トレセンレポート【日経賞】ナムラクレセント

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天皇賞・春への挑戦を見据え、日経賞から始動するナムラクレセント(牡5、栗東・福島信厩舎)。
24日の最終追い切りでも上々の反応を見せ、仕上がりは万全だ。動きを見守った福島信晴調教師も、満足そうな笑顔。
「2月下旬に生田トレーニングファームより帰厩して以来、思い通りの調整ができた。力的にも十分に足りるよ」

豊富なスタミナが最大の長所なのに、3勝目までは流れが忙しい小倉の1800mや2000mでマークしているのがユニークなところ。折り合いに難しさがあり、なかなか勝ち切れないのが悩みだった。

「道中で力みがちだから、忙しい展開のほうが最後まで集中できるんだ。肉体の強化以上に、精神的な若さが課題でね。怒ったら、何をするかわからない。以前は坂路を登るのに、30分くらいかかることもあった。装鞍や下見では一気にテンションが上がり、ひやひやさせられたよ。それでも、昨秋以降は折り合いにも進境がうかがえるし、大人になりつつあるのは確か。長距離でも安定して戦える下地ができたね。成長の速度が遅かった馬で、まだまだ奥はある」

昨春は体調も一息だったが、リフレッシュ後の阿賀野川特別では、フォゲッタブルらに5馬身差をつける逃げ切りを演じて勢いに乗る。西宮Sは中団で脚をためて連勝。その後も毎日王冠(4着)、アンドロメダS(1着)、鳴尾記念(3着)と中距離を歩んだが、折り合いを勉強させる意図が強かった。

3歳秋には菊花賞を3着。昨年の阪神大賞典でも3着に食い込んだ実力派である。いよいよステイヤーとして羽ばたく時期が到来した。

ナムラクレセント
(牡5、栗東・福島信厩舎)
父:ヤマニンセラフィム
母:サクラコミナ
母父:サクラシヨウリ
通算成績:17戦6勝