ステッキ1発、タガノグーフォはかなりの素質か!

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土曜京都5R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.21.6

タガノグーフォ (牡2、父ネオユニヴァース・栗東・松田国厩舎)

※※ステッキ1発、タガノグーフォはかなりの素質か!

屋根を叩く雨音、金曜の夜半の降りっぷりから水を含んだ馬場を想像していたが、競馬場へ着いてみて驚き。芝、ダートやや重からのスタート。時折、青空も見えるコンディションの中、道中は内へ入れたタガノグーフォが5番手で直線入り口を迎える。そこから外へスムーズに出してきてからの追い出し。直線半ばでステッキを一発入れた後は、もう手綱をしごくだけ。この京都に入って、やっと松田国厩舎の新馬がいい感じでの勝ち方をし出したと思える。着差以上に強い内容を見せたタガノグーフォのデビュー戦であった・・。

真ん中のマルカファイン、外のエーシングリフォンがいいスタートを決める。最内のシェルビーもダッシュ力がある。そうしているうちに、1ハロンあたりでマイネアンティークが中から出て行く。ハナズルピエナが5番手の先行集団だ。その後を、出が悪かったトウショウクルスが最内を追い上げて次の集団のトップの位置。
2ハロンを過ぎるあたりではトウショウクルスはもっと前に接近する。その少し後の内ラチをタガノグーフォが進んでいる。外枠からすぐに内に入れてきたものだ。前はマイネンティークが先頭で、1馬身差で最内をシェルビー、そしてマルカファインが続く集団で前半3ハロンを34.3で進む。
4コーナー手前では、外からハナズルピエナが4番手と順位を上げてきている。その直後のエーシングリフォンはやや外目へ逃げ気味な様子である。しかし前の5頭ぐらいは殆ど差がない。タガノグーフォは、内ラチ沿いの前から3番手の絶好なポジションでカーヴに入った。

前の4頭を見る形で外へ出したタガノグーフォ。真っ直ぐに直線へ向いた時だけ一瞬内へもたれる格好をしたが、すぐに矯正できた。ハナズルピエナの外へと並んでいく。ここで4番手となる。そしてあっと言う間に前の馬を交して一番先頭へと躍り出た。その時に岩田Jの右ステッキが飛ぶ。ここでまだ残り1ハロンの少し前。2番手にマルカファインが上がっていたが、その内に進路を見出したシェルビーの勢いがいい。
もうトップスピードに入ったタガノグーフォは、まっしぐらにゴールを目指す。マルカファインの内からステッキでうながして抜けてきたシェルビーが前を追うが、相手はもう流し気味でゴールに入る処でもあった。
着差は1馬身と少しだが、もっともっとある様なイメージでもあった。マルカファインが3着、ハナズルピエナが4着。5着に内目からいい脚を使ってきたアクシーバンダムがハナズルピエナに迫っていた。

朝の2Rで1.34.5。3Rで同じ距離の未勝利戦での勝ち時計が1.22.1とけっこうなタイムでの決着。
その時計を上回るもので勝ったタガノグーフォ。先に勝ったアナスタシアブルーといい、やっと松田国厩舎らしい2歳馬が出てきたと思える。次走を見てみたい馬である。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。