平林雅芳の2歳戦回顧

トピックス

土曜小倉1R
2歳未勝利・牝
芝1200m
勝ちタイム1.08.4


勝ち馬:ジュエルオブナイル(牝2、栗東・荒川厩舎)

今週から芝コースはBコース使用。
先週までの荒れた内から3メートル外へ出てきた。
開幕週ほどの馬場コンディションではないにしろ、多少はいい部分を通れるだけにタイム的にかなりアップされるだろうと推測された。

その思惑どおりに、圧倒的1番人気のジュエルオブナイルが、1.08.4の好時計をを軽々と出して、楽勝劇を演じた。
ほとんど横並びのゲートの出からダッシュ良く前へ出て行ったのが、そのジュエルオブナイル
半馬身、1馬身と前へ出て行った。 そして、内から脚を伸ばして、スギノブロッサムが出てきた。
その後ろの内にベルエール、外にエトピリカが続いた。

3コーナーへと入る前あたりでは、内スギノブロッサムと外ジュエルオブナイルが同じぐらいの位置となった。
馬体こそ並んでいないが、そんなに変わらない位置取りだった。
しかし、外ジュエルオブナイルの行き脚が良くて、楽にペースを握って行った。

3コーナーを過ぎたあたりで、内スギノブロッサムは少し下がり気味。
変わって外にベルエールエトピリカが上がってきた。

4コーナーでは、一歩抜けたジュエルオブナイルがいい手応えで直線のカーヴを廻って行った。
2番手のベルエールエトピリカが追いかけたが、もう一度内から脚を伸ばしてきていたスギノブロッサムの勢いがなかなか良かった。
ベルエールを交わして2番手に上がり、ゴールへと向った。
3着にはベルエールで、4着には追い上げてきたニチドウルチルが、エトピリカを交わしてあがった。

勝ったジュエルオブナイルは、最後は流し気味のゴール。
2着に3馬身もの差をつけての楽勝であった。
前半も後半も共に34.2と、平均ペースにまとめたレースぶり。
好発馬からマイペースの競馬でこの好時計。
初戦から大幅にタイムも短縮した。
非常に走りやすい馬場であったのは事実だが、タイムよりもレース巧者ぶりの内容で、反応の良さとかまずまず収穫が多かった2戦目であった。


土曜小倉2R
2歳未勝利
芝1800m
勝ちタイム1.48.1


勝ち馬:エイシンアポロン(牡2、栗東・岡田厩舎)

やや外の方がいいゲートだったか。
前走4コーナーで落馬中止してしまったペガサスマーチが、スッと前で出て先手を取った。
2番手も、外からエイシンアポロンがキープ。
2コーナーを廻る時には、前は外枠からの馬ばかり。
3番手の内がニシノマナザシで、外がヤマイチハジメ
その後ろにチャームドライブであり、キラウエアあたりはまだ後ろのグループ。
向う正面に入って、前を行くペガサスマーチが2、3馬身と少し離し気味に行った。
2番手エイシンアポロン、3番手内にニシノマナザシ
その後ろにオレンジの帽子⑦枠の2頭が並ぶような形でついて行った。
ヤマイチハジメチャームドライフだ。
そしてその後ろに、やっとキラウエアが見え出した。

3コーナーも、前は軽快に飛ばすペガサスマーチ
2番手のエイシンアポロンとの間隔はそう変わっていなかった。

後ろがソロソロと接近しだしてきた。
1分を切るぐらいのペースは、馬場的に平均ペース。
4コーナー手前では、手応えのなくなったペガサスマーチに変わって先頭に立ったのが、エイシンアポロン
残り1Fで、鞍上の小牧Jのステッキが一発入ったけれども、後は流し気味。
小牧Jは最後は後ろを見る余裕すらある楽勝劇であった。
アゴの上がったヤマイチハジメは伸びもなく、2番手にはニシノマナザシが追い上げてきた。
キラウエアも行き脚が付いて上がってきてはいたが、前を捕らえられる程の勢いではなかった。
むしろ、4角で内から一瞬外へ出しかけて行き場がなくなり、再び内へ切り替えて追い上げたコウユーユメダンスが惜しまれる内容。
着差を考えれば、4角であのまま内を突いていれば2着はあったかも知れない。

