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－：この中間(小倉滞在)の調整はいかがですか？

原：体調面はカイバも食べていますし、テンション的にも栗東にいる時よりも落ち着いていますね。ただ、ちょっと落ち着きすぎていて……(苦笑)。先週の追い切りはその辺でちょっとモタモタしている感じがありました。ダートで追い切ったこともないですし、栗東みたいにここから速くなるという決まりごとも分からないというか。競馬で使った後、こっちに来て速いところはやったことがなかったので、ユッタリ乗るには乗れるのですが、そういう延長でちょっと行きっぷりが悪くて、先週は今イチの時計になっちゃったので。

－：この馬に限らず、やっぱり初めての場所で調教をする場合、どこら辺で加速させるかというのは、ある程度、慣れで覚えてくるものですか？

原：そうですね。馬がだいたい覚えているので、ここから加速して行こうと勝手に動いていく馬もいて、もちろんそういうことができないというか、やらない馬もいますけどね。ほとんどはここら辺で、栗東だとスタンド前から出て、スッと加速して、向正面からビューンと加速していくというローテーションが分かっているから、やっぱりそこから行きますよね。

だから、その面で小倉は初めてだし、やっぱり初めての場所は物見がちなところがあるので、初めてのレースをする競馬場なんかはちょっと心配なところがあるんですよ。前走も1日だけですけども、早く前乗りしてスクーリングをして、芝コースを1周トコトコ歩いて、物見をしないようにしました。結果、ハナ差という着差を考えれば、それが活きたかなと思うんですよ。ちょっとでも物見していれば、それは届かなかったと思うんですよね。でも、実際に今週の追い切りもちょっと物見していましたけどね。芝コースの外々を回ったのでね。それはこの間の競馬では見せなかったし、たくさんの馬で走って集中していれば大丈夫だと思います。

滞在中の小倉でリラックスした表情のダイアナヘイロー

－：今のお話の通り、物見をするというのは激しい馬もいれば軽い馬もいると思いますが、原田さんが見られた限りでは前回はそういうことはなかったということですね。

原：ええ、ジョッキーからも何も聞いていないので、特に問題はなかったと思います。

－：そして、昨日(8/16)の追い切りは評価としてはいかがでしたか？

原：先週のことがあったので、昨日の追い切りはちょっと出していって、その分、前半はちょっと速くなった感じでした。でも、4コーナーでちょっと物見をして、外に張るようなところがあったので、そこでちょっとスピードが緩んだのですが、気合いをつけたらそこからビューンと反応良く伸びたので、そこは良いのかなと。逆に言ったら、実戦っぽくなったのかなと(笑)。テン行って、3～4コーナーでちょっと息を入れて、ビュッとしてという競馬としてはそういう感じだから。それは結果論ですけどね。でも、全体時計もそんなに悪くないし、最後はあれだけ切れたので、心配はしていないですね。

－：今回、体重は470キロ台ということはありそうですか？

原：今日(8/17)、量ったら472だったんですよね。多分、470前後だと思います。

－：大幅に増えているということはないですね。

原：ないですね。輸送がない分、ちょっと余裕ができているかなという感じはします。

－：初めて小倉の滞在に来させてもらったのですが、けっこう静かですね。

原：静かですね。昔と違って、滞在があまりいないですからね。昔は小倉ってけっこう滞在がいたものだけど、今は「通い」ばっかりだから。昔は節で優先はなかったから、権利取りで毎週入れないといかんとか、毎週入れないといかんのだったら、どうしても滞在でいた方が良いから、そういう感じで多かったのですがね。今は投票見てから来られるからね。俺がトレセンに入った時なんかは前日投票だったから、土曜日使うのを金曜投票だったから、小倉なんかは投票してからじゃ絶対に間に合わないんですよね。今と違って、金曜日に投票して結果が10時に分かるんですよ。そこら輸送というのは小倉では無理だったので、そうしたら完全に滞在ですよね。その当時はそういう感じだったのですがね。

それから山陽道が通った時期から小倉行きが速くなったので。恐らく2時間くらい速くなっているので。前は中国道を通っていたから、下手したら冬の小倉なんて雪で順延という話が出るくらいなので。今は山陽道なので、その点は速くなっている差もありますよね。今なら栗東から小倉まで7時間半かそこら辺だと思いますよ。朝4時に出て、お昼前にはもう着いていますよね。

－：ただ頭数は少ないですけど、これだけ静かな環境だったら、馬はある程度リラックス出来るのかなという感じはしますね。暑さは厳しいですが、栗東も同じだと思いますので。

