競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【札幌記念】G1馬5頭参戦!これだけ面白そうな札幌記念はそうない!
2022/8/15(月)
そしてジャックドールとパンサラッサの強烈逃げ馬の競演である。どちらが先手を主張するのかもポイントであろう。これが大きく馬券の行方を決める筈。そして外国帰りの初陣となる2頭、グローリーヴェイズにユーバーレーベン。グローリーヴェイズはルメールが初めての騎乗となる。共にこの1年以上、国内での勝ち星こそないが常に上位を賑わしている実力馬だ。後は枠順と空模様だろう。大人になったソダシに全幅の信頼をする。
【小倉記念の回顧】
22年8月14日(日)小倉11R 小倉記念(G3、芝2000m)
- マリアエレーナ
- (牝4、栗東・吉田厩舎)
- 父:クロフネ
- 母:テンダリーヴォイス
- 母父:ディープインパクト
- 通算成績:15戦5勝
- 重賞勝利:
- 22年小倉記念(G3)
ゴール前でマリアエレーナが5馬身もちぎって勝っているのを観てなかった。画面に映らない右の方を。そう、カデナを見続けていた。不満の声を出しながら。《何で、あんな外へ膨れるんだ!》と。道中は馬群のいちばん後ばかりを観ていた。《こんなに行けない馬だったか?。そんなに硬いのかカデナは?》とつぶやく。3コーナー過ぎからダブルシャープがマクって行く。そのワンテンポ後をあがって行くカデナ。4コーナー手前では《少し外を行き過ぎでないか?》と。やっぱり直線へ入って来た時に馬群から2馬身ぐらい離れた外を通っていた。それもどんどんと外へ膨れている様だ。左ステッキで矯正していたが。馬はベテランである。これは鞍上の若さしかないだろう。それも含めて競馬かも知れぬが。ちと未熟な今村Jの騎乗だった。期待するだけに残念だった。
今さらだがマリアエレーナの、そして母テンダリーヴォイスの成績を調べてみた。母は福永Jで桜花賞、松山Jで秋華賞と二度のGⅠ出走。2勝で終わった。その1番仔であるマリアエレーナにはエルフィンSで初めて松山Jとのコンビ。桜花賞出走は叶わずの春を経て、夏に再び騎乗。中京、小倉の2000芝で連勝。その時以来の今回の騎乗となっての快挙。2000以上に距離延長し8戦で4勝、2着2回、3着1回。唯一の着外が京都記念の8着。それでもコンマ5秒の負けだった。今になってこの成績を知る様ではアカンな~。この足跡を辿ると勝つべしくして勝っているのかとも。後で気がつくタメゴロウだ。
そして2着のヒンドゥタイムス。鞍上に香港の名手、ホーJを迎えた時点で好走が可能だったのかも知れない。そしてジェラルディーナ、このもどかしさが嫌いで馬券の軸にできなかった。前走でもう払拭したのかと思ったが、ジェラルディーナはジェラルディーナだった。今後も心して扱わねばなるまい。げに競馬は難しいと・。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。