控えめな陣営が口にする金メダル

－：馬体だけ見ると、ジャパンCの3連覇を狙えるようなスーパーホースには正直、見えませんよね。

井：もっと良く見える馬はいますね。

－：ただ、そういったことも含めて、見れば見るほど、走れば走るほど、ジェンティルドンナの持つ天性の能力を感じさせて、凄い馬だなと思います。

井：もし、ジェンティルドンナのクローンがいても、同じことが出来るかは分かりませんが(笑)、難しいと思います。

－：歴史上同じパフォーマンスをできる馬はいないようにも思えます。

井：良い牝馬も過去にはたくさんいましたし、比較とかもされているみたいですけど、実際には一緒に走れない訳ですからね。そこはジェンティルの出した結果を素直に賞賛して欲しいですね。

－：こんなに高いパフォーマンスを維持しながら、この歳まで走れる馬はなかなかいません。

井：もし、ジェンティルが引退したのなら、ジェンティルを目標にしたいなとは思いますね(笑)。ただ、それはすごくハードルの高いことだとは思います。

－：それほどの馬ということですね。

井：今までで3着までに来なかったのは3回しかありません。負けたらインパクトが強いので、もうダメだと言われるのですが(笑)、普通に考えたら、そういうことはあるんじゃないかなとは思います。


「僕の中では3着までに来れば、表彰台かなと思っているので、ほぼ必ず来ているのでね。そう考えれば、これ以上を望むというのはね、皆さん酷だなと(笑)。(JCでは)金メダルを取ってほしいですね」

－：しかも海外遠征にも行き、2着1着と結果を残しました。

井：僕の中では3着までに来れば、表彰台かなと思っているので、ほぼ必ず来ているのでね。そう考えれば、これ以上を望むというのはね、皆さん酷だなと(笑)。いつも頑張っていますよ。

－：それでは、天皇賞(秋)は銀メダルでしたが、ジャパンCでは、ひとつ上をということでしょうか？

井：金メダルを取ってほしいですね。

－：厩舎サイドとしては相手関係もありますが、前走よりは上積みがあると。

井：そうですね。みんな、凄く期待していると思います。

－：実際に天皇賞(秋)前というのは掲示板を外すことはないと思っていましたか？

井：天皇賞(秋)前から凄く元気が良くて、僕らのテンションとしては、負けていない時期の感じで「今回も頑張るだろう」という思いでは見ていました。

－：そこから1ヶ月をかけて、3連覇を狙うと。

井：ただ、日本を代表する馬がたくさん出てくるので、簡単にはいかないと思います。

ジェンティルドンナ

府中の杜で本気のジェンティルを見よ！

－：今回のジャパンCはジャスタウェイやハープスターなど、凄いメンバーが揃っていますが、井上さんとしては、その中でも、ジェンティルドンナならやってくれるのではないかという思いはありますか？

井：もちろん期待はしています。ただ、こればっかりは競馬なので、やってみないと分かりません。

－：以前、先生が強い馬がいないとジェンティルドンナは本気を出さないとおっしゃっていました。

井：そんなことはないと思いますよ(笑)。本気は出していると思います。

－：冗談でおっしゃっていたのかもしれませんが、今回は強い馬ばかりです。本気を出す舞台なのではないでしょうか。

井：是非、出して欲しいですね。

－：もちろん1着を取ることが最大の目標だとは思いますが、もうひとつの目標としたら、無事に繁殖牝馬として牧場に返せるか、ということもあると思います。

井：それは大前提ですよね。でも、ジェンティルは引退することを知らないと思いますし、本気で走ってくれると思いますよ。

－：どこが引退レースなのかというのは人間の都合というところもありますからね。僕らとしては、今のコンディションの良いジェンティルドンナを応援するしかないのでしょうね。

井：そうですね。応援よろしくお願いします。

－：前走を見て、離れていた方々も振り向きつつあると思いますので、たくさんのファンに向けてメッセージをお願いします。

井：引き続き好調を維持していますし、3連覇も懸かっています。一生懸命やりますので、よろしくお願いします。

(取材・写真＝高橋章夫)

●ジェンティルドンナ・井上泰平調教助手インタビュー(前半)はコチラ⇒

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●天皇賞(秋)前・ジェンティルドンナのインタビューはコチラ⇒


ジェンティルドンナ