競馬専門紙にて記者として30年余り活躍。フリー転身後もその情報網を拡大。栗東の有力ジョッキーとの間には、 他と一線を画す強力なネットワークを築く平林氏が、現場ならではの視点でレースを分析します。
【弥生賞】日曜が待ち遠しい
2024/2/26(月)
何と言ってもあのラニの仔である。競馬は繋がる。そして今週は弥生賞である。待ちに待っていた馬が出てきた。それも2頭。ともに鹿戸厩舎の馬でシュバルツクーゲルにトロヴァトーレだ。共にマイメモで温存していた馬である。シュバルツグーゲルは東京スポーツ杯で2着と頑張った。ただ、そのシュトラウスが朝日杯FSで10着惨敗。判断に迷う結末だった。
そしてトロヴァトーレの前走はノーステッキでの勝ち上がり。追ってどれくらいの脚を使うのか。だが、メンバーも凄い。サンライズジパングのあの鬼脚。ホープフルS2着のシンエンペラー。負け知らずの関東馬ダノンエアズロックにファビュラススターと強敵揃いで日曜が待ち遠しい!
【阪急杯の回顧】
24年2月25日(日)阪神11R 阪急杯(G3) 芝1400m)
- ウインマーベル
- (牡5、美浦・深山厩舎)
- 父:アイルハヴアナザー
- 母:コスモマーベラス
- 母父:フジキセキ
- 通算成績:21戦6勝
荒天が予想され前日発売が中止された阪急杯。ダートは不良、芝は重馬場で終日行われた。しかし開幕週だけに芝はそれほどダメージなく進んでいた様に見えた。外枠のアサカラキングはダッシュをつけて先手主張。しかし外から最内へ入るまでには1ハロン過ぎまで時間がかかった。
ウインマーベルも最内枠を生かせる好スタートが出来た。メイショウチタンが2番手、その後にこれまた好発のサトノレーヴが続いてウインマーベルは絶好位の3,4番手のラチ沿いで進む。1000Mが56・7だが、決してハイペースではない流れ。直線でもアサカラキングの勢いは衰えず。ウインマーベルが前を捕らえたのは本当にゴール寸前だった。
むしろ、これも道中で内ラチ沿いでの3番手を進んでいたサンライズロナウドがそれこそ、いい手応えでメイショウチタンの内から進出。前の2頭を追ってのゴール板へ突っ込んだ。しかし態勢的に前の2頭までは届かず。最後まで内のアサカラキングか最後に馬体を並べられたウインマーベルのどちらが勝ったかが判らない程だった。
このレースのすぐ後に中山記念があったが関西馬が3頭参戦し1、2着。場所を替えて東西共に同じ様な結果。ウインマーベルとアサカラキングの着差はハナ。枠の内外が逆なら反対の結末にもなっていただろう。2番人気のダノンティンパニーにはこの馬場は合わなかったか。ただ、このレースの1着が高松宮記念への優先出走権を得るのだが本番と結びつくのかは何とも言えない気はする。
ウインマーベルは4キロ減って476キロでの出走だった。この時期としてはしっかり体を造ってきていたと思える。馬場のいい阪神1週目での競馬だけにまずまず穏やかな決着がついて良かったと内心思っている。想像できうる範囲内での多少の荒れ具合ならOK。穴党だがたまにはスンナリ決まる本命戦も悪くはない。これから長~い戦いが始まるのだから。
プロフィール
平林雅芳 - Masayoshi Hirabayashi
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、その情報網を拡大し、栗東のジョッキーとの間には他と一線を画す強力なネットワークを構築。トレセンおよびサークル内ではその名を知らぬ者はいないほどの存在。