2番手から交わすだけ、アドマイヤブルーがデビュー勝ち

トピックス

日曜京都5R
2歳新馬
芝2000m
勝ちタイム2.06.5

アドマイヤブルー(牡2、父キングカメハメハ・栗東・橋田厩舎)

※※2番手から交わすだけ、アドマイヤブルーがデビュー勝ち。

1200メートル通過が1.19.3と、超がつく程のスローペースだが掛かる事もなく2番手を追走のアドマイヤブルー。前を行くニューダイナスティを手綱のシャクリだけで交してのデビュー勝ち。ラスト2ハロンは11.2~11.0を涼しい顔で通過して行っての勝利である。着差は半馬身であったが、もっと差を感じるものだった。

スタンド前でのスタート。外でアドマイヤブルーがポンと出る好スタートであった。中からディープインパクト産駒のニューダイナスティが行く構えである。先に出ていたエムオービューティが、外の勢いを見てやや下げて最初のカーヴを迎えた。アドマイヤブルーが2番手の外に並んで行く。2コーナーまで少し勢いがあった流れも、廻ってからは想像以上に遅くなった。3ハロンは38.6ともう13秒台に突入である。4番手外目にスカイディグニティマンノプロジェクトホッコーゼニトと続く。

その遅い流れは坂の下りまで続いて行く。驚いた事に、こんな遅い流れながらほとんどの馬が掛かることもなく流れに乗って行く。
1000メートル通過が1.05.7である。2番手アドマイヤブルーが、むしろ先頭との差を詰めて1馬身ぐらいで追走して行くぐらいで、他はほとんど変らない位置取りだ。
1200通過が1.19.3と信じられないぐらいの遅さ。まだ誰も動かない。そして見事に折り合っている各馬だ。先頭のニューダイナスティの大きな飛びが目立つ。

800を過ぎても600のハロン棒を過ぎても、大きく手を動かしていく馬はいない。前より馬群が小さくなってカーヴへと入ってきた。さすがにここらでは動きがあって、スカイディグニティと、その後ろに上がってきていたマンハッタンコードが気合を入れている。
カーヴを廻り直線になって全貌が見える時には、前は5頭が並び気味。でも内の2頭がまだ先頭をキープ。ニューダイナスティにアドマイヤブルーがほとんど体を並ばせ気味だ。

追い出しているニューダイナスティがまだ先んじているが、アドマイヤブルーが大きなアクションで追い出す。川田Jがステッキを1発入れてうながして、後は手綱で押す。粘るニューダイナスティも馬体を並ばせて抵抗していたが、少しずつ差が出来始めていき、最後は半馬身の差が出来た。後ろは少し離れてしまい、スカイディグニティが上がり、外からいい脚を使ってきたナリタポセイドンが4番手となってのゴールだった。
勝ち時計は2.06.5と平凡だが、2頭のマッチレースの様相となった2000の新馬戦。勝ったアドマイヤブルーも負けはしたが、ニューダイナスティもなかなかの戦いぶり。共に次走が楽しみであろう。


日曜京都6R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.23.0

マイネルユリウス(牡2、父マイネルラヴ・栗東・中村厩舎)

※※マイペースの逃げでマイネルユリウスが新馬勝ちを飾る。

最初はジワっとした先行だったが、向こう正面を過ぎて3コーナーの坂へと向かって行く時は、もう行く気にまかせたマイネルユリウス。前半3ハロンは35.6と、十分に息の入るペースでのもの。結局はそのまま押し切って、上がり3ハロンを35.4でまとめて、猛然と追いこんできたウインスラッガーを半馬身抑えてのデビュー勝ちであった・・。

ゲートを飛び上がる様に出たのがマイネルユリウス。出た瞬間にもう1馬身ぐらい前にいた。内からツイストリボン、その内からイセノアラシと出て行く。結局はツイストリボンが先頭となり、内でイセノアラシは抑え気味。
1ハロン過ぎにはユッタリな流れにならばとマイネルユリウスが出て行く。そのまま前へと出て行き、2ハロン過ぎにはもう1馬身ほど差をつける。今度はエーシンブルバード、ウインスラッガーが上がってきて2番手に取りつく。
3ハロンの棒では、エーシンブルバードが単独2番手で、マイネルユリウスを追う。そこから1馬身少し間が空いて、ツイストリボンとウインスラッガーが続く位置取りだ。

4コーナーのカーヴを廻る時には、後続がドッと間合いを詰めて上がってきた。ラヴァズアゲインが外の3,4番手に押し上げてきた。その後ろマーチャンテイマーが顔を覗かせてきた。直線に入ってきたが、最内をマイネルユリウスが粘って後続に抜かせない。馬場の真ん中をウインスラッガーが出て、前を追う。その外目ではラヴァズアゲインが意外と伸び脚を欠く。むしろ、その外をマーチャンテイマーの伸びがいい。

残り1ハロンを切ってもマイネルユリウスの伸びは止まらず、そのまま押し切る形だ。ウインスラッガーが浜中Jのステッキで迫っていくが、なかなか詰まっていかない。かなり際どいところまで迫ったウインスラッガーだったが、半馬身差でマイネルユリウスが新馬勝ちの栄光に輝いた。
その2頭から遅れること2馬身半ぐらいの外目を3頭が接戦で、マーチャンテイマー、ケンルフォーティースイートブライアーが揃ってゴールへ入っていた。

マイネルユリウスは、何と言っても積極的に出ていったのが正解。最初だけ先手を譲ったが、トップに立ってからは、結局一度も先頭を譲らずでのゴール。ゴールの2ハロンを11.5~11.7と、後ろからの馬には辛い切れ味勝負に持ち込めたのが勝因であろう。前々での決着となったのは言うまでもない。


平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。