昨年2着の舞台で成長した姿をみせつける!
2010/6/17(木)
鈴木伸尋調教師×高橋摩衣
-:マーメイドステークスに出走を予定しているニシノブルームーンについて鈴木伸尋調教師にお話を伺います。
高:先生、よろしくお願いします。ヴィクトリアマイルのときもお話を聞かせていただいてありがとうございました。
鈴:いえいえ。
高:そのヴィクトリアマイルは惜しい3着でしたけれども、レースを振り返っていただけますか?
鈴:久し振りの1600メートル、しかもG1の1600メートルということで「もしかしたら、ついていけないんじゃないかな?」という気持ちもありました。でもスタートも良かったし、ちょっと挟まれたので後ろの位置取りになりましたけど、思った以上に楽に追走していたと思います。だから終いもあれだけ伸びてきたのかもしれませんし、今までと違った面が見れて、レースの選択に幅が出たんじゃないかな。
高:レース中に他の馬と接触もあったようですけれども。
鈴:やっぱり良いポジションを取りたい馬が多いですから、外から被せてくる馬もいるんですよね。それでちょっと危ない状況になって下げたので、後ろの位置取りになってしまいましたけど、それがなければ中団からレースが出来たんじゃないかな、という風に見えました。
高:追走の感じも良くて。
鈴:そうですね。G1の1600であれだけ追走出来れば、もうちょっと相手が楽になれば好位で競馬が出来るかな、と思います。
高:最後ゴール前で伸びて来たときは「キャーッ」って声が出ました(笑)。
鈴:坂上から伸びてきましたからね。あれはやっぱり力がある証拠ですよね。
高:ヴィクトリアマイルのインタビューでも、先生はニシノブルームーンの成長を感じていらっしゃいましたね。
鈴:去年の秋に栗東から帰ってきてから馬が変わってきましたね。体重ももちろん増えて、男馬みたいな体つきになってきた感じでね。本当に前は華奢で、レースが終わったあとはカイバも食べられなかったんですけど、今はもうバリバリ食べますから。
高:ヴィクトリアマイルの後もカイ食いは良かったんですか?
鈴:もう2、3日で体重は元に戻りましたよ。
高:そうですか。ちなみにヴィクトリアマイルの後に安田記念に行こう、というお考えはありましたか?
鈴:それも少し考えましたよ。ヴィクトリアの結果が出る前までは、ヴィクトリアの次はマーメイドステークスで春は最後、と決めていましたけど、ヴィクトリアを見て、同じコース条件で馬としてもレースをしやすいだろうし、安田記念もありかな、と。でも牡馬相手になりますし、オーナーと相談して、オーナーも悩んでいましたけど、最初の予定どおりマーメイドに行こう、ということになりました。
高:なるほど。マーメイドステークス後はどのような予定をお考えですか?
鈴:昨年と同じように北海道で休養をして、秋のエリザベス女王杯に向けて、2ヶ月くらい前から栗東入りをしようかな、と思っています。昨年は府中牝馬ステークスからエリザベスに向かいましたけど、輸送して体調が戻りつつあるタイミングで本番を迎える形になったので、今度は関西のレースをステップにしたいな、と考えています。
高:輸送にはやっぱり気を使われますか。
鈴:はい。輸送に慣れてはいますけど、決して得意ではありませんから。大体20キロくらいは減りますね。移動の間にストレスがかかりますし、栗東に着いてもすぐにはカイバも食べられませんしね。1日のカイバの量は7、8キロありますけど、それを食べられない上に発汗などもあると、やっぱり体は減ってしまいますね。
高:では今回も輸送は…。
鈴:多分20キロくらいは減るかもしれませんね。でもそれはもう想定内です。
高:それを計算して調整されてきているんですね。
鈴:そうですね。ヴィクトリアマイルのときとは違う調整になっています。今日(6/16・水)は単走で行って、輸送を考慮した形にしました。
高:キツくなり過ぎないように、と。
鈴:そうです。キツくなり過ぎないように。1週前にビッシリとやっているので、もう馬体も出来ていますしね。精神状態も良いので、これ以上ストレスをかける必要はない、という感じです。
高:良い状態なんですね。ちなみに輸送はいつされる予定ですか?
鈴:レース前日の朝です。朝4時頃にトレセンを出発する予定なので、競馬場には13時くらいに着くと思います。
高:なるほど。さてマーメイドステークスですけど、去年は2着でしたね。
鈴:暑いカンカン照りの陽気で、開幕週のパンパンの良馬場だったんですよね。ほとんど前の馬が止まらない馬場状態で、上手く逃げ切られてしまった、という感じでした。
高:今年はいくらか湿った馬場になってくれるんじゃないか、と。
鈴:なりそうですね。
高:好材料が揃いますね。前走で久し振りに1600メートルを使ったことによって、馬に変化が出ることは考えられますか?
鈴:やっぱりいくらかは行きたがるでしょうね。自分からスッと出て、ムチで叩いたり押したりして無理に出していないので、多分そんなには行かないと思いますけど、やっぱり短いところを使ったあとの長いところは、気をつけないと馬がその気になってしまいますからね。そこがちょっと心配ではあります。でも調整が上手くいって、ストレスがかからないで調整を出来ていますし、輸送を上手くクリアして競馬場で落ち着いていれば、あとは問題ないと思います。
高:楽しみですね。
鈴:体調も良いし、脚元の不安もありませんからね。
高:いいですね。応援しています。先生、今日もありがとうございました。
鈴:ありがとうございました。
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■最近の主な重賞勝利 |
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これまでにユビキタス、ラヴァリージェニオ、チューニー、ミッドタウンなど個性溢れる管理馬を輩出。 ヴィクトリアマイルで僅差の3着と好走したニシノブルームーンが、今週マーメイドステークスに臨む。 |
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■出演番組
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2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。 |