ここも、エイシンアポロンが2着に0.4秒程の差をつけて楽勝であった。
前半千通過が59.8だから、平均ペースの先行馬ペースの競馬となった。
初戦の直線入り口でやや不利があったエイシンアポロンだったが、今回は積極的な競馬で押し切ったもの。
ケイコでも素軽い動きを見せており、能力を全開したようだ。
1番人気のチャームドライフは、好位を付いて行ったが外々を廻る展開も応えたか、伸びがなかった。
そして2番人気ペガサスマーチは、自分で競馬を造ったが今日がデビュー戦みたいなようなもの。
4角手前で失速気味となって終いも今ひとつだった。
これから実戦を積んでの変わり身に期待か。


土曜小倉4R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.09.4


勝ち馬:メイショウデイム(牝2、栗東・佐山厩舎)

タイム面では、朝イチの未勝利戦に比べて1秒以上も遅いものとなったが、使っている馬と、デビュー戦での幼い馬どうしの闘いだけに、これぐらい差があっても仕方ないのかも知れない。

ダッシュ良く飛び出したのがメイショウデイム
スッと前へと出て行った。
内のミッキーデジタルが、行き脚がついて追い上げてきて並びかけたが、スピードが優ったメイショウデイムが、内へと入って行った。
3コーナー手前では、メイショウデイムは軽快に逃げ足を伸ばしていたが、2番手の外になったミッキデジタルの内へ顔を覗かせてきたのが、バンダムクラウス。内ラチ沿いを追い上げて来て、前を窺った。
3コーナーから4コーナー中間では、先頭メイショウデイムは変わらず、2番手に内ラチ沿いにバンダムクラウス、馬場の真ん中をミッキーデジタル、その外へホンマキセキの形となった。
後方のシゲルモトナリ、最後方フォースフルバイオの2頭は、前からちょっと離され気味で4コーナーを廻った。

4コーナーのコーナーリングがあまり巧い感じでない先頭のメイショウデイムだったが、スピードは衰えてなくそのまゴールへと向った。
鞍上の福永Jも、ステッキを使わずに手綱を押してと、まだまだ余裕ある手応えだった。

内から伸びて来ていたバンダムクラウスが2番に上がった。
そして、ちょっと前と差が開いた3番手グループには、最後に大外から凄い伸び脚を見せたフォースフルバイオが目立つ脚。
コーナーではまだドンジリで馬が前に数頭いたが、直線に入ってから外へ出してからの追い上げで、突っ込んできたもの。
次回の狙い目が出てきた。

逃げ切ったメイショウデイムは、前半3Fを34.6で逃げて、上がりは35秒フラット。最後はそんなに無理してないものだったし、完勝と言えよう。
まだまだコーナーリングとか幼さがあるデビュー戦だったし、これからもっともっと芯が入ればだろう。


日曜小倉1R
2歳未勝利
芝1200m
勝ちタイム1.09.5


勝ち馬:フェブスカイ(牡2、栗東・湯窪厩舎)

ポンと飛び出して、先手を取ったのがケージーハナコ
前半3Fを34.5で行っただけに、終いは多少アップアップとなった。
2番手に行ったダンツエルフが5着だっただけに、ちょっと速かったのか。
逆に3番手の内で、凄い行きっぷりで前を追走したフェブスカイは、余裕しゃくしゃくの手応えだった。

4コーナーでは、少しずつ外へと進路を変えて、直線入り口ではもう前の2頭を飲み込み、そのまま馬場の真ん中をゴールへと向った。
最後は2着馬に2馬身以上の差をつけての完勝劇であった。
内で粘るケージーハナコだったが、残り1Fからはもう苦しくて、何とか粘るものの3着確保がやっと。
2番手には、4コーナーまでに内々を通ってきていたフライトハーンが追い上げてきて、直線で粘る先行馬を抜いて上がった。

土曜は内々を通る競馬が多く観られたが、このフェブスカイは3コーナーから幸Jが外へ外へと進路を取ってきており、直線は完全に馬場の真ん中より外目を通って脚を伸ばしていた。
ローラーで内は固めてあるはずだが、これだけ外へ出してきているのは、かなり内を通る頻度が高く、案外、馬場が回復していないのかも知れない。
レースの流れとしては、前半の3Fが34.5であるからそんなに速くないのに、勝ち馬の上がりでも34.7。
フェブスカイは前半34.8で上がり34.7と、平均のラップを踏んでのもの。
果たしてこの後のレースでは、どれだけ芝のタイムがかかるのかだろう・・・。


日曜小倉4R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.09.3


勝ち馬:タガノジョーカー(牝2、栗東・五十嵐厩舎)

