2016年の阪神JSでJRA史上初の同一重賞7年連連対記録などJUMPレースの顔として活躍する高田潤騎手。 そして、ファンサービスの積極性は競馬界一とも噂される熱き男の生の声をお届けします!
兄 藤岡佑介
2024/4/19(金)
高田潤です。
今週の月曜日は栗東トレーニングセンターにて、康太の葬儀が執り行われました。
1,000人を超えるほどの本当にたくさんの関係者が参列され、深い悲しみと感謝の中しめやかに見送られました。
先週のレースは自分もそうですが各ジョッキー共に、志半ばにして突然天国へ旅立ってしまった康太へ色々な思いを持って騎乗していたと思います。
康太の父である藤岡健一調教師のご挨拶で、関係者一同きもちをしっかりと切り替えて前を向き、康太の為にも、康太の大好きだった競馬,愛した競馬をこれからも盛り上げていかなければならないと意を強くしました。
皆さんもご存知の通り、康太には同じジョッキーである兄の佑介がいます。
康太の落馬事故があった日、病院側から康太が今どういう状態であるかということは当然、翌日もレースに騎乗する佑介の耳にも職員さん伝えで連絡はあったと思います。
もし自分が佑介の立場だったら、翌日のレースに騎乗できる精神状態を保てたか?乗ったとしても、まともに騎乗することができたか?と考えると自分は無理だったと思います。
僕は他場でレースに騎乗していた為、そのとき阪神競馬場にはいませんでしたが、翌日の佑介は多くの関係者が心配する中、不安な素振りは一切みせず、気丈に振る舞い、レースにも勝利し、ウィナーズサークルにおいてもたくさんのファンの方々ひとりひとりに丁寧にサインに応えていたと聞きました。
ただでさえ動揺が隠せないジョッキーが多かった中、ちょっとやそっとの意志ではこの状況でなかなかそこまでできることではないと思います。
弟が予断の許さない状況の中、翌週もいつも通り調教に参加し関係者と会話をかわす佑介の姿をみて、騎手という仕事に対しての強い信念を感じました。
兄に憧れ、兄を追いかけてジョッキーを目指した康太。
康太、お前の尊敬する兄ちゃんはやっぱり凄い兄ちゃんやぞ!!
そんな強い男がジョッキーの中にいること、そんな強い男が仲間にいること、そんな強い男と一緒に仕事が出来ることを誇りに思います。
そんな強い男 佑介はじめ、全てのジョッキーとこれからも精進して競馬の素晴らしさをもっともっとたくさんの方々に伝えていきたいと思います!!
プロフィール
高田 潤 - Jun Takada
1980年11月3日生まれ、大阪府出身。
1999年に松田博資厩舎所属から騎手デビュー。デビュー当初から、平地・障害の垣根を越えた活躍を続けると、2006年にはドリームパスポートで神戸新聞杯を制覇。これが平地重賞初勝利となった。
一方、2008年にはキングジョイとのコンビで中山大障害を制し、キャリア初のJG1勝ち。2013年には待望の障害リーディングに輝いた。
また、2009年には師匠である松田博資師の元を離れ、フリーに転向。2012年にも生涯の伴侶を得るなど、公私ともに充実期を迎え、障害競走の次代を担う存在として更なる活躍が期待される。