競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【根岸S】砂の王者決定戦へ勢いをつける
2022/1/24(月)
昨年のここの3着馬、G1馬のタイムフライヤー。その3着後の5戦は一度も電光掲示板にあがらずじまい。やや峠は過ぎたのか。
昨年、5番人気で8着のヘリオスは昨年とまったく同じ入り方。休む前の霜月Sを勝って臨む同じパターン。今回は鞍上に武豊Jを迎える。
気になるのが川田Jのジャスパープリンス。森厩舎が川田Jとのコンビで昨年10戦4勝、今年は1戦1勝の好相性だ。
また、注目しているのが横山和Jとオメガレインボー。昨年の小倉で初めて跨った時は前でレースのタイプ。それを差しにチェンジさせアハルテケSを勝った。今回、1400ではあるが目は離せない。
ソリストサンダーは戸崎Jのコンビ4戦めで重賞初勝利。その勢いでここを制覇し、さらに飛躍していくのか。
【アメリカJCCの回顧】
22年1月23日(日)中山11R アメリカJCC(G2、芝2200m)
- キングオブコージ
- (牡6、栗東・安田翔厩舎)
- 父:ロードカナロア
- 母:ファイノメナ
- 母父:Galileo
- 通算成績:17戦6勝
4歳馬世代強しと最近の一連の結果からも今回の主役のオーソクレースに大きな期待をし過ぎてしまったのだろうか。
先に行っている同世代に追いつけ、追い越せとばかり押し付けてしまったのか。終わってみれば前でレースをした馬は電光掲示板にどの馬も載っていない決着。
スタート直後に馬が躓いたかのルメールの動きだった。思わず《あっ!》と声が出たほど。後でビデオで確認すると、2完歩めぐらいに急に右へ凭れ内の馬に接触しそうになっていた。何とか事なきを得て流れに乗っては行ったが、最初のレースの入りがスムーズでなかったのは事実。
もっとも、勝ったキングオブコージもゲートを上へと飛び上がるスタート。出た瞬間はいちばん後ろから、すぐに前のアサマノイタズラを抜いてブービーでのスタンド前だった。
道中はどうしてもオーソクレースを中心に観る。いいポジションに居る筈なのに、何か感じが良くない。向こう正面での隊列は先行グループは3頭。そこからオーソクレースを含む中団グループ7頭がひと塊り。そしてポツンポツンと4頭が後ろを離れて続く。
3コーナー過ぎて後800からどんどん前と後ろが接近。後600を通過し、後400手前では逃げた地方馬以外はほぼひと塊り。オーソクレースが先頭へと出てきたが、その外のスマイルが手応えで完全に勝っていた。
そしてマイネルファンロン、キングオブコージが一気に外から上がってきた。直線の後1ハロンではオーソクレース、スマイル、マイネルファンロン、キングオブコージ、アサマノイタズラと横並びになる。そこからキングオブコージが長く脚を使って前へ出る。マイネルファンロンを抑えての勝利。アサマノイタズラが3着かと思いきや、ボッケリーニがラチ沿いを伸びて3着。
先週の重賞展望でこのレースでの横山典Jの勝ち鞍が抜けていることを書いた。そんなヒントに気がつきながら、流れが来ている鞍上にうまく乗れなかった自分が情けなすぎる。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。