このレースも、道中は内々を通って直線入り口から外へ出してきたタガノジョーカーが勝ったもの。
やはり直線だけでも外へ出すと伸びが違うようで、上位に来た馬もやはり外を通ってきた馬であった。

先手を取ったコブリンダンサーが、終始先頭を保って直線入り口まで来た。
前半3Fを35.1の理想的な流れで行けたが、後続馬も楽な流れなのは同じ。
逃げたコブリンダンサーの外を⑧枠2頭が追撃して、4コーナー手前ではさらにその外へ急追してきた人気のメルヴェイユドールが上がって来ていた。
内目にはメイショウサラサタガノジョーカーが、開けたインを上がって来てていた。
直線入り口では、大外へ上がって来ていたメルヴェイユドールが、何かに弾かれたように外へ流れた。

直線入り口で前のスペースが開き、内から外へ出したタガノジョーカーがいい反応を見せてそこを突いて先頭に踊り出た。
4コーナーではいい手応えだったベルベットカフェだが、直線での伸びが案外な感じで、ジリジリとしか伸びなかった。
むしろ、4コーナーで外へ逃げ気味となってロスがあったメルヴェイユドールが、立て直してからの伸び脚が良くいい脚勢で前を追って、ベルベットカフェに並び、さらに前を行くタガノジョーカーに迫って行った。
しかしゴールでは半馬身届かずの2着であった。

前半3Fが35.1のそう速くないペースで推移し、レースの上がり3Fが35.7と、これまたそんなに速い上がりを要求されなかった。
最後の2Fだけ速い、11.7~11.9の切れ味勝負となった牝馬限定の新馬戦。
道中は内々でロスを防ぎ、直線では外の馬場のいい処を鋭く伸びたタガノジョーカー。鞍上が3キロ減の国分恭Jというのも、決め手となったはず。
2Rの勝ち馬コウエイテンプウを姉に持つこの馬。
同じ日に姉妹で待望の1勝を手に入れ、いい一日となったようだ・・。


日曜小倉5R
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.50.2


勝ち馬:リルダヴァル(牡2、栗東・池江郎厩舎)

距離千八を意識して、必ずと言っていい程に先行有利な流れになっている2歳戦。
ここも、タクシーが前半千を1.03.7のゆったりしたペースで直線入り口までマイペースに持ち込んだ。
しかし、勝ったのはディープインパクトの母ウインドインハーヘアの子供の子供、甥っ子にあたるリルダヴァル
道中は後方で脚をタメて、3コーナーから動いて直線入り口から鋭い伸びを見せて後1F過ぎでは楽勝モードとなった。
最後はちょっと内へモタれ気味なのか、修正しているような格好の鞍上で、ステッキは一発も使わずのゴールであった。
時計は1.50.2と平凡だが、終いの切れは上がり4Fが全て11秒台の決め手勝負。
やはり血筋が黙っていないといったゴール前であった。

逃げたタクシーが、ゆったりとマイペースで終始馬群をリードして行った。
2番手には2番人気のリディルが続き、3番手に内々を通るヒットメーカーであった。
向う正面で、少しタクシーが後ろを離したところもあったが、平均ペースの流れは変わらなかった。

3コーナー手前で、後ろで辛抱できなくなったコスモマントナンが外から一気に上がり2番手まで押し上げたが、大勢には影響せず。
結局、3コーナー過ぎからも、前のグループは同じポジションでの競馬となった。
1番人気のリルダヴァルは、スタートは五分もジワッとした内目の中団。
2コーナー過ぎではブービーの位置ではあったが、外は廻ってはいなかった。

向う正面あたりでもまだ辛抱。3コーナー過ぎではもう前の馬からそう離れていない位置ではあるが、やはり内目。
ここらでは、内にミッキードリームもいた。

4コーナー手前でも抜群の手応えだが、外へ出してない。
そしてカーブをそれほど外へは通らずに曲がり、直線入り口では一気にもう4番手の外目に上がってきた。
何せ反応が良かった。
一瞬の内にトップスピードに入ったようで、素晴らしい伸びで直線半ばではもう先頭に立っていた。
ここらは全て11秒台のラップでの中での動きだ。

直線半ばで先頭に立ったが、ちょっと内へもたれる処があるのか、鞍上の鮫島克Jが矯正するような仕草を見せた。
その後も手綱はほとんど動かずの勝ちっぷりであった。
494キロのゆったりした馬体で、大物感が溢れる馬。
実に先々楽しみな馬のデビュー勝ちであった・・。