関係者の素顔に迫るインタビューを競馬ラボがオリジナルで独占掲載中!

的場勇人騎手

的場勇人騎手

-:本日は、来週7月19日より海外研修のためアイルランドに向かう的場勇人騎手にお話を伺います。

高:よろしくお願いします。

的:よろしくお願いします。

高:海外研修に行くことは、いつ頃から考えていらっしゃったんですか?デビューする前からそういう考えもあったんですか?

的:全然なかったです。具体的に行こうと思ったのは、今年いきなりなんですけどね。人の話を聞いていて「海外はいつか行ってみたいな」とは思っていましたけど、今年に入って、いきなりパッと「行きたい」という気持ちが湧きましたね。減量も無くなったし、行くなら早いうちに行った方がいいなと思っていましたから。

高:今行くのがタイミングとしてもいいのかな、と。

的:そうですね。

高:場所を決めるにあたって、松岡騎手からのアドバイスもあったんですよね?

的:その通りです。僕が海外に行こうと思った理由は、技術はもちろんですけど、ちょっと自分自身のハングリー精神というか、精神的なものを一から見直したいなっていうのがあったんです。日本では乗鞍など恵まれているところがありますけど、向こうはレースで一つ騎乗するのにハングリーさが違うから、そういう面での貪欲さ、悪い言い方をすれば「人からも奪ってやるんだ」くらいの気持ちもないと…。

高:周りの方からも言われますか?もっと貪欲にいかないとダメだぞ、とか。

的:うーん、貪欲に、というか「競馬をキレイに乗り過ぎる」とは言われますね。もっと制裁ギリギリのところまで攻めていったり、そういう狡さも身に付けないといけないかな、とは思いますね。

高:ご自身の性格から、そういう乗り方が出来ると思いますか?

的:今は恵まれているからそういう風に思わないのかもしれませんし、違う環境に行ったら変わるのかもしれませんし。それで精神面を見つめ直すためにも、誰も知らない環境に身を置いてみたいな、ということで海外研修を考えて、いろんな人に話を聞いた結果「アイルランドがいいのかな」と。

高:最終的にアイルランドにした決め手は何だったんですか?

的:松岡先輩から話も聞きましたし、紹介してくれる人がいましたし、メチャクチャ治安が悪いわけでもないし、そういうところを考えてですね。

高:アイルランドは、設備面でも日本とは環境が違うんでしょうね。

的:日本は調教コースも整備されていますけど、向こうは土地も広いですから、自然の地形を生かして利用した感じの作りになっていて、芝もボコボコだったり、馬がバランスを取りにくいんですよね。そういう環境で、馬が上手く走れるような乗り方が身に付くのかな、という思いは漠然としています。松岡先輩には「抱えて乗れるようになるんじゃないか」とは言われました。

高:抱えて乗れる?

的:抱えて乗るって、馬に乗らない人に対して僕も上手く説明出来ませんけど、要するに馬が走りやすくなるようにバランスを取ってあげる感じですね。それで、馬がバランスを崩しそうになってもすぐに立て直すことが出来たり、どんな馬場でも馬を速く走らせる乗り方が出来るようになれれば、という思いはありますね。

高:なるほど。ちなみにアイルランドではどのような仕事の流れになる予定ですか?

的:ジョンオックス調教師の厩舎でお世話になる予定です。具体的には行ってみないと分かりませんけど、行った人の話では一から十まで全部自分でやる感じですね。

高:馬の世話や馬房の掃除も。的場騎手は最近そういう作業はされていました?

的:やっていません。競馬学校のとき以来ですね。だから「馬との距離感が近くなる」とは言われましたね。

高:そうなんですか。的場騎手、ちなみに英語は…

的:大丈夫です。日常会話程度なら。

高:凄い!何で喋れるんですか?

的:あれ?中学校のときに英語習わなかったんですか?

高:習いましたよ(笑)。ディスイズアペン!

的:あ、出来るじゃないですか。

高:それくらいなら喋れますよ(笑)!的場騎手は英会話に通われました?

的:はい。今年に入ってから。

高:海外に行こう、と決めたこともあって。

的:そうです。まあ、行けば何とかなりますよ。喋れなくても。

高:本当ですか?



的:大丈夫です。だって喋らなきゃしょうがないんですから。何とかなりますよ。だってもう行くんだもん!今更しょうがないもん!来週の月曜日に行くんだもん!

高:アハハ(笑)!駄々こねてるみたいになってる(笑)。海外に行くことで、周りの方は心配されていませんでしたか?

