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1965年に創設された新潟競馬場で行われる重賞で最も長い歴史を持つハンデキャップ重賞。当初は芝2000m(内回り)だったが、1974年から右回り芝2000m(外回り)となり、コースが全面改修された2001年より左回り芝2000m(外回り)となっている。また2006年よりサマー2000シリーズに組み込まれ、最終戦となるこのレースの勝ち馬から5頭のシリーズチャンピオンが誕生している。夏競馬を締めくくる一戦をデータから紐解きたい。
小倉記念からの参戦が5勝!
[前走レース]過去10年で実に5頭が小倉記念からの転戦。この小倉記念を連対率、複勝率で上回るのが七夕賞で、この10年では2頭が勝鞍を挙げているが、人気の盲点になっている馬も多いローテで、穴党は注意しておきたい。
過去10年、G1からの参戦で馬券絡みを果たした馬はいない。
過去10年注目データ
[馬齢]過去10年、5歳馬が4勝。次に多いのが7歳馬の3勝で、2着が2回、3着も1回あって、ベテランの健闘が目立つ。また、7歳馬が穴馬券のキモにもなっている。
同じ新潟の関屋記念では3歳馬の頑張りもあったが、この新潟記念では馬券絡みを果たした馬は過去10年ではいない。
[前走着順]前走から連勝した馬は2頭で、2着は4頭。一方で、前走6着以下から巻き返して勝った馬が4頭いて、2着が4頭、3着は何と8頭もいて、3着に人気薄が飛び込むのが定番となっている。
前走6着以下で勝った4頭はいずれも重賞勝ちの実績があり、3頭が新潟の重賞で連対実績があった。
[枠順]過去10年、枠番別では全ての枠から勝ち馬が出ている。最も優秀なのは3枠で、2勝、2~3着が3度ずつと複勝率は42.1%にものぼる。連対率で続くのは2着が3回ある4枠で、もう1つ2勝を挙げているのは8枠。1枠の馬券絡みは12年の勝ち馬トランスワープしかいない。
馬番別で馬券絡みがないのは「2」「10」の2つ。トータルで見ると真ん中よりやや内めの馬が多く好走している。
[脚質]直線の長い新潟の外回り、更に開催後半とあって、4角先頭からそのまま押し切って勝った馬はゼロ。昨年は4角10番手以下の後方でレースを進めた馬が掲示板を独占した。好走馬の脚質はバラエティに富んでいるが、馬券の軸とするならば、ある程度の前のポジションに付けられる馬を狙った方がいいだろう。
穴党の出番!
1番人気の馬は過去10年で1勝、2着1回と大不振。前走着順の大きな馬、年齢の高い馬が活躍していることもあって、5番人気以下の伏兵が数多く激走しており、1~3番人気が揃って馬券圏外に消えたレースが何と8回にものぼる。昨年は1、2番人気のワン・ツーとなったが、本命党にとっては、やや辛いレースとなっている。
人気順別成績 | ||||
人気 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1番人気 | 1-1-0-8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
2番人気 | 2-1-0-7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
3番人気 | 0-0-2-8 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
4番人気 | 0-0-1-9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
5番人気 | 3-1-0-6 | 30.0% | 40.0% | 40.0% |
6~9番人気 | 2-5-4-30 | 4.9% | 17.1% | 26.8% |
10番人気~ | 2-2-3-70 | 2.6% | 5.2% | 9.1% |
勝ちに来た西のジョッキーを狙え!
過去10年、1~3着の数は東西どちらも5対5で、出走頭数は6回関西馬が多いだけ。東西の差は全くないといっていい。
ジョッキーの方は地元で数が勝る美浦所属が6勝、2着8回、3着9回と数では圧倒。騎乗機会が栗東所属の4倍強あって、アベレージでは栗東所属が上回る。言い換えると、ここに乗りに来る栗東のジョッキーはやはり勝負気配が強いといえる。
[乗り替わり]前走とジョッキーが乗り替わった場合と同じ場合では両者ほぼ互角のアベレージ。積極的に乗り替わりの馬を狙っていけるレースで、乗り替わりは全く気にしなくていい。
[当該コースの騎手成績]2012年以降、新潟の芝2000mで最も多く勝っているのは吉田隼騎手の10勝。戸崎騎手が8勝、M.デムーロ騎手が7勝、津村、石橋脩、北村宏騎手が6勝と続くのだが、中でも美味しい存在となっているのがM.デムーロ騎手。わずか18回の騎乗機会で(7-3-3-5)と13回馬券に絡んでいて、その回収率も単が153%、複が131%と勝っているだけでプラスになっている。
ちなみに勝ち頭の吉田隼騎手は単勝回収率がちょうど100%、2位の戸崎騎手は複勝回収率が104%という優秀の数字を残している。
[馬体重]馬体重は幅広いレンジで好走馬が出ていて、最軽量は08年アルコセニョーラの430キロ。最重量は昨年のアデイインザライフで560キロ。540キロを超える馬は過去3頭出走して2勝。もう1頭の勝ち馬12年トランスワープも美浦・萩原厩舎の管理馬だった。パワーよりも瞬発力が問われる舞台で、比較的軽い馬も多く好走している。
[ハンデ]過去10年でトップハンデの勝利は11年ナリタクリスタル1頭のみ。2着も昨年のアルバートドック1頭で、上位人気馬受難のレースとも相まって、トップハンデの馬は苦しい数字になっている。
一方で最軽量はどうかというと、こちらは更に苦戦していて馬券絡みは昨年3着のロンギングダンサー1頭だけ。荒れることで知られるレースだが、軽量馬の活躍というよりも、人気の盲点になった実力馬が穴を開けている。
[種牡馬]出走頭数が多いこともあるが、過去10年でディープインパクト産駒が3勝。目下3連覇中で、14年は1~3着を独占している。瞬発力が生きる舞台でイメージ通りの圧倒的な実績を残している。10~11年にナリタクリスタルが連覇したスペシャルウィーク産駒が2勝。
また、ステイゴールド産駒は08年に16番人気のアルコセニョーラが勝利し、13年は8番人気のエクスペディション、15年は9番人気のマイネルミラノが2着。もう現役馬はいないが、アドマイヤベガ産駒は3回ずつ出走したサンライズベガが2着2回と3着1回、トウショウシロッコが2着と3着が1回ずつと驚異的な相性を誇った。
瞬発力が問われる舞台だが、種牡馬の顔触れを見ると比較的スタミナタイプが多い。
ハンデと当日の人気が気になるが、データを洗い出してほとんど減点がないのが、小倉記念を制したタツゴウゲキ。年齢、キャリアは過去10年の好走馬にピタリとマッチする。函館記念を勝ったルミナスウォリアー、七夕賞2着のマイネルフロストともに、サマー2000シリーズ逆転Vを狙うが、勝てば文句なしでシリーズチャンピオンとなる一戦。その可能性は大きいとみる。