例年になく小粒なマイラーズCになった。G1馬はただ1頭、インディチャンプだけ。58キロの斤量であるが、よほどの大雨でも降らないかぎり開幕週の京都だけに悪くなるはずもない。力を発揮でき得る舞台設定である。

香港遠征を予定していただろうから、同じ時期のここは仕上がりにそう差はないと思える。前走の中山記念では、距離1800で伸びがひと息。やはりマイルがいい馬であるのは再認識したところだ。

フィアーノロマーノは、昨年の安田記念とマイルCSではインディチャンプから1秒以上も離された。阪急杯で健在さを見せてはいるが。やはり若い4歳馬が相手。

ニュージーランドTの勝ち馬ワイドファラオが芝に戻ってきた。ヴァンドギャルドは条件戦で3連勝。だが今年の初陣の東京新聞杯6着といい春のアーリントンCといい、重賞ではチョイ分が悪い。この2頭とも福永騎手騎乗の馬である。

やはりヴァルディゼールが筆頭。京都3勝の実績。だがインディチャンプが強い。


コントレイル
【皐月賞の回顧】

20年4/19(日)3回中山8日目11R 第80回 皐月賞(G1)(芝2000m)
  • コントレイル
  • (牡3、栗東・矢作厩舎)
  • 父:ディープインパクト
  • 母:ロードクロサイト
  • 母父:Unbridled’s Song

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土曜はあれほど悪かった馬場コンディションがみるみると乾いていく。かなりの強い風が吹いて乾きはさらに早まった。

行きたい馬は行き、そこそこの流れとなって最後は東西のG1馬の追い合い、叩き合いとなった。外を1頭だけ違う脚で上がっていったコントレイル、馬群の中で脚を貯めて直線を迎えたサリオス、ラスト1ハロンで両雄が互いを意識する馬体を寄せての追い比べとなった。

3着ガロアクリークには3馬身以上の差をつけてのマッチレースのゴール前。1頭だけ違う34.9の末脚を駆使したコントレイル。レースのそれを1秒近く上回る。そもそもスタートは普通に出ていたコントレイルだったが、スタンド前から1コーナーへ入るまでに頭を上げるシーンを確か観た。外から寄られて行き場を失ったのだろうか。残念ながらレース映像でもPVでもそのシーンは見かけない。だからあの位置になったに違いない。

2コーナーを過ぎたあたりでは、後ろから数えた方が早かった。傍にはマイラプソディにガロアクリークがいた。前はキメラヴェリエンテが先頭に立つまでに時間を要したが、自分の仕事はした。前半の1000を59.8で次の1ハロンだけが12.9と落ち着いたが、後はおしなべて12秒台前半。

向こう正面過ぎに、内から外へ出したコントレイル。マイラプソディが少しずつ順位を上げて行く時には動かなかった。マイラプソディがラスト600手前で動いた。サトノフラッグがちょうど動いた後を追う様にだ。その少し後ろを一気に加速していくコントレイル。あっと言う間に前へと進出して先頭へ立ち気味のサトノフラッグの外へと。それもかなり内への間隔を空けての進出。

直線ラスト200で手前を替えたコントレイル。内から出てきたサリオスが外へと寄せてくる。そこからは2頭の熾烈な追い合いとなり、コントレイルが半馬身前に出た。この2頭はスラリと筋肉の塊と体型がまるで違う。

1頭だけエンジンの違いを観た感である。ダービー馬であろう。