凱旋門賞へ

先日、須貝先生より正式な発表があった通り、ジャスタウェイ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)は凱旋門賞(G1)に挑戦します。

 僕の中では安田記念が終わったあたりから、もう行くものだと思っていたので、それほど目新しい話でもないのですが、ゴールドシップ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)と共に挑戦できるというのは嬉しいことだと思っています。勿論レースになれば強力なライバルとなりますが、それまでの過程においては互いに頼もしいパートナーとなってくれるはずです。長距離輸送、調教パートナー、遠征費用の軽減、夜の話し相手など、良いところを数え上げればきりがありません。前回のドバイ遠征の時は日本からの遠征馬が沢山いてくれたので大丈夫でしたが、やはり単独での遠征はさせるべきではない、と思っていたので本当に嬉しい。日本馬の海外遠征の歴史を振り返ってみても、帯同馬の存在は無くてはならない重要なファクターといえるでしょう。




ハーツクライの海外遠征の時の話をさせてもらうと、ドバイ遠征の時にはユートピアという同厩舎の馬がいました。これも運命かと思ってしまうのですが、ハーツクライとユートピア、橋口厩舎で馬房が隣同士でした。結果は皆さんご存知の通り、両者ぶっちぎりで勝利しております。ですが、イギリスの時は、帯同馬なしでハーツクライは遠征しました。環境の変化や寂しさのため、ハーツクライは本当にこれで出走できるのか?というくらいまでガレてしまったそうです。結果は良い勝負をしてくれましたが三着。体調がパンとしていたらと思うと残念でなりません。レース後、橋口先生は次からは必ず帯同馬を連れて行く、と明言していたと言います。

それほどまでに重要な帯同馬の存在。ずっと隣同士の馬房で過ごしてきた二頭が一緒に遠征。ジャスタウェイがゴールドシップの、ゴールドシップがジャスタウェイの帯同馬としての役目を果たす。凄いことだと思いますし、豪華としか言いようがない。須貝先生の野望、一歩前進ということでしょうか。

いやあ、それにしても須貝先生は凄いです。こういう結果になってから過去を振り返ってみると、どこからどこまでが計算なのかといろいろと想像してしまいます。ずっと隣同士の馬房。ゴールドシップのこともジャスタウェイのことも新馬戦を使う前から走る走る、とずっと口に出して言っていました。そんな須貝先生がGOサインを出しているのだから2400mという距離もなんとかしてくれるはず。
僕としては宝塚記念で2200mという距離を試せなかったのが心残りではありますが、もし、ジャスタウェイが宝塚記念に出走していたとしたら、二頭同時の凱旋門賞遠征というのはあり得なかった。結果的に疲労で使えなかったということではありますが、結果的に最善の選択だったということになりますよね。



ゴールドシップは須貝厩舎をずっと牽引してきた厩舎の顔。厩舎ともどもずっと応援してきましたし、口どりにも参加させていただきました。本当に沢山の感動を貰いましたし、須貝先生の苦労や悲喜こもごもも、僕自身目の当たりにしてきた歴史があります。更に言えば、ゴールドシップが須貝厩舎にいてくれたからこそジャスタウェイもここまで強くなれたとも思っています。
これは僕の個人的な感覚なのですが、ゴールドシップはジャスタウェイのライバルというよりは盟友です。ずっと一緒に須貝先生の指揮の元、闘ってきた仲間だと、僕は思っています。今回の遠征はジャスタウェイの遠征というよりは、“チーム須貝”の一世一代の大勝負をこの目に焼き付けにいくという感じでしょうか?
勿論、数千万のお金をかけて自腹で遠征するのですから、自分の馬に勝って欲しいとは当然のごとく思いますが、お互いが良い影響を与え合って、両者力を出し切って欲しい、と思う気持ちに嘘はありません。

ゴールドシップの口取り 左に大和屋オーナーの姿も


須貝厩舎のツートップが揃って世界最高峰のレースに挑戦。この二頭なら今まで達成できなかった日本の悲願、叶えてくれるのでは、と期待は膨らむばかりです。チーム須貝の最大の挑戦。皆さん応援よろしくお願いします。
僕はこれからフランス語の勉強を始めようと思います。せぼーん。