平林雅芳の目(10/11)

トピックス

日曜京都11R
京都大賞典(GⅡ)
芝2400m
勝ちタイム2.24.3

勝ち馬:オウケンブルースリ(牡4、栗東・音無厩舎)

菊花賞馬オウケンブルースリ、淀の舞台で復活劇

天皇賞馬マイネルキッツに菊花賞馬のオウケンブルースリ。
ともに59キロを背負っての戦い。流れがけっこう速く推移しそうで、展開でなく実力勝負となりそうな予感だった。
勝ち名乗りをあげたのは、淀で2戦2勝となったオウケンブルースリ。
直線は馬場の真ん中をグイグイと伸びての勝利。
これで次なるステップへ余裕を持って進める事となった・・。

やはりテイエムプリキュアがグイグイと押して出て行った。
クイーンスプマンテが2番手、その後ろにコスモプラチナと、縦に長い流れとなった。
逃げたテイエムプリキュアは、1000メートルを59.1と短距離系のスピードで飛ばした。
それから4馬身ぐらい後ろにクィーンスプマンテ。
そこから6馬身ぐらい離れた3番手がコスモプラチナ。
中団の内目をトーセンキャプテン。
その少し前にトーホウアランがメイショウクオリアと並んで付いて行った。
マイネルキッツとオウケンブルースリは、後ろから3、4頭目。
最後方がスマートギアと、かなり長い隊列となった。

3コーナーを下って先行している2頭はかなり前にいた。
直線入り口でも、まだ先行2頭は一番前に位置していたが、先頭がここでクィーンスプマンテに替わった。
そして各馬がぐっと接近。
内目をついたジャガーメイルの伸び脚は思うほどでなかった。
むしろトーセンキャプテンの伸びがいいぐらい。
そこを後方から外を廻したオウケンブルースリが、前を行く馬の外から一完歩毎に脚を伸ばし、その外からスマートギアも来ていた。

そして、ついに一番前にオウケンブルースリが躍り出た。
その直ぐ後ろに、スマートギアもかなりの脚を使って猛追してきていたが、交わすまでには及ばず。
3着争いは、粘るトーセンキャプテンをジャガーメイルがジリジリと脚を伸ばしたが、捕えきれず。
その後ろにモンテクリスエスが入り、マイネルキッツ、トーホウアランは伸びがそんなに目立たなかった。 最後の3Fが12.3~12.8~12.0のラップであった。
かなり前を行っている馬がペースを速めたので、上がりがそんなに要求されない競馬となったのだ。

しかし約半年ぶりの実戦で見事復活勝利を果たしたオウケンブルースリは、やはり実力馬。
キッチリと結果を出して、次のステップへと駒を進める事となった・・。


日曜東京11R
毎日王冠(GⅡ)
芝1800m
勝ちタイム1.45.3

勝ち馬:カンパニー(牡8、栗東・音無厩舎)

こちらも音無勢、カンパニーがウオッカを差し切る!!

圧倒的人気のウオッカ。
昨年はスーパーホーネットにゴール寸前に差されたが、今年は同じ事はないと思っていた。
しかしまるで昨年の再現のようなゴール前。
たった1頭カンパニーにだけに交わされたが、負けは負け。
好位の内で貯めるだけ貯めて、直線1Fから追い出した鞍上の横山典Jの右ムチが数回おろされたが、それに呼応してグイグイと伸びて、最後は1馬身の差をつけて快勝。
鞍上の横山典Jは、ゴールを過ぎてから唇に左ひとさし指でチュッと勝利のサインをしていた。

いつもどおり落ち着き払ったウオッカ。
パドックでの周回は、何事にも動じない強い精神力で今回も堂々たる風情。
57キロの斤量がどんなものかだが、実際はそう心配する材料ではないはず。
そしてゲートが開いた。好発を切ったのは、やはりウオッカ。
誰も行く気配すら見せない感じだった。
当然のように馬まかせでのレースをする武豊J。ウオッカが先頭となってレースを進めて行った。
2番手に、外からナムラクレセントが行きたくない感じでいた。
内にはアドマイヤフジで、ここも前には出たくないようでジッとしていた。
1000メートル通過が、何と1.00.0のかなり遅いペース。完全にスローな流れだ。
4番手の外目にヤマニンキングリーで、内目にカンパニーが内ラチ沿いを進んでいた。
淡々とした流れで、結局は何事もなく直線へと入って行った。

直線に入っても、まだ各馬は追い出さなかった。
もちろん先頭のウオッカは、まだまだ仕掛けない。
残り2ハロンを切ったあたりで、やっとウオッカに武豊Jがゴーサインを出した。
その後ろで、アドマイヤフジの内から、ラチ沿いを進んでいたカンパニーがアドマイヤフジに並び、そして前を行くウオッカを捕まえにかかった。
一旦は2馬身ぐらい差があったウオッカとの差が、ゴールが近づくにつれ見る見る間になくなっていった。
ウオッカにステッキを入れる武豊。 だがもう一伸びするかと思ったが、抵抗できない。
ウオッカの大きな跳びと、追いすがるカンパニーの小さいが確実に伸びる足取りが対照的だった。
ゴール前の一ハロンは、鞍上横山典Jの右ムチが連打されていた。
カンパニーが一完歩ずつ伸び、並び、そして交わして1馬身出たのがゴールだった。

オープン馬が1000メートルを1.00.0で行っていれば、普通はそのまま逃げ切れると計算上では推測する。
ところが、実際にはそれを交わす馬もいる訳である。
勝負に勝ちパターンがあるように、負けパターンもあるのかも知れない。
ウオッカは先頭に立つ競馬が好きではないのかもと推測される。
前に馬を置いて終いを伸ばす、これがウオッカの戦い方なのかも知れない。
これだけは外野が何を言っても、乗っている者達でしか判らないことだと思う。
それにしてもカンパニーだ。
8歳馬だが切れ味はまだまだ若い。 昨年のこのレースでは、馬体減で450キロでの出走。
今年は462キロと十分満足な状態での出走で、見事10勝目を飾った。
カンパニーにだけ先着を許してしまったウオッカだが、次走は見事に変わり身を見せてくれるはずである。
それを期待している。