元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
行く年来る年!
2015/12/24(木)
今年も例年通り、ビンゴ大会が行われ、見事、長谷川君ファミリーがディズニーリゾートチケットをゲットしました。初参加で目玉景品ゲットということで、子供達も楽しくしてくれ、本当に良かったです。そして、今年のビンゴでは松田家がフィーバーしました。去年のビンゴでは、インスタントカレーやティッシュなどしか当たらず、リベンジを誓っていましたが、今年は次男が大間のマグロ、妻が神戸クルーズチケット、私は何もなし……と私以外の活躍が見えたビンゴ大会となりました(笑)。
それでは競馬の話にいきましょう。長谷川君が担当しているボールライトニングも出走した最強2歳決定戦、朝日杯フューチュリティSが阪神競馬場で行われました。このレースを制するとJRA全G1制覇になる豊ちゃん騎乗のエアスピネルが1番人気に推奨され、2番人気には1戦しか戦っていないリオンディーズ、続くようにシュウジが選ばれました。スタート直後からウインオスカーがハナを奪う展開となり、レース前に想像していた通り、少し早いレースとなりました。それを見越してか豊ちゃんは中団グループに馬を入れると、楽にレースを運ぶ展開となりました。道中を見ていると、これは豊ちゃんのレースになるなと思ってみていましたが、4コーナーでは代打騎乗の中谷君が豊ちゃんに仕掛けると、一気に早くなった中、大外から規格外の脚でミルコ騎乗のリオンディーズが全てを飲み込み、デビューから29日でG1制覇をしました。
勝つ時というのは本当に全てが噛み合いますね。1戦しか出ていない馬が出走できたこと、引っ掛かる馬が見事外枠に入り、しかも速いペースになり展開が向いたことなど。そして、ミルコが馬の力を信じて乗った、あの騎乗こそが今回の勝利に繋がったと思います。馬の力が違ったと結果が出てから言われますが、あの馬を抑え、力を信じたレースをG1で行えるのはミルコだからこそできた騎乗だと私は思います。2着に敗れた豊ちゃんも完璧なレースだったと思いますね。今回は相手が悪かったとしか言いようがない競馬でした。そして、3着に入ったシャドウアプローチと中谷君は、このレースの殊勲賞だと思います。道中から豊ちゃんをビッチリマークし、勝負に徹した乗り方はG1を2戦しかしていない騎手のレベルではなかったと思います。乗り馬さえ集まれば、遅れてきた勝負師がG1制覇をするのも夢ではないのかもしれません。
JRA2015の最終週となる今週には、障害G1の中山大障害、グランプリ有馬記念が行われます。本当に色々ありました。初の外国人騎手がJRA所属となり戦った2015年。ドゥラメンテという怪物の誕生、藤田君の電撃引退、ラブリーデイやモーリスの覚醒など、多くのニュースがありました。そして、最後にドラマが生まれるのか非常に楽しみにしています。残念ながら出走を予定していたショウナンパンドラが回避を発表しましたが、ファン投票により、出走馬が決定する有馬記念でファンの大きな後押しを受けた、白い暴れん坊ゴールドシップが当レースで引退を迎えます。
前走のジャパンカップでは、須貝先生がゲートまで付いていき、見事ゲート難を克服したのも、今回のグランプリに備える準備だったと思いますし、ファン投票1位として、どのような競馬をするのかにも注目しています。そんな中、私の注目はキタサンブラックになります。今回、主戦を努める北村宏君から乗り替わりということで不安もありますが、一発勝負ができる典ちゃんならと思わされます。ペースは少し遅くなる気がしますし、皆様の前を通過する際にも馬が落ち着いていれば、一発があるのではと思っています。
その他の注目としてはリアファルになりますね。有馬記念と相性のいいクリストフが、どれだけ自分の競馬ができるかで結果は変わってくると思います。そして、ラチを背負う我慢の競馬ができればラブリーデイ、3週連続重賞勝利のミルコとサウンズオブアース、スターウォーズの話題からもゴールドアクターにも注目しています。今回のレースは、枠、観客前のストレート、それが終わったあとの向正面と、この3つが重要なポイントとなると思います。その他にも紅白のトリを努めるのがマッチに選ばれましたし、マッチ⇒松田⇒ホークス⇒3番!3番から目が離せませんよ(笑)。
激動の2015を締めくくるのは、あなた次第。グランプリに相応しい、最後のレースを中山競馬場で見届けましょう!それでは皆様、良いお年を!!!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。