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騎手コラム

過去10年攻略データ

1981年に創設から今年で35回目を迎える国際招待競走のジャパンカップ。「世界に通用する強い馬づくり」をスローガンに数多くの名馬を輩出。近年は高額の1着賞金(今年は3億円)を目指して天皇賞や有馬記念より、ここを目標に強豪がぶつかり合うレースとなり、ハイレベルの日本馬が招待馬を圧倒するケースがほとんどとなっている。今年はやや小粒な感があるものの、宝塚記念、天皇賞(秋)を含む4連勝中のラブリーデイを筆頭に、7つ目のG1タイトルを狙うゴールドシップ、今年のオークス、秋華賞の2冠を制したミッキークイーン、抜群の決め手を武器に牡馬相手にも互角の走りを見せているショウナンパンドラ、適距離のここに狙いを定め、大一番で重賞初Vを狙うサウンズオブアースら個性的な面々が集結。招待馬もヨーロッパから4頭来日して熱い戦いを繰り広げる。果たしてデータから浮かび上がるのはどの馬か?

主力はやはり天皇賞組


[前走レース]中心ローテとなる毎日王冠組は過去10年で6勝、2着3回、3着2回と数では圧倒。秋初戦をここで迎える馬も多く、『王道』にふさわしい数字を残している。
主力のローテーションは、やはり古馬の秋3冠初戦となる天皇賞。過去10年で5頭の勝ち馬が出て、2着6回、3着7回と数は圧倒している。
サンプルは少なくなるが、連対率、複勝率で天皇賞と互角の数字を残しているのが凱旋門賞組。ただし、馬券に絡んでいるのは全て日本馬で、今年は日本からの遠征馬はゼロ。5着のイラプトは果たして?
近年なかなか狙いづらい外国馬だが、05年1着アルカセット(英チャンピオンS)、06年3着ウィジャボード(ブリーダーズCフィリー&メアターフ)の2頭は2400mのG1で勝鞍があった。レベルの差が懸念されるも、今年来日した4頭全てが2400mのG1で連対経験があり、うちトリップトゥパリスを除く3頭は勝鞍がある。

       
前走レース別成績
レース名 成績 勝率 連対率 複勝率
天皇賞(秋) (5-6-7-45) 7.9% 17.5% 28.6%
凱旋門賞 (1-2-1-10) 7.1% 21.4% 28.6%
菊花賞 (1-1-0-10) 8.3% 16.7% 16.7%
秋華賞 (1-0-1-0) 50.0% 50.0% 100%
AR共和国杯(1-0-0-11) 8.3% 8.3% 8.3%
英チャンピオンS (1-0-0-0) 100% 100% 100%
エリザベス女王杯 (0-1-0-5) 16.7% 16.7%
BC F&Mターフ (0-0-1-1) 50.0%

年齢別成績 前走着順別成績
年齢 着別度数 前走着順 着別度数
3歳 (2-3-2-23) 1着 (2-2-5-22)
4歳 (5-4-2-34) 2着 (2-2-1-25)
5歳 (3-2-4-38) 3着 (1-1-1-8)
6歳 (0-1-0-22) 4着 (1-2-0-11)
7歳 (0-0-2-13) 5着 (1-1-0-11)
8歳以上 (0-0-0-8) 6~9着 (2-2-2-33)
10着~ (0-0-1-27)

過去10年注目データ


[馬齢]競走馬として充実期を迎えた4歳馬が5勝。5歳馬が3勝、3歳馬が2勝で6歳以上は2着1回、3着2回と5歳を境に成績はクッキリと分かれている。昨年は3頭が挑戦してハープスターの5着が最高だった3歳馬は連対率、複勝率が優秀。牝馬でも12年にジェンティルドンナが勝ち、13年にデニムアンドルビーが2着、09年はレッドディザイアが3着に食い込んでおり、53キロの軽量を利しての好走が光る。
7歳馬の3着2回(11年ジャガーメイル、13年トーセンジョーダン)はどちらも2ケタ人気でG1ホース。大穴を狙うなら忘れられた実力馬ということになるか。

[コース実績]過去10年、3着以内に入った26頭のうち、東京コースで連対がなかったのはわずか4頭。2頭は3着があり、残る2頭も掲示板は外していなかった。
また、同じコースで行なわれるダービーを勝った馬が5頭、オークスを勝った馬が2頭。この2つのレースで好走している馬は要注目。

[生涯成績]過去10年、3着以内に入った26頭のうち24頭は連対率50%以上。複勝率に至っては全馬が50%以上をマークしていた。生涯を通して安定した走りを続けている馬がこの大舞台でもその実力を発揮している。

[前走着順]過去10年の勝ち馬で連勝を果たしたのは2頭で、8頭が前走5着以内。昨年は前走の天皇賞で不完全燃焼の6着だったエピファネイアが勝ち、凱旋門賞8着のジャスタウェイが2着。当日は上位人気だったが、前走着順からはやや買い辛い2頭で決着した。
なお、06年のディープインパクトは前走凱旋門賞で3位入線失格。

[枠順]過去10年、5枠を除く枠で勝ち馬が出ていて、5枠も2着が3回。いずれの枠も2回以上馬券に絡んでいる。馬番別では「11」「12」「18」が馬券絡みなし。「11」「12」あたりは一見スムーズに運べそうなイメージだが、07年ウオッカ、凱旋門賞2着から帰国初戦の10年ナカヤマフェスタはともに「11」から馬券絡みを果たすことが出来なかった。