的:母親は少し心配しているみたいでしたけど…、もう22歳だもん!やれるよ!

高:アハハ(笑)!22歳だもん(笑)!

的:まあ、何とかなりますよ。でも、今回遠征を後押ししてくれる人も多いですけど、中には「行っても意味が無いんじゃないの」とか言われたこともありましたよ。

高:そうなんですか。

的:でも、それは行かなきゃ分からないじゃないですか。僕は、行きもしないで「意味が無い」とか言って、何も行動しない人間にはなりたくないので。

高:行動しないで判断するよりは、まずは体験してみよう、と。

的:そうですね。日本人の先祖は良いことわざを残しているんですよ。「百聞は一見にしかず」と。

高:イヨッ!

的:せっかく先祖が良い言葉を残してくれましたから。一回きりの人生なので、やることは全部やっておかないと。

高:向こうで会ってみたい騎手や調教師はいますか?

的:うーん…、誰というわけではなくて、みんなから良いところを見て来たいなと思います。松岡先輩から「自分より若くて上手いジョッキーがゴロゴロいる」と聞いていますし、日本とは馬文化が違って、向こうは小さい頃から乗っていますし、何かを得るところはあるんじゃないかと思います。

高:なるほど。ちなみに的場騎手は、現在の自分の状況をどうお考えになりますか?

的:うーん、今で満足はしていませんし、また満足していないから、刺激を得て現状を打破するために海外へ行くという部分も多いですね。成績を上げるためにも、もっと自分の技術を上げないといけないと思っています。

高:まだ満足されていない、と。

的:やっぱりトップジョッキーになりたくて騎手になったので、トップにならなきゃ意味がないので…。実際に行ってみないと分かりませんけど、今回海外に行くことが決して遠回りになるとは思っていませんし、得るものは少なくないと思います。

高:的場さんの考えるトップジョッキー像はどんなものですか?

的:もちろん結果を残すのがプロですし、キレイ事だけではやっていられませんからね。結果を残さないといけませんし、大きいレースを勝つジョッキーになっていきたいと思っています。まあ、成績はどこまでいってもきっと満足はしないと思うので、数字がどうというより、今日より明日はもっと良いジョッキーでありたい、とは思っています…という真面目な話をしてしまいましたけど…。

高:真面目な話でいいんですよ(笑)!それでいいんです。

的:そうですか(笑)。

高:ところで親友の田中博康騎手は何か言っていました?

的:「オーイオイオイオイ」って。

高:寂しそうに。しばらく二人でデートも出来ませんね(笑)。

的:田中と一緒によく行く鍋屋さんのアルバイトの人に、つい最近まで、僕と田中がホモだと勘違いされていました。

高:アハハ(笑)!

的:「違うよ」とキッパリ否定しておきました。田中は良いヤツですけど、性的な魅力はゼロです。

高:アハハ(笑)!最後に帰国時期は未定のようですけど、目安はありませんか?

的:アイルランドに行った後はフランスも行きたいな、と思っているので、凱旋門賞の前あたりからフランスに行こうと思っているので、それまでは海外にいますね。

高:分かりました。では海外研修頑張ってください。ありがとうございました。

的:ありがとうございました。


【的場 勇人】 Hayato Matoba

1987年茨城県出身。
2006年に美浦・的場均厩舎からデビュー。
JRA通算成績は113勝(10/7/14現在)
初騎乗:
2006年3月 4日 2回 中山3日 2R ボビン(9着/15頭)
初勝利:
2006年3月11日 2回 中山5日 1R リキアイカザン


デビュー年に12勝をあげ、民放競馬記者クラブ賞(関東新人騎手賞)を受賞する。以降も27勝、39勝と着実に勝ち星を伸ばし、 09年には通算100勝を達成した。2010年夏、更なる飛躍を目指し、海外研修のためアイルランドへ向かう。




高橋摩衣

生年月日・1982年5月28日
星座・ふたご座 出身地・東京 血液型・O型
趣味・ダンス ぬいぐるみ集め 貯金
特技・ダンス 料理 書道(二段)
好きな馬券の種類・応援馬券(単勝+複勝)


■出演番組
「Hometown 板橋」「四季食彩」(ジェイコム東京・テレビ) レギュラー
「オフ娘!」(ジェイコム千葉)レギュラー
「金曜かわら版」(千葉テレビ)レギュラー
「BOOMER Do!」(J SPORTS)レギュラー
「さんまのスーパーからくりTV」レギュラーアシスタント


2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。