-京阪杯-平林雅芳の目

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土曜京都11R
京阪杯(GⅢ)
芝1200m
勝ちタイム1.08.1

ロードカナロア(牡3、父キングカメハメハ・栗東、安田厩舎)

※※ここも楽勝。ロードカナロアが1200芝で5連勝。重賞初制覇!!

最終週で馬場がかなり荒れていながら、この走破タイムの1.08.1である。ジューカプチーノナイアードを追いかける速い流れで進んだものだが、それにしても内の3,4番手でジッとしている4コーナーの入り口まで。そこから少し外へ出しての仕掛け。最後はもう勝利を確信しての流し気味なゴール、いやはや安田厩舎には短いところで強い馬が沢山いるが、その中でもイキの良さではこの馬が一番、おそらく来春には自厩舎での戦いも出てくるはず。今からそれが楽しみとなったものでもある。

1200だけに、よりスタートが肝心。外でケイアイアストンがいち早く出ていたが、内ではロードカナロアが二の脚の速さで出たが、ナイアードが押してそのロードカナロアを抜いて前へと出て行く。ワンカラットキョウワマグナムジョーカプチーノも行き脚がついてそれぞれのポジションを取りに行く。
ジョーカプチーノが2番手に上がったのは、1ハロン過ぎぐらい。ロードカナロアはやや下げ気味で、ワンカラットの内目で4番手となる。前はナイアードに半馬身差でジョーカプチーノが続く。

2ハロンあたりではアーバニティが順位を上げてきて、3番手グループの先頭の位置までくる。キョウワマグナムが馬群の中団と控えている。
3ハロン標ではより馬群は短くなってきた。内ラチ沿いを確認すると、先頭のナイアードはもちろん、その後ろの絶好の位置にロードカナロア。その真後ろがキョウワマグナム。その後ろがミキノバンジョーで、内ラチ沿いのドンジリがコパノオーシャンズと、5頭がラチに沿っての競馬が出来ている。カーヴに入るところにある残り400のハロン棒では、ナイアードがもう一度前に出た感じで半馬身差。2番手にジョーカプチーノとアーバニティが続くが手が動いている。

カーヴを廻って直線に入って、タイトだった馬群がやや横へと広がりだして隙間ができ出した。ナイアードとジョーカプチーノの間をロードカナロアがスッと入る。ジョーカプチーノとアーバニティの間がガラっと開くとワンカラット、そしてその後ろにいたグランプリエンゼルも出てきた。キョウワマグナムはロードカナロアの後ろだが、瞬時に少し間が出来てしまった様子だ。

先頭で粘るナイアードをロードカナロアが交しにかかったのが残り1ハロンあたり。福永Jの左ステッキが1発唸るとシュンと抜いて行った。
2着争いが混戦となったが、ワンカラットの勢いよりグランプリエンゼルの勢いが優ったのがゴール前。ミキノバンジョーが中をいい脚で突っ込んできていたが、5着までだった。

抜け出したロードカナロアは、4発程ステッキを入れられての叱咤激励で、ゴールを駆け抜けた。最後の2ハロンが11.0~11.4の切れ。最後がやや鈍くなったのも、流れ的にも1000メートルが56.7といいペースだったから。何せスッと出て内の好位で脚を貯め、4コーナーではいつ抜こうかという手応え。完璧なレースが出来ていたロードカナロアであった。

これで1200芝では負けなし。ついに重賞制覇まで到達の今年であった。来年はGⅠへの挑戦プランとなるだろうし、同厩舎の先輩達との戦いが楽しみとなった一戦であった。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。