[脚質]過去10年の勝ち馬のうち、6頭が4コーナーを5~7番手で回ってきた馬で、2~4番手の馬が3勝と勝負どころでいいポジションに付け、そこから押し切るスピードとパワーを必要とするのが数字にも表れている。また、2~4番手で回った馬は複勝率も高く、3着以内の11頭中8頭が5番人気以内。先の5~7番手の馬同様、底力を示す数字といえる。
4コーナーを先頭で回った馬は馬券絡みゼロ。いずれもハナを切ってレースを引っ張った馬で、最高着順は06年コスモバルクの4着。

1番人気の信頼度は高め


過去10年、1番人気で馬券圏外となったのは11年のデインドリーム(6着)と昨年のジェンティルドンナ(4着)の2頭。ここで1番人気に支持される馬はかなり信頼度は高いといえる。
6番人気以下で馬券に絡んだ馬は7頭(トーセンジョーダンが2回)いるが、いずれもG2以上の重賞で勝鞍があり、08年1着のスクリーンヒーロー、昨年2着のデニムアンドルビー以外はG1ホース。人気を覆すには相応の底力が必要となる。

人気順別成績
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1番人気 (3-3-2-2) 30.0% 60.0% 80.0%
2番人気 (1-2-2-5) 10.0% 30.0% 50.0%
3番人気 (2-1-1-6) 20.0% 30.0% 40.0%
4番人気 (2-1-0-7) 20.0% 30.0% 30.0%
5番人気 (1-1-0-8) 10.0% 20.0% 20.0%
6~9番人気 (1-2-3-34) 2.5% 7.5% 15.0%
10番人気以下 (0-0-2-76) 2.6%

プラスαデータ

関西馬が圧倒的優勢


過去10年、関西馬8勝、関東馬1勝、外国馬1勝。2着は全て関西馬で、関西馬が圧倒的優勢。関東圏のレースでありながら、出走頭数でも関東馬を大きく上回っており、西高東低並びにこの路線の層の厚さを如実に物語っている。
騎手の所属別を見ると、かなりの偏りがあって、外国人5勝、栗東所属5勝。美浦所属のジョッキーで馬券に絡んだのは昨年3着のスピルバーグに騎乗した北村宏騎手と09年2着のオウケンブルースリに騎乗した内田博の2人。過去10年日本人の勝利ジョッキーは岩田(3勝)、武豊(2勝)の2人しかいない。
※08年スクリーンヒーローのM.デムーロ、09年ウオッカのC.ルメール騎手は当時の分類である外国人でカウント。

[種牡馬]過去10年で複数回勝利を挙げている種牡馬は12、13年と連覇したジェンティルドンナの父で第26回の優勝馬ディープインパクト。昨年は2年連続3着と涙をのんだシンボリクリスエスの仔・エピファネイアが父の無念を晴らす快勝を見せた。
勝鞍はないがこのレースと相性がいいのが第21回の優勝馬ジャングルポケットの産駒。(0-2-2-9)と4度の馬券絡みを果たしており、今年はダービーフィズジャングルクルーズが特別登録している。

[乗り替わり]前走と同じ騎手、乗り替わりの比率は騎乗回数も含めてほぼ互角。乗り替わりで勝ったのはいずれも外国人ジョッキー。テン乗りで日本人ジョッキーに替わって馬券対象となったのは13年2着の浜中(デニムアンドルビー)のみ。他はいずれも騎乗経験のある馬だった。外国人ジョッキーへの乗り替わりは概ねプラスと捉えた方が良い。

[騎手]3歳馬ナンバーワンを決める日本ダービー、オークス、そしてこのジャパンCと、最高峰のレースが組まれている東京芝2400m。2010年以降、10回以上騎乗しているジョッキーの最多勝は19勝の蛯名騎手で、今年だけで6勝をマーク。2位の内田博騎手に7勝差を付けている。96回に騎乗して単勝回収率は145%にのぼり、伏兵のカレンミロティックをどう操るか見もの。以下、11勝の三浦、戸崎、10勝の北村宏、横山典騎手と続く。
また岩田騎手は6勝中、4勝がG1レース。この勝負強さも要注目。

[馬体重]来日する馬の多くはワールドクラス、迎え撃つ日本馬もトップレベル。その頂点を狙う馬は馬格もシッカリしているということだろうか、3着以内に入った馬の平均馬体重は482キロ。比較的、大型の馬が活躍する傾向が出ている。ただし、500キロを超える馬の勝ち馬はおらず、軽快さも必要とされる。ちなみに勝ち馬の最軽量は06年ディープインパクトの436キロ。

データの決断

5歳を迎えて完全に本格化したラブリーデイ。宝塚記念を勝った時点では、まだ半信半疑なところもあったが、秋の2戦、京都大賞典、天皇賞が文句なしの勝ちっぷり。距離の不安も払拭し、この舞台であれば主役は譲れないところだ。
相手筆頭は近年好走が多い3歳牝馬のミッキークイーンを。ローズSではタッチングスピーチに先着を許したが、本番の秋華賞は早めに動く自力勝負でオークスとの2冠を達成。53キロの軽量を利して厩舎の先輩ラブリーデイを飲み込むシーンまであるかも。

同じ牝馬のショウナンパンドラも侮れない存在。ミッキークイーンと同じ父ディープインパクトの血が不気味。
ヒモ穴で一考はジャングルポケット産駒のダービーフィズジャングルクルーズ。前者は前走着順、後者はローテーションに不安材料を抱えるが、ともに東京コースを得意としており、父の血が好走へ導く可能性は十分秘めている。