【1回函館】ナイトインブラック…小平奈由木の注目新馬レポート

ナイトインブラック
(牡2、美浦・田中剛厩舎)
父:ローエングリン
母:ステレオタイプ
母父:サンデーサイレンス

マイラーズCを2回、中山記念も2度制したローエングリンが父。ムーランドロンシャン賞(2着)や香港マイル(3着)をはじめ、海外のG1でも健闘した。産駒が少ないといっても、その父はシングスピール(ジャパンC、ドバイワールドCなどG1を4勝)、母がカーリング(ディアヌ賞、ヴェルメイユ賞)という世界的な良血だ。

同馬は朝日杯FS、皐月賞でG1勝ちを果たしたロゴタイプの全弟である。祖母のスターバレリーナはローズSの覇者。母ステレオタイプ(その父サンデーサイレンス、地方2勝)の姉兄にグランパドドゥ(中日新聞杯、スプリント重賞を3勝したパドトロワの母)、アンドゥオール(東海S、マーチS)らがいる。社台サラブレッドクラブの所属。募集総額は5000万円だった。
調整の進度は常に同期をリード。社台ファームの直線ダートコースでペースアップされた。2月12日には山元トレセンへ移り、丹念に15-15を消化。4月8日、早くも美浦に入厩し、15日のゲート試験をパスする。いったん牧場に戻って心身を整えたうえ、5月27日の帰厩後は順調にタイムをマーク。フットワークが大きく、力強さもたっぷりである。6月13日に函館競馬場へ。青写真どおりに態勢が整った。

6月28日(日)、函館の芝1200mにスタンバイ。三浦皇成騎手が手綱を取る。初戦はもちろん、距離が延びてからも楽しみな素材である。


小平 奈由木(こだいら なゆき)

早稲田大学日本語研究教育センターに勤務した後、競馬関係に進む。競馬専門紙「1馬」の記者、法人馬主「サラブレッドクラブラフィアン」のレーシングマネージャーなどを経て、現在はフリーランス。業界のキャリアは 20年近くになり、生産・育成現場からトレセンまで精通。

月刊誌「競馬最強の法則」の人気コーナー「トレセン最前線」をはじめ、幅広い知識を生かしたエッセーが評判 になっている。