原：それはあるとは思いますよね。ちょっと水が違うらしくて、「小倉の水はよく合う」と言いますよね。ここは地下水を汲み上げているみたいで、栗東に比べて夏は冷たくて。栗東は夏になったら生ぬるいですからね。脚を冷やすにもあそこは生ぬるい水が出てきますからね。こっちはやっぱり冷たい水が出てくるし、小倉は本当に良い水が出ると言いますよね。だから、カイ食いが細い馬も、小倉に来たら食べるみたいな、そういうようなことはよく聞きます。

－：それは初耳でした。それに、脚元を冷やす分にもやっぱり冷たい方が良い訳ですね。

持ち前の瞬発力で連勝を更に伸ばせるか

原：そうそう、もちろん。

－：この馬のセールスポイントというのはスタートの速さ。今回、重賞に向かうあたり、それ以外の強みはどこですか？

原：やっぱり瞬発力ですかね。ゴーサイン出した時の反応は、今まで乗った中ではやはり一番速いかと思いますね。でも、最近はちょっと落ち着いてきたので、そこまでビューンという感じではないですけど、デビュー前当時なんかは、追い出したらグンとトップスピードになるような感じでした。今は全体のスピードが上がっているから、そんなに感じずに乗れているのかと思いますが。

－：調教では常に良い時計も出ますし。

原：出ます、出ます。そこら辺は、去年の秋からちょっと2着、3着が続いた時はそれがなかなか出なくて、そこを試行錯誤し過ぎた感じがあって、何としても時計を出さなくては、みたいに人が勝手に思い込んでいて、ちょっと体を絞ってみたりだとか、色々とやり過ぎた感はあったかなと。それで、春先に帰ってきてからは、別に人が何もしなくても時計が出る感じだったので、“改めて、こんな感じだったのだな”と。人が焦らなくても、やっぱり馬の調子が一番なのかなと思いますよね。今は体調がすごく良いのだと思います。楽をして時計が出ますからね。

－：“馬なり”調教で(笑)。ただ、人馬の呼吸といいますか、それだけノウハウを掴んでこられたということですね。

原：馬任せそればっかりじゃアカンけど(笑)、ちょっとは人のアレも入るけど、基本的には馬が気分良く走るのが一番かなと。

－：瞬発力は僕も感じていたのですが、ちょっと気になるのが、週末に雨が降るという話なのですが。

原：どれくらい降るかなのですが、そう思っていたら、阪神の皆生特別が稍重だったんですよ。馬場の重いのはアカンやろと個人的には思っていて、意外とこなせたので。あの時はユタカさんのコース取りもすごかったけどね。阪神の最終週で、周りは「(ダイアナヘイローを観て)キタサンブラックはあそこを通るんやな」とみんなで言っていましたが、上手いこと真ん中の良いコースを通ったけど、馬場はかなり悪かったので。

それをこなしているので、今の小倉の状態だったら、少々雨が降ってもまだ大丈夫かなと。昨日も雨が降った後だったけど、脚取り確かに走っていたのでね。朝7時くらいまでカミナリが鳴ってドシャ降りだったんですよ。月、火は小降りで天気は悪かったけど、そこまで降ってはいなかったのですが、昨日の朝はけっこう降っていましたからね。夜中くらいから降っていたのかな。カッパがいるくらいだったから、ダートはバシャバシャ馬場でしたからね。馬場状態としては稍重から重くらいの馬場だったと思うのですがね。でも、ソコソコ時計は出せたので、あれくらいの馬場だったら、稍重とかであまり悪くならなければ大丈夫だと思います。

道悪も苦にせず押し切った皆生特別

－：宝塚の時の馬場を思えば、心強いですよね。ここを勝てば、次はスプリンターズSが見えてくるということになりますね。

原：う～ん、ちょっと使ってからですね。やっぱり帰ってきて、ここでもう5回目ですからね。それで、間が6週間しかないですからね。馬の状態を見て、でしょうね。どっちにしても賞金の問題もあるから、勝てば、の話ですよね。そこら辺は考えないようにして、取りあえずは今週目指してということですね。

－：改めて、今週に向けての意気込みを聞かせて下さい。

原：相手が急に強くなっているので。ポンポンと3連勝ということは、逆に相手がドンドン強くなっているということ。胸を借りるというか、力関係が分からないので、自分の力を出せればと。それ以外にないかなと。相手が云々というよりは、どれだけ走れるか、それだけだと思います。

－：枠や希望とする条件はありますか？

原：真ん中くらいが良いですけどね。真ん中から外というか、あんまり外過ぎるのもですから、あんまり内々じゃなければ、ですね。被せられて内に閉じ込められるのが一番アカンとは思いますからね。

－：天気的にはやっぱり晴れの方が良いですか？

原：もちろんそれは良いと思いますね。

－：分かりました。良い結果を。

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