今度はジャパンカップでコントレイルが最終戦となる。無敗での3歳3冠を成し遂げての頂上決戦となった昨年のジャパンカップで、同じく無敗での牝馬3冠のデアリングタクトとアーモンドアイに挑んだが見事に退けられてしまった。

アーモンドアイは国内外のG1を9勝と日本歴代1位で引退をした。相手があのアーモンドアイだっただけに仕方ない敗戦と納得だった。ところが今年になっての2戦、春は大阪杯と秋に天皇賞が敗戦。天皇賞ではグランアレグリアには先着したが、3歳馬のエフフォーリアに後塵を浴びてしまった。ここで全能力を出し切って有終の美を飾って欲しいものだ。

この馬が軸となって今年のダービー馬のシャフリヤールやアルゼンチン共和国杯勝ち馬のオーソリティ等が挑む。外国馬も参戦。ブリーダーズCで沸かせたブルームにジャパンはキーファーズの勝負服で出走と聞く。グランドグローリー共々に歴戦の強者達。そこも楽しみである。

【マイルチャンピオンシップの回顧】

21年11月21日(日)阪神11R マイルチャンピオンシップ(G1、芝1600m)
  • グランアレグリア
  • (牝5、美浦・藤沢和厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:タピッツフライ
  • 母父:Tapit
彼女がパドックに入ってきた時には、まだ1・8倍だった単勝オッズがレース直前にTV画面では1・7倍とさらに支持率はあがっていた。全国の大方のファンがグランアレグリアの勝利を信じて疑わない。

引退の花道に添えるG1、6勝目の花飾りをイメージしている大勢の本当の競馬ファンに反して、あちこちで見る競馬予想の媒体では、中2週のローテーションがどうかとかケチをつける事ばかり。その中の一人に私も居た。

加えて前日までの馬場状況が内を避ける直線での進路どり、時計もややかかっていた。それがどうだ。この日の阪神競馬の芝は平気で内を突いて伸びてゆく馬を多数も見た。

明らかに土曜日とは違う。これほどまでに回復するのかと。走破時計が1・33秒台を切らないのではないかと推測までしていた。

しかし、発走時刻が近づくほどに、パドックで周回するどっしりと落ち着いたグランアレグリア。馬場入りから流れる様にキャンターで返し馬をしていくグランアレグリア。ゲートの前でスタートを待つ彼女を見る度に、シュネルマイスターがグランアレグリアを抑えて勝つだろうの陳腐な思惑は外れたと確信した。

レースでは名コンビのルメールがこれほどに完璧に出来得るのかと思えるほどにパーフェクトな騎乗で導いての勝利。直線の後100からステッキを4発入れたが、そんな必要もなかったかの様な推進力で着差以上の完勝劇。

インディチャンプが一旦、2着にあがったが、ゴール前の強襲で3歳馬2頭が間に入った。シュネルマイスターは絶好の枠であった筈だが、内を引いたことで遅い流れで外へ出すことも出来ずに直線も内を進む。後50メートルぐらいでやっと外へ進路を見い出しての2着。引退の花道を飾ったグランアレグリアの後継者として3歳馬2頭がバトンを受けた感じだった。

最強マイラーのグランアレグリアの底力を最後まで信じきれていないのが恥ずかしかった。このレースは実に感慨深い一戦となった。