平林雅芳の3歳戦ピックアップ/マーガレットS他

トピックス

土曜阪神3R
3歳未勝利
芝1800m
勝ちタイム1.50.3

勝ち馬
アスカトップレディ(牝3、栗東・藤田厩舎)

日曜に牝馬限定の未勝利戦があるが、そこは2000メートル。それを嫌ったのかここへ5頭の牝馬も出走があった。その1頭アスカトップレディが、1番人気のアカシックレコードを外からアッと言う間に差し切った脚は見事なもの。休み明け2戦めでエンジン全開の内容であった。

アカシックレコードは、それこそ最高の位置で完璧な競馬。4コーナー2番手で、直線もジワッと先頭に立った。しかしそれを一瞬のうちに交わす脚の速いこと。使った脚は34.0フラットの切れ。
逃げたシュガービスティーが、1000メートルを1.03.1と、これ以上ないペースを造り、完全に上がり勝負となった。
実際、4コーナー手前の残り600メートルの標識からのラップは、11.6~11.2~11.6である。
アカシックレコードがジワッと先頭に立つ1ハロン、そこを外から瞬時に交わして前へ出る切れ味。これは凄いもの。最後は1馬身以上の差を開けている。アカシックレコードにしてみれば、相手が悪かったとしか言いようがない。

アスカトップレディは4戦目で勝ち上がったが、毎回いい脚を使ってはいる馬。
今回の切れを見ると、クラスの上がる次走がおおいに楽しみになるところである・・。


土曜阪神9R
マーガレットS
芝1400m
勝ちタイム1.21.3

勝ち馬
シゲルモトナリ(牡3、栗東・藤岡範厩舎)

今日で11戦目となるシゲルモトナリであるが、馬体はキラキラと輝いて体調の良さが目に付く近走であった。東京のクロッカス賞の時から気になる存在であったが、やはり前走は微妙に距離が長かったようで、今回は好位の3番手から抜け出す内容。エーシンウェズンの追い上げを半馬身こらえての勝利。今後も距離を見てのお付き合いとなりそう。

向こう正面で外からダッシャゴーゴーが上がって行き、スタートから出て行ったミッキーデジタルを交わして先頭に立ったのが3コーナー手前。だがペース自体はそんなに速くはない。
前半3ハロンが34.7であるから、まずまずの流れだ。2番手ミッキーデジタルの外にシゲルモトナリも並んで来て、さらにその外にはエーシンウェズンも顔を出し始めた。そして、ニシノモレッタも上がる気配を見せた。ランリョウオーはまだ後ろであった。
4コーナーを廻って直線に入って来た。まだダッシャーゴーゴーが先頭ではあるが、やや足色が鈍り始めた。変わってシゲルモトナリとエーシンウェズンの好位グループが先頭に踊り出た。
残り1ハロンを切って、後続もジワジワと差を詰めてきた。外からはケイアイデイジー、そのすぐ内にはランリョウオーが併せ馬となって伸びてきた。最内からは、ナリタスプリングも顔をいつの間にか上がって来ている。しかし前を行くシゲルモトナリとエーシンウェズンを交わしそうな勢いの馬はいなかった。

シゲルモトナリが半馬身先着して、エーシンウェズンが2番手。3着争いが熾烈で、外から伸びて来ていたケイアイデイジーの勢いがいい。
最内ナリタスプリングもちらっと顔を出していたと思っていたが、スローを観ると、そのナリタスプリングが3番手に上がっていた。
外の争いでは、勢いで優るケイアイデイジーを残して、ランリョウオーが4着であった。
最後の1ハロンは12.3とややタイム的にはかかったが、その前が11.1。
ここらが、先頭のシゲルモトナリとエーシンウェズンが2着以下を問題にしなかった要因であろう。
ニシノモレッタは、今ひとつ伸びきれていない。ダッシャーゴーゴーは先手を取っての競馬だったが、粘りを欠いた。ちょっと難しい馬である。
そしてサリエル。1ハロン伸びただけで良くないのか?あまり見せ場もなかった感じだ。
勝ったシゲルモトナリの充実ぶりとエーシンウェズンの堅実ぶりが目立ったレースであった・・。


日曜阪神5R
3歳未勝利・牝
芝2000m
勝ちタイム2.03.1

勝ち馬
メジロジェニファー(牝3、栗東・北出厩舎)

1番人気に支持されたメジロジェニファー。やはりお客様は見逃さない。そして目が肥えてもいる。いくら前走2着馬がいない組み合わせとはいえ、人気の中心になるとは思いもしなかった・・。

そのメジロジェニファーだが、中団を楽に付けて行けている向こう正面だ。ここにいるのならばと、安心できる位置取りであり、手応えも十分であった。
そしてその少し後方に、初出走ながら穴人気しているネヴァーフェイドが付けていた。
3コーナーを過ぎて、外めを少しネヴァーフェイドが上がりかけていた。まだペース自体はそんなにあがってはいない時だが、各馬もまだ余力十分なだけに、容易には位置が上がらない。
そして直線へと入って来た。前ではコウユーユメダンスがいい感じで前へと進出。内では、タガノイノセンスも粘りをみせていた。
前へ行っていた2頭が上がりかけたが、その外からメジロジェニファーがいい感じで出てきた。
残り1ハロンを切って、メジロジェニファーが抜け出し、その外から追い上げてきたネヴァーフェイドが伸びて2番手に上がった。
内めで頑張っていた好位グループが粘って、3着以下混戦となっていた。

初戦からレースぶりが印象に残っていたメジロジェニファーが、道中も楽について行け勝負処の反応も良く、持ち味の切れを発揮しての勝利であった。
そして2着は、素質を十分に発揮したネヴァーフェイド。初戦から苦しい競馬内容でありながらの直線の伸び。次走は楽に勝てる馬であろうし、先々楽しみとなる馬に違いない・・・。


日曜阪神7R
3歳500万下
芝2200m
勝ちタイム2.14.9

勝ち馬
トゥザグローリー(牡3、栗東・池江郎厩舎)

体は10キロ絞ってきたが、まだ太いぐらいの体のライン。2戦目でどんな変わり方か、興味津々のトゥーザグローリー。
少頭数ながら油断のならない1勝クラス。でも直線外から堂々と差し切ったものであり、これで次走はどこかトライアルで権利取りに臨むものだろう。

レースを終えた6日火曜朝に、池江郎師と話ができた。青葉賞へとチャレンジしてみるそうだ。まだあと10キロぐらい絞れる体つきと言ってもいた。
そして、ダービー云々は、まだ現状ではそこまではと言明しなかった。素質はあろうが、無理をしたくないといった感じが伺える言葉でもあった。
圧倒的人気で半馬身差の勝ち。上がりだけのレースとなって、最後3ハロンを11.7~11.7~12.0であった。
この最後の1ハロンがもっと速いとか、持ったままで勝ち上がるぐらいの切れならば、もっと凄い夢を持つのかも知れないが、現状では2勝目を挙げた馬の印象でいいのではなかろうか。
まだまだ正直6、7分までも出来上がっていないと思える馬体の造り。
ダービーへ自然と出られるようならそれでよしとした、自然の流れでいいのだろう。
本当に長~い目で見ていきたい馬であろう。