ハイレベルと言われる現3歳世代において、2歳6月に早期のデビュー勝ち。リアルスティールの全弟という血統背景などからも、早くから高い評価を集めていたプロディガルサンがいよいよ青葉賞(G2)で戦列復帰を果たす。また、オークストライアルのスイートピーSでもおなじみフェイズベロシティに騎乗と、戸崎騎手にとっても、一年の計を迎えつつある時季がやってきたと言っても過言ではないだろう。その他、次週の交流重賞など話題が豊富な一週間。タップリと語ってもらった。

帰ってきたプロディガルサンと久々タッグ!


-:今週は京都で天皇賞が行われますが、戸崎騎手は土日で東京。じっくり腰を据えて臨む週になりますね。その中でも一番の注目あろうのが土曜の青葉賞(G2)プロディガルサンは予てから高い評価を受けながらも、これが昨年の東スポ杯以来の実戦となりますね。少し前ではありますが、中間の追い切りにも乗られたということで、その感触はいかがでしょうか?

圭太:皐月賞路線をパスする形になりましたが、中間はじっくりと立て直されて、順調に来ているのではないでしょうか。

-:まだ中間は出来上がっていなかったかもしれませんが、ここへ来ての厩舎関係者などのコメントを見ていると、前向きな評価も伝わってきますし、実際に最終追い切りも良い動きでしたね!それでも、以前は精神面が子供っぽいというお話がありました。

圭太:正直、まだそういう課題はありますね。そこは伸びしろでもありますし、裏を返せば、良いものは持っているので、まだまだ伸びてくる器ですよ。リアルスティールやラングレーにしろ、今やしっかり結果を残していますからね。

戸崎圭太

プロディガルサンの最終追い切り 担当助手が騎乗しタンタアレグリアと併せた


-:能力の一端を窺わせてくれたレースといえば、確かに2走前は2歳馬ながらも速い時計をマークしていましたね。

圭太:ええ。お兄さんもドバイでG1を制し、血統的な注目度も高まっていますよね。実戦でも変わり身というか、上積みがあるんじゃないかと期待しています。

-:距離が延びる上で道中のコンタクトはより重要になりますよね。

圭太:そうですね。ただ、折り合いなどはそんなに懸念はしていませんから。あとはどこまで持っているものを出してくれるかという思いです。

-:続いて日曜メインのフェイズベロシティ。オークストライアルのスイートピーSに登場します。

圭太:フットワークからも東京になって良いはずです。前走は多頭数の中山で内枠になったことも、この馬にとっては苦しい条件でしたからね。結果的に逃げ切りが決まったように、差しは利きづらいレースでしたからね。改めて見直したいです。

-:その前走のレース前も低評価に反するようなコメントをされていましたよね。

圭太:そうです。前走は度外視していいと思っているので。それに、馬体が減っていたことも決して良くはありませんでしたから、そこは立て直してきてくれるはずですよ。

戸崎圭太

-:土曜に話題は戻り、最終レース(4歳上1000万下)のキタサンサジンはどうですか?

圭太:ゆるさがあるところが勝ち切れない理由なのかな、とも思いますが、上手く運べれば勝ち負けのチャンスはあると思っています。戦歴からも決めたいところではありますよね。

-:春光ステークスのジャッカスバークは久々のコンビも、前走も勝ち上がりました。

圭太:能力はあるけど、気難しさがありますよね。力を引き出せれば、ここでやれてもとは思っていますが、そのタイミングですね(苦笑)。

-:秩父特別のラテラス、6R(3歳500万下)のブラスロックなどはいかがですか?

圭太:ラテラスは追い切りに乗りましたが、良い感触は得られました。ブラスロックもすぐに勝ち負けというと大きなことはいえませんが、安定感はありますよ。

-:日曜最終レース(4歳上1000万下)のヴィンテージドールは2走前に乗られています。

圭太:僕が乗った時は状態がもう一つだったようですね。前走の勝ちっぷりならば、と楽しみです。

-:未勝利のナナエ(1R)、エラクレーア(2R)といかがですか?

圭太:ナナエはそろそろ出番があっても、とは思います。エクラレーアはマイルが合っていると思うので、見直したいですね。

戸崎圭太

かしわ記念で雪辱を!


-:先週の話題をさせていただくと、アウトオブシャドウは少し控えめなお話とは裏腹に、ラストは良い伸びでした。

圭太:先生も「調子が良い」とは言っていたのですが、それにしても、これまで以上のデキ。直線の伸びはさすが藤原厩舎の仕上げだと思い、感服させられました。展開もハマりましたから、快勝でした。

-:厩舎の仕上げももちろん、ジョッキーも上手く運ばれた一戦だったと思います。モンドインテロは久々の騎乗でしたが、少頭数の一戦を制しました。

圭太:未勝利を勝った時に芝でもやれる手応えはありましたね。その後も動向はチェックしていたのですが、ここ最近の勢い通りの競馬でしたね。

-:ミッキークイーンの全妹という良血・ルールブリタニアは初出走でした。

圭太:血統馬らしい良いフットワークはしていますね。ちょっと速くなってからが対応できませんでしたが、まだまだこれからの馬。未勝利にいるレベルじゃないですよ。

-:おなじみのマッチレスヒーローはどうでしたか?

圭太:う~ん、最後伸びてはきているものの、どうも序盤の行きっぷりがありませんでした。状態の悪いところがあれば、それも頷けるのですが、そんな雰囲気もなかったですからね。どうしたんでしょうか。

-:チャーリーブレイヴは惜しかったですね。

圭太:そうですね~。スムーズに行けましたし、揉まれると弱いタイプですが、どこかでチャンスは巡ってくるはずです。

戸崎圭太

スマートオーディンに騎乗する戸崎騎手(追い切りはCWコース)


-:今回は駆け足で語ってもらっていますが、続いて次週はゴールデンウィーク。競馬界は交流重賞真っ盛りのシーズンですね。

圭太:ええ、かきつばた記念(Jpn3)レーザーバレットは1200だと少しペースが厳しくなってきた印象で、1F距離が延びるのは良いんじゃないかと思います。かしわ記念(Jpn1)ベストウォーリアは前走も惜しかったですが、去年は2着の舞台。南部杯でも走っているように、地方の砂は悪く無いでしょうし、巻き返したいですね。

-:ベストウォーリアはモーニンとの再戦にも焦点が集まります。

圭太:そうですね。僕も勝たせてもらった馬なので、恨みはありませんが(苦笑)、雪辱を果たしたいですね!

-:今週は京都新聞杯(G2)スマートオーディンなどに乗りに行かれたようですね。

圭太:そうです。いつもどおりと言いますか、元気一杯。併走馬を軽くちぎっていきましたよ。状態は良さそうです。

-:G1こそ乗られない週ですが、来週含め、楽しみな話題ばかりです。楽しみにしています。

圭太:ハイ。ありがとうございます。

次回は5月6日(金)に更新予定です!