オープンガーデンの江田勇亮騎手インタビュー【中山GJ】

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-:中山グランドジャンプオープンガーデン(牡6、美浦・郷原厩舎)に騎乗する江田勇亮騎手にお聞きします。よろしくお願いします。

江:よろしくお願いします。

-:江田騎手は、08年1月からずっとコンビを組んでいらっしゃいますね。初めて騎乗した頃はどんな印象がありましたか?

江:最初に乗せていただいたときは2着、3着と来たんですよね。どちらのレースも4コーナーまでは良い感じで来たけど、直線のダートで伸びませんでした。それで3戦目は、終いがない分ちょっと早めに行きましたけどダメでした。2着になったときよりタイムは速かったですけど「未勝利を勝てるのかな」と思いましたよ。

-:しかし次の未勝利戦で見事に勝利をあげました。

江:いきなり強い勝ち方をしてくれました。そこで目覚めた感じになりましたね。レース前、特に変わりは感じなかったんですけどね。レースでは、飛びと自分の気合いだけで3コーナーくらいでハナに並んでいく感じで行って。今まではその手応えでも伸びなかったんですけど、しっかり伸びて後ろを離してくれました。オープンに入ってもそれなりに走りましたし、東京ハイジャンプでも3着に来ましたしね。次のレースは鎖骨を骨折していたので乗れませんでしたけど。

-:1回、田中剛さんが騎乗されて、その後またコンビが復活しますが、復帰のレースでは競走中止になってしまいましたね。

江:その頃は、後ろから行く形になっていましたけど、そのときは「ちょっと早めに動こうかな」と思って動いて失敗してしまいました。少し馬の気が入ったまま行かせたら、ちょっと遠い位置からの踏み切りになって、着地が上手く行かずに落ちてしまったんですけどね。だから次のレースでは変なところから動かないようにしようと思いました。東京ハイジャンプのときのイメージもありましたし「無駄に動かないでレースをしよう」と。しばらくはそういう形でレースをしていました。

-:その後、違う形でのレースを試みたこともありますか?

江:そうですね。中山で10着になってしまったときのレースですけど、後ろから行って前に届かないレースが続いていたので「良い位置で競馬をしてみよう」と思って、ゲートから少し動かしてみようとしたら良くなかったんですよね。一回りで手応えが無くなってしまって、ちょっと気分を損ねてしまったような感じだったのかな、と。それで「この子には後ろから行く競馬が合っているんだね」ということでペガサスを使ったら、良い競馬が出来たんです。だから余計に「こういう競馬が合っているんだ」と思いました。次の中山大障害でも同じ形で3着になりましたしね。

-:そこからはずっと「後ろからのレースをしよう」と。

江:はい。でも去年の中山大障害で3着になったときは、前々でレースをしましたけどね。

-:なぜですか?

江:去年の暮れは馬が前向きな気持ちになっていたんですよ。それでイルミネーションジャンプの時は、今までの実績から「後ろから行った方が良い」という考えがあって、馬がちょっと行きたがっても無理してでも抑えようとしてしまって、結局結果が出せなかったんです。でも上がりタイムだけ見ると、掛かった割りにはそれほど悪いわけでもなかったので「じゃあ、次の中山大障害は折り合いが付くあたりで競馬をしてみようか」ということで、ちょっと前めの位置取りになったんです。その位置でもちゃんとレースが出来て3着でしたからね。春のグランドジャンプでも3着になりましたけど、内容が違いました。

-:グランドジャンプの3着と大障害の3着ではどのような違いが。

江:グランドジャンプだけでなくその他のレースでも、後ろから行っているときは前が潰れてくれないとどうにもならない感じでしたけど、大障害で良い位置で競馬が出来たことによって「これなら」という望みを持てるような感じがありましたね。すごく収穫が大きいレースだったと思います。

-:非常に良い手応えを得られたんですね。そして年明け初戦となるペガサスジャンプステークスに出走されましたが、結果は残念ながら7着でした。

江:除外があって、レース間隔があいて休み明けみたいになってしまったためか、暮れの前向きさが無くなっていたんですよね。ちょっと気の難しいところのある馬なんです。

-:それはレース前の調整の段階から感じていたんですか?

江:いえ、担当の助手さんがいつも苦労されて調整しているんですけど、見ていてそれほど違いは感じませんでした。レースでゲートの出方や出たあとの感じがちょっと違ったので、そこで「あれっ」と思いましたね。また僕が暮れのイメージを強く持っていて、ちょっと出そうとしてしまったのもあって、走りも良いリズムでは無かったと思います。

-:ペガサス後の馬の状態はいかがですか?

江:この馬は叩かれて良いタイプだと思いますし「今までの普段の状態に戻ったかな」という感じはありますね。前走のときは中間にちょっと気にした飛び方をしていたこともあったんです。でも、レースに使う週には普通に飛べていたので「大丈夫だな」とは思っていたんですけどね。

-:そうだったんですか。

江:ペガサスの後は、先週今週と飛ばしましたけど、気持ちもしっかりとしていましたよ。あとは実際のレースになってみないとどうなのか分かりませんね。この馬はパドックや返し馬で変わりがないので分からないんですよ。ゲートを出てからでないと分からない、というのが、今回のペガサスで改めて分かりました。もっと分かってあげなくちゃいけないんですけどね…。

-:これまでのレース後の江田騎手のコメントをみても、なかなか掴みどころがないように思いますが。

江:ペガサスの前も「良い」と思っていたんですけどね。でも競馬での感じが違ったり、難しい馬です。それでもこれだけ乗せてきていただいて、全部が全部ではないですけど、分かってあげられている部分も出てきていますからね。その辺りを上手く活かしてあげたいです。

-:なるほど。G1で3着2回という実績からも楽しみですよね。中山4250メートルという舞台に関してはどのような印象をお持ちですか?

江:やっぱり中山のG1の舞台はタフですよ。力が必要になるし、スピードだけではどうにもなりませんし、馬の疲れ方も違います。でもこの馬は飛びの上手さと力があるタイプなので、中山コースが一番合っていると思います。

-:昨年3着から、今年は更に上を目指したいですね。では最後にレースへ向けての抱負をお願いします。

江:これまでG1の舞台でも力のあるところは見せてくれているので、今回は馬の気持ちが削げないように上手く誘導してあげられれば、力は発揮してくれるんじゃないかと思います。そうすれば結果も良い方へ出てくれると思いますので、ゲートを出たときの感じを掴んであげて、良い気持ちで走れるように、道中乗りたいと思います。

-:応援しています。今日はお忙しい中、ありがとうございました。

オープンガーデン
(牡6、美浦・郷原厩舎)
父:ゴーカイ
母:ダンスフォンテン
母父:ダンスインザダーク
通算成績:26戦2勝

江田 勇亮
(えだ ゆうすけ)
1978年9月4日生まれ
[初免許年] 1997年
[所属] 美浦・河野 通文
[初騎乗] 1997年3月1日2回中山3日目3R シルキーキッス (10着/16頭)
[初勝利] 1997年3月2日2回中山4日目1R アンディーン
[今年度成績] 15戦2勝(うち障害13戦2勝)
[生涯成績] 976戦37勝(うち障害357戦21勝)