この秋もスプリンターズSを制覇、天皇賞(秋)でも2着など、大舞台での活躍が光る戸崎騎手。今回は騎乗にまつわるエピソードを混じえつつ、読者からの質問に答えてもらいました。(取材11月上旬)

30代半ばになっても疲れ知らず?

-:さて、日頃からレースの話題はみっちり伺っておりますので、読者からの質問にお答えいただきたいと思います。まずは「最近のマイブームはなんですか?」とのことです。

戸崎圭太騎手:う~ん、そういうのは無いんだよなぁ。

-:前は靴が……という話でしたが、それはもう終わった感じですか?

圭太:探してはいるけど、あんまり新しいのが出てこない。なぜなら年2回の周期だったり、4回ですよね。コレクターというほどでもないので、ビンテージ品を集めたり、保存用と履く用に2つ買ったりしませんからね(笑)。

-:続いて「体調に不安がないという話をされていたと思いますけど、日頃のケアはどういったことをされているのですか?」

圭太:いや~、特に何もしていないですね。

戸崎圭太

-:いつも聞いていてスゴイと思うのが、どこも痛くない方は珍しいですよね。それはスポーツ選手でもサラリーマンでもそうですし、なかなかそんな方は目にしないです。

圭太:まあ、痛いところはあまりないですね。レースにたくさん乗って、太ももが少しだるかったり、そんな程度はあるけれど、ほぼないですね。ジョッキーならば、他の人のことはあまり耳にしないけど、人によっては腰が痛くなる人もいるのかな。

-:30代半ばになって、それはすごいなと思いますね。

圭太:聞かないから分からないですが、周りもそうなんじゃないですか。(マネージャーに向かって)あっちこっち痛いというのはあまり聞かないよね?

マネ:言わないだけなんじゃないの。だって、俺なんか(騎手時代は)けっこう痛かったもん。乗ってりゃ腰も相当痛くなるし。調教で、ですよ。足の裏も痛くなるし……。

-:南関東にいる時は、年間1500ほどは乗られた訳じゃないですか。それでも何もないというのは立派だと思いますね。

圭太:一生懸命乗っていないんですかね、ハハハ。

-:じゃあ、一生懸命乗らなくても勝てるジョッキー、ということにしておきましょう。

圭太:いや、競馬ってがむしゃらに、一生懸命乗ったって勝てるものじゃないですからね。(安藤)勝己さんにも言われましたが、つくづくそういう風に思いますよ。余計に力が入ってしまう、というのも感じますし、難しいですよね。もちろん、一生懸命は一生懸命なんですけどね。騎手は一つでも前にいきたいですし、勝ちたいですし。周りにはとやかく言われるけど、いつも必死なんでね。

戸崎圭太

大先輩からの提言をついに実現

-:続いて、繊細な質問ですが「周囲の声は気になりますか?」とのことです。

圭太:たまに気になったりはしますが、別にそれを引きずるタイプではないですね。どちらかと言えば、気にならない方が多いんじゃないですか。

-:それは、以前と比較したらいかがですか?

圭太:地方にいた時の方が情報は入ってこないから、気にならなかったですが、今も気にしたから自分がどうなるというのは特にないのでね……。良い方向にはならないですよね。

-:この前、安藤勝己さんと喋っていたんですけど「今のジョッキーの中で冷静に乗れているのは戸崎じゃねぇか」と言っていました。

圭太:すごくありがたいですけど、一つも合ってないですよ(笑)。冷静に乗れてないよねぇ。

マネ:いや、冷静には乗ってるでしょう。

圭太:乗っているのかねぇ。いやぁ~。

戸崎圭太

-:その一方で「もうちょっと大胆さは欲しいわな」とは言っていましたよね。

圭太:ああ~。冷静にというのはどうなんだろうねぇ。前よりは乗れるようになったのかな。

マネ:でも、安藤さんは全部のレースを観ている訳じゃないですからね。主要レースだけでしょうからね。

-:今は特にそうでしょうね。

圭太:メインレースだけでも、そうやって言われるのはありがたいですけどね。まあまあ、ありがたいですが、大胆さはしょうがないですよ。自分に欠けているものだから。

-:雑誌優駿さんで岩田さんとの対談にも「脱……(無難)」と書いてありましたね。

圭太:書いてありました?いや、「脱」ではないね。無難が一番だから、フフフ。

-:「無難プラスアルファ」のようなジョッキーと。

圭太:まあ、そうかな。

戸崎圭太

-:ちなみに、アンカツさんとの縁では、以前に「手綱を短くしてみれば」と言われましたよね。

圭太:最初、勝己さんに言われて、それから変えてやったけど、何かやっぱり違和感があって。一旦、考えないようにして、そこから最近は短くするイメージが湧いてくるようになっていますね。

-:なぜ、話を聞いたかといえば、最近はちょっと変わってきたんじゃないかと気になっていたんです。

圭太:そう、多分違うと思います。前よりは短いと思いますよ。

-:これは僕からの質問なのですが「今回の東京開催では内で詰まらないのが目標」とおっしゃっていましたが、そこら辺はいかがでしょうか?

圭太:詰まってるねえ~、フフフ。詰まっているけど、前よりは良いですね。詰まり具合は前より良いですよね?

マネ:良いんじゃない。考えているというか、ちゃんと出来ていると思います。

-:ちなみに、雑誌の対談でも語れていましたが、岩田さんはなぜ開くんですか?

圭太:分からないです。でも、岩田さんだって詰まっている時もありますからね。(詰まることも)あるのはあるんですよ。

戸崎圭太

-:だから、ある程度イメージの問題でもありますかね。それで、上手く乗れていたら、周囲のイメージも変わるでしょうし。

圭太:上手いのは、詰まっているように見せないというのもあるんじゃないかなと思いましたね。

-:岩田さんだとインからスパッと抜けてくる感じがしますね。

圭太:一番内ね。制裁はもらっているけど、そういう華麗なイメージがありますよね。

-:結果はどうあれ、去年よりはそこら辺は改善されているということですね。

圭太:まあ、詰まったら叩かれるだろうけどね。でも、改善されていますよ。

-:そういうような話をしていたら、安藤さんは「逆に気にしない方が良いんじゃないか」と言っていました。失敗することに関しては、別にネガティブに捉えなくていいと。

圭太:確かにそうですね。

-:そして、最後に「戸崎騎手のサインをもらいたいそうですが、どこに行ったら遇えますか?」とのことです。

圭太:ハハハ、困る質問ですが、競馬場ですね。基本、連続騎乗の時は書けないですからね。ファンの方には声は掛けられますが、次のレースもすぐなのでね。申し訳ないと思いますが、そこは書かないです。ちょっと空いた時は書いたりしますけど、それでも準備がありますのでね。

-:レースに行く前に、ちょっと打ち合わせをしたい調教師さんとかもいらっしゃる訳ですよね。特にG1や重賞なら事前に話すこともあるでしょうが、条件戦なら直前ということも。

圭太:そうです、そうです。

-:なるべく空いた時は極力と。

圭太:そうですね。レース中はね。あとは、どこでもらったらってね。他は別にないもんね。まあ、嬉しい話ですけどね。

※次回は11月27日(金)に更新予定です。

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