今年は暑さも馬場状態も例年よりまし。真夏日がそう顔を出さない関西である。阪神競馬場の芝はビクともせずで、かなりの降雨があってもしっかりした結果を出している。これなら要らぬ心配をしないで、ただただ各馬の実力の検討でよかろう。

G1馬が何頭いるのかとザッと数えても8頭。なかなか豪華である。過去10年の勝ち馬を眺めると、C.ルメールが勝ち馬の背中にいない。さっそく彼の過去のG1勝利を検索。やはり宝塚記念には縁がない。暑さと梅雨時の湿気にかなり弱い彼。だが今年は涼しい、何かそこに鍵がないものだろうか…。

騎乗馬はサートゥルナーリア。金鯱賞を勝ってここを照準に。鞍上とは2戦2勝のタッグ。阪神も同じく負け知らずの2勝。昨年はリスグラシューがここをも制して極みまで行った。やはり牝馬が怖い。ラッキーライラッククロノジェネシス。大阪杯のワンツーだ。

気が付けば関西馬ばかり。ここはドリームレースで、どの馬にもチャンスありだろう。


カフェファラオ
【ユニコーンステークスの回顧】

20年6/21(日)3回東京6日目11R 第25回 ユニコーンステークス(G3)(ダ1600m)
  • カフェファラオ
  • (牡3、美浦・堀厩舎)
  • 父:American Pharoah
  • 母:Mary’s Follies
  • 母父:More Than Ready

ユニコーンステークス(G3)の結果・払戻金はコチラ⇒

まるで土曜のプロ野球、阪神対巨人の第二戦の結果に近かった。電光掲示板に載った馬はすべて関東馬。直線半ばまでは関西馬も画面に映ってはいたが、ゴールが近くなると関東馬ばかりしかいない。アウェーだと感じるパーフェクトな負け。それも11対1の屈辱的なスコア、いやそれ以上の完封負けの関西馬達であった。

1番人気に応えて堂々と勝ったカフェファラオ、早々にレッチェバロックの2番手に収まっていく。それが3Fを通過する手前ぐらい。34.2もまずまず速いが、レッチェバロックが造るペースは1000m通過も58.4。速いと言えば速いが、難なくそこへついていけているカフェファラオのスピードをも兼ね備えているエンジンだ。

直線入口からフルフラットが外へ並びかけてきたが、まったく余裕の手応え。あと400を過ぎてもまだ追わない。レッチェバロックはやはり距離の壁があるのか、脚色があやしくなってきた。あと200を待たずに、やおら追い出したレーン騎手。ステッキを5発ぐらい入れはしたが、それは馬のためであって、いっぱい一杯になった感じではなく今後のためと思えた。

前走タイムから2秒8も短縮し、なおかつ余裕あるの勝ち方。外からジンワリと伸びてきたデュードヴァンに5馬身差の圧勝。ワンサイドゲームであった。関西馬で一番の人気のタガノビューティーは、向こう正面の2Fあたりで自分で躓く現象。これでは競馬にならない。勝ち時計の1.34.9は、前回の東京開催を通じて一番のタイム。オアシスSが次で1.35.9と1秒も速い。

7月8日のジャパン・ダート・ダービーに登録。さらに9月5日に延びたケンタッキー・ダービーへの道も続く。3冠にブリダーズCまでも勝った偉大なる父、アメリカンフェローの血を受け継ぐカフェファラオ。現時点では国内にこの馬を負かす3歳馬はいない。

日本のダート界に新たなスターが加わった。今年の3歳戦は、芝の牡も牝もまたダートも1頭抜けた馬がいる構図だ。