さぁ、今週もマイルの戦い。古馬牝馬のマイル女王決定戦だ。

ただ先週のNHKマイルCを観ていて、気になるのが直線へ入る時に馬場の真ん中へ進路を選択していた。かなり内目が悪くなっていそうだ。今週からBコース。先週から3m外へ出てくる。最内をピッタリは滅多にないから1頭分、外へ出てくるだけ。傾向の極端な改善はないと思える。

幸い関東地方で土日に傘マークはない。グランアレグリアが負けたのも道悪。高松宮記念で1200の距離ながら凄い脚で前に迫った時も道悪だった。前回の大阪杯では休み明けもあったにしろ4着敗退。想像以上の悪い馬場であった。馬場が勝負を台無しにする事はなさそうだ。

高松宮記念からレシステンシア、マルターズディオサ、ダノンファンタジーらがマイルに戻してきた。それだけにレースの流れも微妙。ディープインパクトの子供が10頭。目下、4連勝中のテルツェットも居る。グランアレグリア中心も脇役の女優も多い。

【NHKマイルCの回顧】

21年5月9日(日)東京11R NHKマイルC(G1、芝1600m)
  • シュネルマイスター
  • (牡3、美浦・手塚厩舎)
  • 父:Kingman
  • 母:Serienholde
  • 母父:Soldier Hollow
  • 1週間前にこのレースの展望を書いた。が、当たったのは勝ち時計が31秒台に突入かもの流れだけだった。初めての左回りに問題はないかと、ルメール騎乗のシュネルマイスターにテーマを突きつけたのだが、そんな事は当初から何も感じてないと跳ね返えされた。

    むしろ左回りだからこそ、いや府中の長い直線だからこそキッチリと差し切ってみせた。そんな印象であった。4コーナーを廻る時の勢いから、グレナディアガーズが《やっぱりこの馬がいちばん強いんだ》とも思ったし、直線半ばでそれを交わして前に出るソングラインの抜け出しに《やっぱり牝馬なのか~》とも思ったりもしたが、ゴールを過ぎた時には《ルメールは府中だと、まるで自分の庭の様だな~》とシュネルマイスターのキッチリと前を捕らえた勝利を確信した。

    直線で二転、三転もした勝利の行方。バスラットレオンのスタート直後の落馬から大外、ピクシーナイトの逃げ。そして最後は同じ勝負服のワンツー、スリー。サンデーレーシングの上位独占に驚いた。4コーナーを回る時のグレナディアガーズが内の馬と間を開ける様に廻った。どうやら馬場のいい処を選んでいた様だ。

    それでも直線、あと200の処で力尽きた。そこから2馬身半もの差が開いた。この馬にはマイルはギリギリの距離な様だ。

    ソングラインは桜花賞で他馬との接触で力を出し切れていなかった。その鬱憤を晴らす処だったのだが。

    シュネルマイスターは今、思えばあの中山でひいらぎ賞を勝った時の抜け出す脚が速かった。マイル適性が強いのか。いやそうではなく、しなやかさと瞬時に繰り出す脚が凄いのだろう。ソングラインが最後に手前を替えて左へ流れたらしい。だがそこをハナ差、制する運の強さ。これが一番だろう。バスラットレオンという人気の1頭の落馬こそあったが、そのマイナスの部分をもカバーした直線での3頭のデッドヒート。競馬観戦としてはなかなかにいいレースを見せて貰った。