勝利コメント・研究員の目【3/7・中山競馬場】

トピックス

●中山2R 3歳未勝利・牝(ダ1800m)

1着 ローゼウィーク(後藤浩騎手)
「前2走が結果的に雑に乗ってしまった思いがあり、今回はその反省を踏まえて慎重にいった。うまく脚をためることができ、持っている力を引き出すことができたね。本来は芝向きだと思うが、こんな脚抜きがいいダートは合う」

2着 マイネルナロッサ(中谷騎手)
「ひと叩きされた上積みを感じました。すっと流れに乗れ、いいポジションが取れましたね。最後までしっかり伸び、収穫があるレース。軽いダートはぴったりです。カリカリしがちな性格ですので、落ち着いてくれたら、先々が楽しみですよ」

ローゼは3度目の正直で未勝利脱出。前週のカトルズラパンもそうだったのだが、後藤騎手は先行させてスムーズに走らせるのが上手い。特にこういった馬場でその騎乗がさらに効果を発揮するのだろう。マイネルはいい意味で期待を裏切って激走。次走も軽い馬場なら注意が必要。


●中山3R 3歳未勝利(ダ1800m)

1着 アブラハムダービー(岩戸調教師)
「能力だけで勝った感じです。体が固まっていないうえ、精神面も幼い。『事故のために出走取消』(2月20日の未勝利)は、もうかんべんしてほしい。それまではまったく問題なかったのに、頑固なところがあって、直前のゲート練習で立ち上がったり、脚を突っ張ったりして、枠入りを断固拒否。それで出走を見送ったんです。ほっとしました。いろいろな課題をクリアしていけば、かなり伸びるでしょう」

3着 リキサンヒーロー(勝浦騎手)
「決め手の差が出た。自ら動いていったほうが良かったかも」

11着 マイネルヴンダー(松岡騎手)
「ダートはダメだね」

アブラハムは強い勝ち方をしたにもかかわらず、課題ばかりがコメントされているところからも能力は相当。これからの成長に大きな期待が持てる。それにしてもゲート練習できなかったことを「事故」という形で表記するのはいささか疑問。多くの人が、馬運車が事故でも起こしたのかと誤解しそうな気がします。


●中山5R 3歳未勝利(芝2200m)

1着 ノーザンリバイブ(柴田善騎手)
「すごいよ、この馬。経験馬相手で初めてのレースなのに。しかもこの馬場だよ。根性もあるし、何より心臓が強いね」

6着 オペラオーカン(三浦騎手)
「だいぶ状態が戻ってきた。抜け出してフラフラし、ステッキを入れられなかったのが痛い」

※15着に入線したドリームプロメテルは心房細動を発症。

勝利したノーザンは今年の未勝利で初めて未経験馬としての勝利。父ガリレオというところからもこの条件選択をした陣営の賢明な判断を、まずは評価したい。レースでも後方から最後まで伸びに伸びて交わし切ったように、距離延長も余裕でこなす器。次走も、厳しいレースを叩いた経験が大きく生きるだろう。今の3歳馬でスタミナNo.1候補といっても良さそうな走りだった。
個人的には、2着のコスモメドウも早い段階から最後まで追いっぱなしで上々の内容。バシレウスに通ずるものを感じる。次も中山の2000m以上に出るようなら勝ち負け必至。

●中山7R 3歳500万(ダ1800m)

1着 ガンマーバースト(横山典騎手)
「今日は前が引っ張ってくれる理想的な展開だったね。気性的に幼い面があるのでこの流れは向いたよ」

2着 モエレエンデバー(武豊騎手
「スタートで滑って、後方からになったんだけど、展開が向いて、上がる時の脚もよかったね。やっぱりダートは合うし、力のある馬だよ」

ガナマーにとって、断然人気のノボプロジェクトが引っ張る流れとなり、マークしながら進むには絶好の展開。さらに折り合いに不安があった
本馬にとってはさらなる幸運。2Fの距離延長だけにスピードの生きる馬場も向いた。ノリにノッている時というのは得てしてこんなもんだ。
2着モエレは2走前の門別の時計が優秀。凍結防止剤の影響が大きい馬場だったとはいえ、高速ダートの適性はすでにのぞかせていたわけで、ここは絶好の狙い時だったと言える。良馬場替わりでも人気になるようなら少し疑ってかかりたい。

●中山9R 富里特別(芝1800m)

1着 イケドラゴン(柴田善騎手)
「返し馬の感じで、道悪はいいと思った。内々でうまく競馬ができたよ。前走の内容からも、これくらい走っていい」

2着 シングンレジェンド(小林淳騎手)
「引っかかる馬だけど、覚悟を決めてゲートを出していった。やったと思ったけどね。重は上手なんだけど、キレ負けしちゃったよ」

3着 キッズアプローズ(田中勝騎手)
「なんか今日は、馬が張り切りすぎてたなあ」

4着 トーセンオーパス(三浦騎手)
「前半はノメっていたけど、馬場のいいところに出したら走る態勢が安定。早めに動いていったが…」

7着 イイデエース(松岡騎手)
「残念。出遅れちゃった」

左回り専門と思われていたイケだが、必ず相手なりに走ってきた経験が今回ついに勝利に結びついた。柴田善Jの内枠からの捌きもさすがと唸らせるもので、今回のような内有利が明白な馬場では特にその上手さが光る。
また3着のキッズは初芝でもアッサリこなして見せたように、能力は高い。あと足りないのは経験だけ。芝慣れすればポンポンと勝ち上がっていくだろう。

●中山10R ブラッドストーンS(ダ1200m)

1着 ストレートイン(吉田豊騎手)
「外めの枠だったから、内を見ながら好位へ。砂をかぶることもなく、いい感じで追走できました。こんな競馬もできたのは収穫。今後に向け、幅が出ましたね」

3着 カフェレジェンド(松岡騎手)
「ちょっとムキになる。もう少し後ろから行かせたほうがいい」

10着 ドリームクラウン(横山典騎手)
「持ちタイムはあるけど、周りも速すぎてキツい展開。こんな馬場は良くないね」

これだけ力が拮抗するメンバーの中、いつもとは違う競馬で結果を出したのだから、馬もジョッキーもキモがすわっている。スピードがあることはすでに証明されており、控える競馬で最後まで持続する力を身に付けたとなれば鬼に金棒だ。

(研究員サトナカ)