【3歳馬情報】新馬戦は相手が悪かった!?自己条件で確勝を期す馬が登場!

先週から皐月賞、桜花賞トライアルがスタートし、いよいよクラシックが間近に迫ってきた。1勝クラスにもこの先のダービー、オークストライアル出走を目指して多くの素質馬が登場する。今週も厩舎育ちのPOG好き、数多くの名馬をPOGで指名した達人・山田乗男が紹介していく。

◆3月9日


●ゆきやなぎ賞(1勝クラス・阪神芝2400m)

ウールデュボヌール(牡、キタサンブラック×サンクボヌール、栗東・須貝厩舎)
上りがかかった2走前の黄菊賞は、勝ったセンチュリボンドに半馬身差まで迫る2着。逃げ切ったウインマキシマムが上がり3F33秒9でフィニッシュした前走のゆりかもめ賞は6着。この2戦を見る限り、現状は上りがかかるレースのほうが良さそうだ。今度もあまりペースが遅くなると厳しいが、自分から動ければ、2走前のような結果も望める。

●1勝クラス・中山芝2000m

ヘデントール(牡、ルーラーシップ×コルコバード、美浦・木村厩舎)
母は5勝。デビュー戦は2着で、2戦目に勝ち上がっている。「新馬戦はジャスティンミラノ(共同通信杯勝ち馬)の2着。続く未勝利戦は順当に勝ち上がり、更なる高みを目指す。奥手な一族で覚醒は先と思われるが、オープン入りを目指せる器」と記者の話。前走は勝ちっぷり、時計ともに優秀。ここを勝ってダービートライアルに歩を進めたい。鞍上はルメール騎手。

トレミニョン(牝、リアルインパクト×トレラピッド、美浦・和田勇厩舎)
半兄ケヴィン(若駒S1着)。昨夏の福島でデビュー勝ちをおさめ、続く札幌2歳S5着後に骨折が判明し休養、ここが復帰戦となる。長期休養明けは不利だが、札幌2歳S着外のガイアメンテやウールデュボヌールは1勝クラスで連対を果たしており、息さえ持てば上位に食い込める力はある。鞍上は西村淳騎手。

●未勝利(牝馬限定)・阪神芝2000m

ダイヤモンドレイン(牝、サトノダイヤモンド×シーウィルレイン、栗東・池添厩舎)
半兄ダノントルネード(京都新聞杯2着)。新馬戦は積極策に出るも、最後は失速して5着。馬の少ない時間に追い切りを行うなど気性面に配慮した調整が行われており、初戦は中身ができていなかったところもある。そのぶん伸びしろは見込める。鞍上は池添騎手。

●未勝利・中京芝1600m

クロノネクサス(牝、レイデオロ×クロノロジスト、栗東・斉藤崇厩舎)
半姉クロノジェネシス(有馬記念などG1を4勝)、ノームコア(香港CなどG1を2勝)。1月末に入厩。ゲート試験後は放牧に出さずにデビューを迎える。1週前の追い切りはCW6F85秒4-12秒4。420キロ前後と小柄な馬で、馬体の維持が鍵となりそうだ。鞍上は北村友騎手。

●未勝利・中京芝1600m

ラセーヌシュメール(牝、ロードカナロア×ラクレソニエール、美浦・菊沢厩舎)
母はフランスオークス、フランス1000ギニー勝ち馬。昨年12月にゲート試験合格。一度山元トレセンに戻して1月末に再入厩し、いよいよデビューを迎える。1週前追い切りでウッド6F80秒6-11秒7の好時計をマークしており、経験馬相手でも楽しみな一戦だ。鞍上は永島騎手。

●未勝利(牝馬限定)・中京芝1400m

カーモス(牝、ルーラーシップ×コンテッサトゥーレ、栗東・高橋忠厩舎)
母は桜花賞3着。デビューから2戦は、2,3着と好走したが、以降の2戦はともに14着。この大敗は重馬場の影響と見て良さそうだ。良馬場なら巻き返せる。鞍上は藤岡康騎手。

