世代屈指の末脚が唸る!ワールドエース
2012/4/8(日)
森澤光晴調教助手(栗東・池江泰寿厩舎)
デビュー2戦目こそ、土をつける結果に終わってしまったが、圧倒的なパフォーマンスできさらぎ賞、若葉Sを連勝と、快進撃を続けるワールドエース。 そのスケールを感じさせる走りは、厩舎の大先輩であるオルフェーヴルに次ぐ、スター候補生登場を予感させる。今回はそのオルフェーヴルとワールドエースを担当する森澤光晴調教助手にうかがった。 。
-:ワールドエースについて取材させていただくのは初めてになります。まず、トレセンへ入厩した時の第一印象を教えてくれますか?
森:性格的には素直でいい馬だと感じました。馬体もいい体をしていると思いましたし、入厩して2日目に初めて跨りましたが、いいキャンターをしているというか、よく言う乗り味の良さや、バネを感じましたね。
-:そして、新馬戦は着差以上の強さをみせてくれました。当時のコンディションや、仕上がり具合はどれくらいのものでしたか?
森:マズマズと言ったところですが、調教もしっかり積んで、動ける状態にはありました。僕が見ても「ちゃんと仕上がっているな」と思えました。
-:実際に新馬戦をご覧になっての印象はどう感じられましたか?
森:もう、期待通りというか。あのレース内容通りでしたね。
-:2戦目の若駒Sはゼロスが逃げて、5番手から最後は2着に上がりました。あのレースの敗因は馬場も一つにあげられるのでしょうか?
森:そうですね。重馬場もプラス材料とは言えなかったでしょうし、展開も向かなかったと思います。道悪でも結果は出ていますが、本来は良馬場向きだと思います。
-:実際はパンパンの良馬場の方が良さは出ると。では、この馬を手掛けていて、良さはどの部分に感じますか?
森:身体能力が高いことは勿論ですが、回復力は速いですね。
-:当初は折り合い面が課題だとも言われていましたが、そういった面で難しいところは感じられましたか?
森:いや、特にそういうところはなかったですよ。レースに行けば、少し掛かる面は出ますけれど、こっち(トレセン)ではないですね。
-:性格的にはどんな子ですか?
森:さっきも言わせてもらったように素直で、普段は扱い易い子です。大人しくてカッカするようなところはありませんから。
-:皐月賞を目指す段階で、今のコンディションはどんな状態でしょうか?
森:前走後は厩舎において、しばらくゆったりさせていました。今週は祐一君(福永騎手)に追い切りで乗ってもらって、しっかり負荷を掛ける調教をしてもらいました。順調に良くなってきていると思いますし、前走よりも上向いていると思います。
-:この馬は京都、阪神とレースをしてきて、長距離輸送の経験がないと思います。その点についてはどう感じられますか?
森:長距離輸送に関しては、今回が初めてですからね。でも、今まで阪神や京都に輸送した感じでは、どこへ行っても、全然テンションの上がらない馬。正直、長距離だけにどうなるかは未知数ですが、それほど、僕は心配していないんですよ。
-:もっとカッとしている馬なら心配になるでしょうが、そうでもないわけですよね。これまで観ていると、位置取りを気にせず、抑え込んで終いにかけるような戦法の方が合うような印象がありますが、普段はもっとリラックス出来ると。
森:調教をしている分には真面目に走り過ぎるきらいはあります。まあ、一戦一戦、競馬を使う毎にだいぶコントロールできるようにはなってきていますよ。
-:追い出してからの迫力は物凄いものがありますよね。問題は荒れた中山の馬場だと思います。
森:う~ん、でも、それは皆一緒。言い訳にはなりませんし、これもこの馬にとって経験になることですからね。
-:ちなみに乗っていて、パワーとスピード、どちらを感じますか?
森:そうですね……。どちらかといえば、スピードタイプでしょうか。それでも道悪はこなしていますが。
-:馬体をみさせてもらいましたが、いい体はしていますよね。
森:ここへ来て、だいぶ締まりも出てきましたし、いいですね。楽しみになります。
-:では、最後にファンがパドックでこの馬を観る際に注意すべき点があれば教えて下さい。
森:どの馬にも言える事かもしれませんが、しっかり並足で歩いていれば、これまで通りの気配だと思います。3歳馬ですし、輸送もありますので、ドッシリと落ち着いてくれれば、この馬の走りが出来るんじゃないかと思います。
-:大変お忙しいところ、ありがとうございました。
森:はい。ありがとうございました。応援してください。
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