ダービーも安田記念も終わりあとは宝塚記念だけを残す上半期のG1競馬。今週からはローカル競馬のスタート である。今年は暑さ対策で7月後半から始まる新潟競馬は昼の約3時間半を空ける試みである。間延びしないの か心配だし、最終レースが6時半近くとはこれまた関係者も大変だろうと。ま、それでも競馬があるだけいいか と納得して今週は函館メインの展望をしたい。

函館スプリントS。ほぼ10ケ月近くも開いているのだから芝は絶対に完全良馬場。雨予報もなさげだしパンパン馬場だろう。高速とまでは言わないまでも前有利、内枠優位での競馬だと推測する。だからアサカラキング、ビッグシーザーが有力候補だろう。

また、前走から1200に切り替えて快勝のジャスティンスカイ。既に函館で時計を出しているサトノレーヴ。さらには洋行帰りだがウイングレイテスト、昨年の青函S勝ちのゾンニッヒと古豪達も元気そうだ。長い様で短い北海道シリーズが始まる。

【安田記念の回顧】

24年6月2日(日)東京11R 安田記念(G1) 芝1600m)

《デス・イズ・チャンピオン!》の声が聞こえそうなゴール前だった。外から蓋をされようが、進路は必ず開くの信念どおり、最後は誰も居ないゴールへの黄金ロードだった。戦績が違い過ぎるロマンチックウォリアー。マイル戦のキャリアが少ないだけ。強い馬はどの距離を走っても強いのだと証明する圧倒的な半馬身差であった。

以前と違って東京競馬場の国際厩舎へ入っての調整。本馬場での併せ馬での馬体を観ても、いかにも強そうなマッチョなボリュームだった。馬場状態も最も歓迎の状態ではなかったか。五月雨でもない筈で、消えた台風の残した雨だろう。8Rぐらいから画面でも雨粒がけっこう見えだした。

芝発表は稍重。それでもどの馬も外を狙う様なコンディションではなかったし、31秒台でのスピードと切れの要求される舞台設定にもならず。それでも持てる能力はほぼ出せたレースだっとかと思えた。セリフォスが内へ切れ込んで後ろで待機。流石に前へは届かずだった。

ロマンチックウォリアー、ソウルラッシュ、ナミュールはほぼ縦一列に並ぶ感じでの道中。何よりも勝ち馬はスタートもいちばんぐらいに出ていて、すぐに絶好の位置で競馬をしていたのには恐れいった。直線入り口からはすぐ前に居たステラヴェローチェが壁になっていたが、外へ出す気もなかった様子。まったく左右に動く気配もなかった。

そのうちに前に居たフィアスプライドが苦しくなったのか内へと流れて、ごく自然に前が居なくなる。そこからは鞍上の右ムチの連打に応えて伸びて行く。さすがにソウルラッシュとナミュールの日本の強豪だけにかなり迫っては行くが半馬身差までが精いっぱい。この半馬身はかなりある差だろう。

これで15勝め、G1は5連勝のロマンチックウォリアー。また是非に戦いたい相手でもある。本物を観た爽快感だった。