1週間の間を空けた中京競馬。芝の痛みもこれで軽減される。当然に内有利、先行有利な馬場になるのは明確。あとは流れ次第であろう。自分の競馬に徹してあとは神のみが知る運の問題であろう。

G1馬がズラリ。芝、ダートのダブルヘッダーのモズアスコット。今度は距離に挑戦だ。ステルヴィオグランアレグリアノームコアのマイルのG1勝ち3頭。昨秋のスプンリンターS勝ちのタワーオブロンドン。3年前の高松宮記念の覇者、セイウンコウセイ。そしてダノンスマッシュダイアトニックのロードカナロア産駒。アイラブテーラーも虎視眈々だ。良馬場でモズスーパーフレアのスピードも生きる。

どこからでも狙える今年の高松宮記念ではある。それらのほとんどにルメールが乗っていた。今回は鞍上が乗り替わる馬が多い。「馬7、人3」と言われても手綱を取るのはジョッキー。そこが馬券のファクターとなり得る。タワーオブロンドンの切れが一番。そこは変わらないだろう。


ユーキャンスマイル
【阪神大賞典の回顧】

20年3/22(日)1回阪神4日目11R 第68回 阪神大賞典(G2)(芝3000m)
  • ユーキャンスマイル
  • (牡5、栗東・友道厩舎)
  • 父:キングカメハメハ
  • 母:ムードインディゴ
  • 母父:ダンスインザダーク

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トーセンカンビーナが出遅れた。その少し後、画面の一番左にもう1頭が映る。キセキと判るのに少し時間を要す。有馬記念の時も良くなかったが、あれは一過性と。だが、あの時よりもっと悪い。キセキがいきなりハンデを背負った。今年の阪神大賞典はキセキの独り相撲となってしまう。

それでも1周目のゴール板あたりの人馬の動きはなるほどと思えるものだった。前半のロスを補うものと。だが誤算はそこから、いやその前から始まっていた様だ。前を行く矢作勢の2頭を抜く勢いで2コーナーへ入っていく。ちょうどタイセイトレイルが動こうとした時と重なったのか、3頭が並ぶシーンまでも。さすがにそこは下げた鞍上だったが、流れは急ピッチとなっていく。

あと7Fを残すところから11秒台を刻む。もう一度先頭を奪い返したドレッドノータス。さらにペースを挙げて行く。あと800からは前の2頭が雁行して行く急流となる。5F連続で11秒台を刻む。3番手となったキセキも4角手前から仕掛けた。

単独先頭となったタイセイトレイルにキセキが並んで抜き先頭に立ったのは、あと300。だがそれも一瞬だけ。あと200では横一列になるところから、キセキの内をユーキャンスマイルが抜きん出てくる。ボスジラも伸びない。後ろからトーセンカンビーナが外からメイショウテンゲンが伸びるが、ユーキャンスマイルが悠々とゴール板を過ぎ去っていた。

過去10年を振り返っても、11秒台が連続5回はあり得ない。サトノダイヤモンドが勝った2017年が最速の流れで、ゲートを出たあとの1Fも12秒台。道中で13秒台が一度もないものだった。だが今回は最初の1Fこそ13.2の入りだったが、あとはおしなべて12秒台の前半。

淀みのない流れを、キセキが動いたことでさらに急流となってしまった。ユーキャンスマイルと岩田康誠騎手の落ち着いた騎乗ぶりも見逃せない。終始自分のリズムを守っての勝利だ。この10年で3勝の岩田康誠騎手。2週連続の重賞勝利である。