2009年度馬事文化賞決定

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JRAは、1月6日(水)、『2009年度JRA賞 馬事文化賞選考委員会』を開き、受賞者を決定した。受賞作、受賞者の詳細は以下の通り。

[受賞作]
「競馬の社会史1 文明開化に馬券は舞う―日本競馬の誕生」

<受賞者の略歴>
立川 健治 (たちかわ けんじ)
1950年 佐賀県生まれ
京都大学文学部卒業。現在、富山大学人文学部教授。日本近代史専攻。

(受賞作の概略)
幕末から鹿鳴館時代の日本の近代を、競馬を軸に振り返った歴史書であり、当時の日本社会の社交、スポーツ、賭博、博覧会などと競馬の関係が明らかにされている。洋式競馬は幕末から横浜で誕生した文明開化の一つとされ、やがて東京、神戸など各地に広がって、国際交流の舞台を兼ねた明治の華やかな競馬時代を現出する。
その華麗な賑わいは、一つには日本の競馬が女性を主役とするような社交と共に生み出されたという興味深い指摘や、当時活躍した競走馬について丹念に紹介され、さらに豊富な当時の資料、写真や図版によってビジュアルに構成されている。

【立川 健治氏 受賞コメント】
「このような名誉ある賞をいただき、大変感謝しています。競馬史を勉強するようになって20年、まだ馬券歴35年には及びませんが、この賞を励みに、今後も競馬史の研究を続け、競馬学の進展に寄与していきたいと考えております。」

[馬事文化賞 功労賞 受賞者(敬称略)]
今井 壽惠(いまい ひさえ)

<受賞理由>
故今井 壽惠氏は1969年に「世界の20人の写真家」の一人に選ばれるなど、日本を代表する写真家として活躍した。1970年から40年近くにわたり、日本はもとよりヨーロッパをはじめ海外で「馬の世界」を撮影し、その作品は数々の賞を受賞している。日本国内では、テンポイントやシンボリルドルフなどの著名な馬や岡部 幸雄騎手、武 豊騎手の写真集を発行するとともに、数多くの展覧会を開催し、競馬の世界やサラブレッドの魅力を余すところなく永年にわたり多くの人々に伝えたことは、馬事文化の発展及び振興に特に顕著な功績のあったものと認められる。