充実期を迎えた奥村武厩舎の2頭が初重賞制覇を目指す!

得意の洋芝で初重賞制覇を狙うヴィズサクセス

得意の洋芝で初重賞制覇を狙うヴィズサクセス


■函館スプリントS
ヴィズサクセス
キミワクイーン
奥村武調教師

——まずヴィズサクセスについて伺います。前走のモルガナイトステークスは約半年振りのレースでした。馬の仕上がりについてはどのような印象でしたか。

奥村武調教師(以下、奥):軽度の骨折休養明けでしたが、正直まだひと息重いかなという感じでした。元々稽古ではモタつくようなところのある馬なのでいつも通りといえばいつも通りですが、1回使ってから良くなりそうだなという印象でした。

——レース内容を振り返ってください。

奥:今までにないくらい良いスタートを切れたり、ハナに行くだろうと思っていた相手が行けなかったり、展開が向きましたね。あれだけ余力を持って4コーナーを回れれば凌ぎ切れるだろうな、と思いながら見ていました。いろいろな要素が上手く噛み合った結果だと思います。

——前走後の過ごし方を教えてください。

鹿:レース後の疲労度はそれほどありませんでしたが、一旦短期放牧を挟みました。前走からレース間隔を詰めて使えれば更に上積みのある状態で臨めたかもしれませんが、勝った後に適当な番組が見当たらないところがオープン特別の難しさですね。今は前走の前と同じような状態だと思います。

——5/31(水)に行われた1週前追い切りの動きの評価をお願いします。

奥:いつも通りウッドで併せ馬でやりました。モタモタしていましたがいつもこういう感じですし、この1本で更に良くなってくると思います。

——函館への輸送も含めて、今後の調整スケジュールはどのように予定されていますか。

奥:6/3(土)に出発して、6/4(日)に競馬場へ到着。6/6(火)に乗って、6/7(水)に最終追い切りという予定です。

——ヴィズサクセスは5歳時に転厩してきて、2勝クラス、3勝クラス、オープン特別と勝ち上がってきました。この馬の良さ、持ち味はどういうところにあると感じますか。

奥:切れる脚はありませんが、惰性がつくと勢いが止まらない、長く良い脚を使えるところですね。短距離馬としては珍しいタイプです。

——今回は初めての重賞挑戦です。意気込みをお願いします。

奥:前走が好運続きだったので今回重賞でどこまでやれるかというところですが、この馬も成長力がありますからね。秋に大きいところへ行ければと思っていますし、良い競馬を期待しています。

——続いてキミワクイーンについて伺います。前走の春雷ステークスは2着でした。

奥:負けて強し、という内容だったと思います。重馬場の最内枠でイヤだなと思っていましたが、ヘコたれることなく本命馬を負かせそうなところまで頑張りましたし、良い競馬でした。

★

——重馬場で頑張って、レース後の疲労度合いはいかがでしたか。

奥:この馬自身使うごとに成長していて、見た目には筋肉が付いたり大きくなったりということはありませんが、レース後の反動が無くなってきています。前走後も堪えていませんでしたし、丈夫になってきていると感じます。

——この中間の過ごし方を教えてください。

奥:山元トレセンへ短期放牧に出しました。立ち上げてすぐに戻ってきましたが、凄く良い状態で帰厩しました。

——5/31(水)に行われた1週前追い切りの動きの評価をお願いします。

奥:3頭併せの1番後ろから行く形でやりました。時計的には負荷をかけたいけどビシビシやり過ぎたくないと考えていて、その通りの追い切りが出来ました。この後の調整スケジュールはヴィズサクセスと同じです。

——現在4歳でキャリア10戦ですが、この馬が元々持っている良さと成長を感じる点があれば教えてください。

奥:元々凄くスピードのある子でした。この子のお母さんはかかる馬でしたが、この子は気持ちが落ち着いていて全くかかりません。乗り手の指示通りに動いてコントロールが利きますし、自在性のある短距離馬です。体幹と体質が強くなってきているところに成長を感じますね。

——2回目のスプリント重賞挑戦です。意気込みをお願いします。

奥:前回のオーシャンステークスは惨敗してしまいましたが、体調面で余力が無かったかなということがひとつ。あとはレースでも他馬からの圧があって厳しい展開になりましたからね。能力が足りないとは思いませんし、平坦コースに替わるのも良いので改めての気持ちです。