「大仕事をすると思う」佐々木晶三調教師も絶賛のキズナがデビュー

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半姉にエリザベス女王杯、秋華賞、桜花賞を制したファレノプシス、父がディープインパクトという良血馬・キズナ(牡2、栗東・佐々晶厩舎)。その血統はさることながら、牧場時代からの評判もひと際高く、その名を耳にしたPOGファンも多いことだろう。
入厩後も、ここまで時間をかけられて万全の調整。管理する佐々木晶三調教師にデビューを直前にしての感触を直撃した。


-:今週、7日(日)の京都芝1800mの新馬戦に話題のキズナがデビューしますが、ここまでの調整過程はどうでしょうか?

佐々木晶三調教師:キズナはもうシッカリ負荷をかけていますから、イイですよ。毎回、他馬が通ったボコボコの(坂路の)馬場で、56秒台でも速いと言えるくらいの中でやっているからね。その方が時計は出なくて、(脚元)への負担はかからないし、いいと思いますよ。調教量自体は相当、負荷をかけています。

-:新馬戦から走りそうなタイプですか?

晶:性格はまだまだすっごく子供ですね。子供やけれど、ハッキリ言って、ケタがちゃうな……。色々な名馬を触らせてもらってきたけれど、別格ちゃうかなと思うくらい。

-:今まで先生が携わってきた馬たちとも、タイプが違うような。

晶:う~ん、シーキングザパールみたいな感じじゃないかなあ。感触だけでいったら。

-:ということは抑えられないようなスピードを感じていると言うことですか?

晶:ただ、シーキングザパールは馬を怖がって、再審査くらったくらいだから、そういうところはないですね。ただ、そのぶん、子供過ぎる。悪ガキやね(笑)。それでも、伸びしろはコチラの方が大きいし、距離の融通性もありそうです。

-:では、いきなりどんな競馬をみせてくれるか楽しみですね。

晶:ええ、たぶん。たぶんというか……、(新馬戦は)通過点です。第一歩目の。

-:僕も4月に大山ヒルズに撮影に行ったときから、大きな期待をかけられていました。

晶:大仕事すると思うね。おそらく。

-:最近、走る著名馬が故障続きですし、新たなスターになって欲しいですね。

晶:既に他の馬を威圧していますわ。もう2歳オープン馬になったダートのパワータイプのアップトゥデイト(牡2、栗東・佐々晶厩舎)って馬がいて、坂路を力強く走るんだけれども、さすがに「アレには調教で敵わん。あの馬に1馬身くらいに着いてきたら、たいした馬だな」と思っていたんです。そうしたら、アッサリ抜けましたからね。
それに10本目の坂路はピンウィールって、ムチャクチャ坂路を走るんだけれども、併せたら威圧されてしまって、0.8秒くらい突き放したもん。本当の競馬だったら、ビンウィールがそれくらい勝たなければならないけれどもね。


-:それほど委縮させてしまっていると。楽しみですね。

晶:楽しみというか、レベルが違すぎるなと。なんで、10本もやったかというと、後々、調整が楽になるからね。新馬で10本もやるヤツはおらんだろ(笑)?それだけ丈夫なんですよ。丈夫やし、子供なんですよ。

-:調整をシッカリ積んでおくことで、新馬を勝ったあとも、調整が楽にできるということですね。

晶:後々、楽に調整できるからね。狙ったレースを狙えるように、今から体質を強化しているんですよ。だから、相当負荷をかけているんです。

なかなか巡り合えないような馬だと思います。


-:いよいよ、今週デビュー。秋華賞のアロマティコ共々、楽しみですね。

晶:2歳の女馬はローガンサファイア(牝2、栗東・佐々晶厩舎)、男馬はキズナね。で、アーネストリーの後継馬は、これからアロマティコ(牝3、栗東・佐々晶厩舎)。これでいかがでしょうか(笑)?

なお、7日(日)より、秋華賞(G1)に出走予定のアロマティコについて、佐々木晶三調教師の「オリジナルインタビュー」を公開予定!こちらも併せてご期待ください!


(取材・写真:高橋章夫)

4日の坂路、真ん中が佐藤哲三騎手騎乗のキズナ