裏開催の無い2場開催が続いていたせいもあるが、3日間開催の新馬戦は除外が続出。こぼれた分は今週に伸ばしてくる馬もおり、出走馬が読みにくい状況になっている。

メンバーが揃いそうなのは京都芝1800m戦。
血統的に興味を引くのはフリーフォール(牡3、栗東・角居厩舎)だ。4代母に世界的名牝ミエスクがおり、リアルスティールプロディガルサン兄弟の近親にあたる。ドラフト時期には「角居厩舎の隠し玉」なんて声も聞かれたが、結局デビューは年明けとなってしまった。血統から興味は沸くが、現状は調教(以降、調教は主に1週前のもの)も目立っておらず、叩いてからのイメージが強い。

ネオヴァンプアップ(牡3、栗東・音無厩舎)は、祖母に札幌記念3着のノブレスオブリッジがいる。
「思っていた以上の動きをするし、ひょっとすると面白いかもしれない。父同様に1600〜1800mの条件が良さそう」と音無師。
坂路で53秒台と時計は並だが、動きは上々のようだ。

フェアウェルローズ(牝3、栗東・牧田厩舎)は、半兄に種牡馬としても活躍しているトーセンファントム、近親にアグネスゴールドフサイチゼノンなどがいる。
「スラッとした体型で距離も保ちそう。動きもいいし、軽い芝にも対応できると思う」と牧田師。 祖母のエリザベスローズは重賞を勝ち、母となってもアグネスゴールド、フサイチゼノン、リミットレスビッドと重賞勝ち馬を3連発で出し、POGでも人気になった一族。久々のこの血統の活躍がみたいものである。

フェアウェルローズ

かつてPOGでも人気になった一族の子フェアウェルローズ


ストラーノ(牡3、栗東・長浜厩舎)は、母が4勝でオークスにも出走したスペルバインド、母の兄には皐月賞3着、ダービー2着のシックスセンスがいる。早期から活躍する馬も多いので、新馬戦から結果を求めてもいいのでは。

調教で評価したいのはレッドエルディスト(牡3、栗東・笹田厩舎)。全体時計は速くないが、坂路で上がり12秒台を2本連続でマークしており仕上がりは良好。

トレジャーハンター(牡3、石坂厩舎)も坂路で52秒8。もう少し上がりの速い時計を直前に出せれば、新馬戦はチャンスだ。

京都ダート1200m戦は、アイギーナ(牝3、栗東・須貝厩舎)。坂路では常に終い1F12秒台を出しており、水準以上の動き。母のディアアレトゥーサは紫苑S勝ち馬、その兄のナカヤマフェスタは宝塚記念を勝ち、凱旋門賞2着と血統背景は十分だが、ダート1200mへの適性は微妙な感がある。

フィーリングウェル(牝3、栗東・平田厩舎)は前回も挙げたが、普段の動きから現状は短い距離のほうがいいと見て、1週伸ばして1200m戦へ。そのぶん仕上がり状況はプラスとなろう。

中山は、芝の2000m戦出走予定のカタルーニャ(牡3、美浦・金成厩舎)が、ウッドを馬なりで68秒5-13秒3なら悪くない。母の妹にアロマティコ(エリザベス女王杯、秋華賞ともに3着)がおり、距離も2000mくらいが良さそうだ。

ダート1800m戦は、プラチナフェアリー(牝3、美浦・奥村武厩舎)。
「放牧を挟んで、馬の成長に合わせてじっくり調整してきた。血統的にも期待したい馬だし、まずはダートの走りを見てみたい」と奥村師。
母系はトゥザワールドデニムアンドルビーなどを輩出しているフェアリードール系。芝の活躍が目立つが、パワーのある一族でダートでも結果を残している馬が多い。先々まで見ていきたい。

ダート1200m戦はキャピタルシップ(牡3、美浦・奥平雅厩舎)。母の妹のヒカルアマランサス、母の弟カレンミロティックはともにGⅠでも上位に入っている。状態次第では来週以降に回る可能性もあるが、出てくれば仕上がりは整ったと見ていい。

新規入厩は、POGでも上位で指名された2頭が目玉。
まずはエルプシャフト(牡3、栗東・角居厩舎)。母はGⅠウイナーのビワハイジで、兄姉には名牝ブエナビスタジョワドヴィーヴルアドマイヤオーラなど重賞勝ち馬が6頭いる超良血。POGでも毎度話題に挙がる血統だ。
ビワハイジにディープインパクトをつけた仔は3頭目。トーセンレーヴ、ジョワドヴィーヴルの全弟ということになり特に期待が髙かったが、体質が弱く、小さなアクシデントもあってなかなか調整が進まず、年明けまで入厩を待たねばならなかった。個人的にもお世話になった一族なので、この後は順調に行ってほしい。

エルプシャフト

活躍馬揃いの一族の子エルプシャフトが入厩


もう一頭はエイシンティンクル(牝3、栗東・坂口則厩舎)。こちらは先月にGⅠ香港Cを制したエイシンヒカリの全妹になる。ディープインパクト×ストームキャットの黄金配合ということもありPOGでも人気になった。
一時は秋に入厩という話もあったが、馬体が大きくなり仕上げに時間がかかったのか、その後も入厩の噂が出ては入ってこないということが繰り返され、POGで持っている人は入厩情報が出るたびにヤキモキしたことであろう(自分もそう)。
遅いデビューとなったが、今年の3歳牝馬戦線は現状レベルは高くなく、オークスあたりなら十分に間に合う。兄のエイシンヒカリはもっとデビューが遅く4月末まで待たされたが、
未勝利戦でいきなり5馬身差の圧勝。京都芝1800m1分45秒7の高速時計で勝ち、ここから5連勝している。エイシンティンクルも、デビュー勝ちからポンポン連勝をしてもらいたい。