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調教はともかくトーンは高い外国馬
競馬ラボ新米編集部員T(以下、T):マイルCSは堅かったですね~。しかも、モーリスが強さを発揮するという。
ライター野中(以下野):言い訳するつもりはないけど、少なくとも春よりは落ちる仕上がりだったと思うよ。ただ、香港マイルでエイブルフレンドと対決するのは楽しみだね。
T:といっても、コラム的にはやっぱり微妙ですよね。
野:うるさいわ!キィ~(怒)。ただ、ノーザンF生産および関連馬は重賞などの大レースでは常に大バッティングするだけに、こうして外へ出ていかないといけないということじゃないのかな。この辺りは自著に……(プロフィール参照)。
T:またまた!すぐに宣伝しようとするんだから。ただ、香港マイルも視野に入っていたとするならば、仕上げきる訳にもいきませんもんね。
野:だろう。今週のJCでの外国所属馬がまさにこんな感じ。ナイトフラワー以外は香港への登録もある(出走予定)。
T:外国所属馬って押さえた方がいいんですかね?
外国馬4頭中、ただ1頭、香港国際競走に登録を行っていないナイトフラワー
野:8年来てないから今年も来ない、という考えもあるだろう。しかし、それなりにやる気がある馬もいる。例えば、ナイトフラワーはシュタルケ騎手が乗るんだけど、短期免許最終週だし、普段は乗らない53㎏にも騎乗。ちなみに過去の53㎏馬騎乗時は【0-0-1-2】と微妙だけど悪いかといわれると微妙だよね。
T:2番人気以内の馬3頭だったみたいですけどね。先週ケツァルテナンゴ騎乗もJRAでは4年振りの53㎏での騎乗でした(2番人気5着)。
野:つまり、このナイトフラワーに乗るための体調管理だったと思うんだよ。少なくとも騎手はヤル気だよね。イラプトは1着賞金とは別に8000万円の報奨金も出る(指定外国レースを勝利→イラプトの場合はパリ大賞典が対象)。
T:最近のJCは日本馬が強いというのは十分伝わっているでしょうから、それなりに適性のある馬を連れて来るはずですしね。
野:トリップトゥパリスだって、Tベリー騎手がJC参戦を進言したというしな。ノーザンF系の馬に乗る予定が流れたため、Tベリー騎手は強く働きかけたという話だ。ダンロップ調教師はスノーフェアリーでエリザベス女王杯連覇をしているし、日本の馬場もそれなりに理解しているだろう。レッドカドーで天皇賞春3着というのも近年ではあった。
T:確かに全く無視という訳にもいかなそうですね。
野:コラムのテーマである調教とは関係ない話をしてしまったが、外国産馬は総じて日本では強い負荷をかけないし、政治的な読みは大切だと思ったので長々とスペースを取った訳さ。
T:調教だけでは判断できないけど、今年の外国所属馬は政治的には切り切れないぞ、という訳ですね。
野:その通り。JRA所属馬をみて驚いたことがある。
日本を熟知したダンロップ厩舎が送り出すトリップトゥパリス
異例のCWコース追い そのワケとは?
T:なんでしょう?
野:「出走すればいいのか?」ということさ。さすがに力が足りない馬が多くないか?
T:具体名は挙げることはできませんが、ファンの方も感じていると思いますよ。
野:ラブリーデイ、ミッキークイーンという新勢力が中心となるし、そうしたマイナス面を除いてもいいレースになると思うけどね。
T:では、人気が予想されるその2頭はいかがでしょうか。
野:ラブリーデイ(牡5、栗東・池江寿厩舎)は前走の中間に比べると遅い時計でも、今年既に9戦目となるし調整程度でいいはず。天皇賞秋、JC連覇するのは難しいと思う部分もあるけど、よほどのことがない限り恥ずかしいレースはしないじゃんないかな。
ミッキークイーン(牝3、栗東・池江寿厩舎)も秋華賞以上とはいかないものの、最近のノーザンF生産馬はジェンティルドンナにしろ、走ると思ったらドンドン牡馬にぶつけてくる。JCは賞金も高いしチャレンジする価値は高いと踏んだんだろう。
川田騎手を背に併せ馬を行うラブリーデイ(内)
T:秋華賞を大外で勝つ馬っていませんでしたからね。問題はゴールドシップ(牡6、栗東・須貝尚厩舎)ですね。
野:やはり目標は陣営が語っていたように有馬だと思うよ。しかし、ゲートの問題もあるので、何かあったら出られなくなってしまう。ということはある程度は仕上げなければいけない。
T:なるほど。坂路のイメージがありますが、今回の最終追い切りはウッドコースでしたね。
野:直前に坂路へ入れて、15-15程度のことをやることが少なくないけど、レース当該週をCWコースで追ったのは2度目。13阪神大賞典(1着)と13年有馬記念(3着)だ。函館Wコースで追い切った14年札幌記念は2着だった。
T:そうやって考えると、馬券的にいるように聞こえます。
野:聞かれると思った。ただ、阪神大賞典、札幌記念はメンバーが……13年有馬記念も3着だよ。コース追いといえば、13年天皇賞春は当時栗東のウッドコースが状態が悪いとかで芝コースで追い切って5着だった。後、最終追い切りコース追いというのは、物理的に仕方のない札幌記念を除けば13年に集中しているのさ。
T:有馬記念に直接行きたいけど、ゴールドシップの場合、ひと叩きが理想でJCを使わざるを得ないというのが正直なところなのかも知れませんね。
野:その通り。陣営が3戦は良くないといっているけど、休養明け初戦でというのも不安がある。JC以外に使うところが無かったという感じだと思うよ。京都大賞典を使うのもリスクがあるし。
T:ゲート再審査の問題もあるので、京都大賞典に使うとなると、夏場に帰厩というようになりますもんね。
野:どうしたの?今日は鋭いじゃない!
コースでの最終追い切りがどう出る?ゴールドシップ
T:野中さんではないですが、そろそろ何かあるんじゃないかと探っているんですよ!!
野:ボーナス前で苦しいだけでしょ。
T:うち、実は支給日が早いんですよ~。ハハハ。
野:使ってしまったという訳か。
T:穴目のところで何か調教のいい馬はいましたか?
野:能力が足りないということは前提だけどラストインパクト(牡5、栗東・松田博厩舎)はいいよ。微妙に売れそうなサウンズオブアース(牡4、栗東・藤岡健厩舎)も悪くない。
T:勝つまでは難しい感じはしますけどね。
野:はい。そういうことで今週は「調教がキーワードにならない」ということだよ。
T:ズルい!ただ、外国産馬は調教で云々するのは確かに難しそうです。ラブリーデイ、ミッキークイーンに絡めて買うのが現実的ですかね。
野:JCが終わると残り1カ月、何とか一発大物を仕留めたいね。
プロフィール
【野中 香良】Kosuke Nonaka
編集&ライター。元ギャンブル雑誌や「競馬最強の法則」の編集者で現在も競馬関連の編集&ライター業をメインに活動中。
最強の法則では『俺はまだ馬券で本気出していないだけ』を連載し神業的なハズレ馬券を披露している。競馬ラボでは「今さら聞けない2歳馬ホントの評価」を連載。(最新著書【「社台王朝」の異変に気づけば大儲けができる!】(競馬ベスト新書)がAmazon競馬カテゴリーで1位を獲得)