アイルランドの武者修行からホープが帰国
2010/11/4(木)
的場勇人騎手
-:今日はアイルランド遠征から戻られた的場勇人騎手にお話を伺います。よろしくお願いします。
高:よろしくお願いします。まず行く前から心配だった英語ですけど、ちゃんと話せましたか?
的:最初の2週間くらいは凄く帰りたかったですね。身の回りに日本語が無いから、頭痛しそうな勢いでした。
高:意志の疎通も苦労したんじゃないですか?
的:最初はそうですね。ひとつアドバイスさせてもらうと、海外に行くときは辞書を持って行った方がいいですよ。
高:えー!辞書を持って行かなかったんですか?ウソー(笑)。
的:エヘヘ(笑)。
高:寂しくて日本に電話しちゃったりしませんでしたか?
的:しましたよ。一番最初に……、田中博康(騎手)に。
高:やっぱりー(笑)。仲良しですねえ。
的:自分の携帯が使えなかったんですよね。グローバル携帯を持って行ったんですけど、何故か使えなくて。いつまでも「エリア検索中」になって。
高:検索されず。
的:それで向こうで携帯を買って、日本にかけたんですよ。例の彼に。そうしたら寝ぼけていて「ん…むぁ?あ、そうなの?」みたいな。「今度かけるよ」とか言っていましたけど、田中からは結局一回もかかってきませんでした。
高:あらー(笑)。
的:一回もかかってきませんでした。
高:悲しいですね(笑)。
的:一回もかかってきませんでした。これ、ちゃんと書いておいてください。
-:承知いたしました。
的:電話をかけてきてくれたのは、松岡先輩(松岡正海騎手)ですね。「大丈夫か?」って。
高:松岡先輩はアイルランドに行く前もアドバイスをくれたんですよね?
的:そうです。だから多分寂しい気持ちを分かってくれたんじゃないですか。
高:さすが松岡先輩ですね。ちなみに食事はいかがでした?
的:向こうのご飯はちょっと口に合わなかったけど、アイスクリームはメッチャ美味しかったですね。体に悪そうな色をしているんですけど、美味かったです。競馬場で売っているソフトクリームも美味しかったです。
高:そうなんですか。普段はどんなものを食べていたんですか?
的:外食は油っこいものが多いし、野菜もとれないし、自分で作った方が美味しいから、毎日自炊をしていました。料理の腕は超上がりましたよ(笑)。
高:どんな料理を作ったんですか?
的:何でも作りました。水炊きまで作りましたよ、一から。ダシもガラから取って。超アクが出るんですよ、ガラ。日本人がいて、たまに一緒にご飯を食べるときに料理を作ってあげましたけど好評でした。一人鍋はよくやりました。
高:アイルランドで一人鍋…。
的:ポン酢も売ってないから自分で作って。レモンとオレンジとグレープフルーツと醤油を混ぜて。天ぷらも作ったし、カツ丼、親子丼も作ったし。白身魚の白ワイン蒸しも作りましたよ。
高:シェフですね(笑)。向こうのジョッキーの方たちはどういうものを食べているんですかね?
的:自分で作っている人もいましたよ。フランスとかいろんな国の人がいたので「魚はどこで買っているんだ?」とか「あの店はいいぞ」って情報交換をしていました。
高:主婦みたいな会話してますね。
的:「種類は多いけど高いのよ」みたいな。
高:語尾まで主婦っぽくなってる(笑)。スーパーのチラシをチェックして特売のものを買ったり。
的:ネスカフェのコーヒーが美味しいんですけど、向こうでは高かったんですよ。違うブランドのものがネスカフェの5分の1くらいの値段で売っているんですけど、やっぱり美味しくないんですよ。それでネスカフェにしたいんですけど、高いから、安売りのときに買ったりしました。
高:いくらネスカフェが高いといっても買えない値段じゃないですよね?買っちゃえばいいじゃないですか(笑)。
的:いやいや。確かに買えない値段じゃないですけど、安い日を狙っていきました。だって、給料がありませんからね。3ヶ月間給料がありませんから、もの凄くケチになりましたよ。取材もギャラを積んでもらわないと喋りません(笑)。
高:アハハ(笑)!今度プリンか何か甘いのも渡すのでよろしくお願いします(笑)。でも、お給料が無いって、調教をつけても何ももらえないんですか?
的:はい、何も無いですよ。元々勉強のためということで行ったので。
高:修行先はジョン・オックス厩舎でしたよね。遠征期間中はずっとそちらにいらっしゃったんですか?
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デビュー年に12勝をあげ、民放競馬記者クラブ賞(関東新人騎手賞)を受賞する。以降も27勝、39勝と着実に勝ち星を伸ばし、 09年には通算100勝を達成した。2010年夏、アイルランドで海外研修を経験。帰国後も勝ち星を伸ばし始め、更なる活躍が期待される。 |
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■出演番組
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2006年から2008年までの2年間、JRA「ターフトピックス」美浦担当リポーターを務める。明るい笑顔と元気なキャラクターでトレセン関係者の人気も高い。2009年より、競馬ラボでインタビュアーとして活動をスタート。いじられやすいキャラを生かして、関係者の本音を引き出す。 |