●未勝利・中京ダート1400m

グラウンドビート(牡、ロードカナロア×ダンスファンタジア、美浦・田村厩舎)
母はフェアリーS勝ち馬。デビューから2戦、芝で連続2着と好走していたが、前走は10着と大敗。4戦目の今回はダート戦に出走する。一族の活躍馬を見るとダンスインザムード、ダンスパートナーなど芝の活躍馬が目立つが、半兄ダノンファストはダートで5勝しており、こなせる背景はある。鞍上は三浦騎手。

◆3月10日


●1勝クラス・中山芝1200m

キングズブレス(牡、Kingman×Impede、美浦・木村厩舎)
新馬戦は2着で、2戦目に勝ち上がり。3コーナーあたりからカリーシと併走し、ゴール前で捻じ伏せている。「気性的な面を考え、追い切りは馬なりでソフトな調整。追ったら凄い時計が出ると思うよ。スプリンターとしての性能はかなり高い」と記者の話。中間の外傷が少々気になるが、能力的には格上げ初戦でも勝負になる。

●1勝クラス・中山ダート1800m

サトノエピック(牡、キタサンブラック×ランドオーバーシー、美浦・国枝厩舎)
芝の3戦は3,2,4着。未勝利戦としては強力なメンバーと戦っており、芝でも十分やれる馬だが、前走はダート戦に出走。2着に4馬身の差をつける楽勝で、格上げ戦もダートを選択した。陣営としては、ここからユニコーンS→東京ダービーの目標もあるようなので、負けるわけにはいかない。

リーチユアドリーム(牝、マインドユアビスケッツ×ナッシングバットドリームス、美浦・黒岩厩舎)
祖母に凱旋門賞勝ち馬デインドリーム、半姉のルージュエヴァイユは昨年のエリザベス女王杯で2着。この馬も血統背景から芝でデビューしたが4着に敗れると、早々2戦目はダートに変え、3戦目で勝ち上がっている。前走で勝利したコースと同じ中山ダート1800m戦で連勝をねらう。鞍上は津村騎手。

●1勝クラス・阪神芝1600m

アルトゥーム(牡、モーリス×ブロンシェダーム、栗東・藤岡厩舎)
祖母はスプリンターズSを勝ったスリープレスナイト。新馬戦は、終い1F10秒9の高速時計をマークしての勝利。格上げ戦はシンザン記念を選択したが、時計の出にくい馬場もあって初戦のような脚は使えず7着に終わっている。上りの速い決着になれば、この馬に有利となる。鞍上はムルザバエフ騎手。

ディスペランツァ(牡、ルーラーシップ×ルパン2、栗東・吉岡厩舎)
未勝利戦勝利後は、重賞を2戦するも6、9着。ただ2走前の京都2歳Sは、後方からまくり気味に進出し見せ場はつくった。ここ2戦はゴール前で失速しており、マイルへの距離短縮は良さそうなイメージ。半姉ルピナスリード、半兄ファントムシーフはオープンまで出世しており、本馬も1勝クラスは早くに卒業したい。

●未勝利・中山芝2000m

グランアトミカ(牝、ダイワメジャー×アトミカオロ、美浦・手塚厩舎)
母はアルゼンチンのGⅠ勝ち馬。デビュー戦はクリスマスパレード(2戦2勝)の3着で、今回は2戦目となる。「ダイワメジャー産駒だけどスタミナは豊富で、中距離以上が向きそうなイメージ。課題のスタートが決まれば、前走以上の結果を望める」と記者の話。鞍上は嶋田騎手。

●未勝利・阪神芝2200m

シャイニングソード(牡、Frankel×Stacelita、栗東・中内田厩舎)
母はフランス、アメリカでGⅠ6勝の名牝。全姉ソウルスターリング(オークス、阪神JF勝ち馬)。12月にゲート試験合格。一度放牧に出し、2月初旬に栗東に戻っている。1週前追い切りではCW6F81秒7-11秒4の好時計をマークし、同厩の良血馬ダノンモンブラン(リバティアイランドの半弟)を圧倒。初戦から好勝負を期待したい。鞍上は藤岡佑騎手。

◆2歳馬新規入厩


トラヴェリンバンド(牡、シニスターミニスター×コテキタイ、栗東・西村厩舎)
半兄スズカコテキタイ(オープン特別2勝を含む6勝)