【桜花賞】デアリングタクトの末脚は強敵相手に通用する？

2020/4/7(火) 

【天皇賞・春】馬券のトレンド⇒レースポイント・過去の傾向から導いた3頭を無料公開！

提供：編集長のこの3頭で勝負

凛とした表情のデアリングタクト

【デアリングタクト陣営独占インタビュー・後編】

－：阪神ジュベナイルフィリーズやチューリップ賞が終わり、ライバルが明確に見えてきたと思います。エルフィンSと同じパフォーマンスが出せたら、おそらく…とファンは思っています。

杉：面白いと思います。僕もそう思っています。

－：来週の追い切りはどんな段取りでされる予定ですか。

杉：今の段階では、来週は坂路で単走を考えています。今朝（1週前）の追い切りで乗ってくれた松山ジョッキーも、イメージより道中行きたがったのと、終い内にモタれてしまったので、来週も乗せて欲しいということでした。

－：ジョッキー本人が最終確認してから桜花賞へということですかね。

杉：納得した状態で行きたいというジョッキーの気持ちだと思います。

－：この馬の魅力は末脚の良さだと思います。最近は週末になると雨が降ることが多く、馬場状態が重くなった場合、この馬はどうですか。父のエピファネイア自身は得意だった記憶がありますが。

杉：走り方からして、多分大丈夫かなと思っています。デアリングタクトはトップスピードに入った時に回転が速くなります。ストライドが伸びるというより回転が一気に速くなるので、ああいう走法は下が多少緩くても、踏ん張りが利くと思いますね。ストライドを伸ばすタイプだと、脚を取られてブレてしまいます。あまりブレにくい走法じゃないかなと思っていますね。

－：と言うことは、どちらかと言えば、長距離よりはマイラー寄りの走り方をする馬だということですね。

杉：走り方もそうですし、気性的にも将来そうなってくるんじゃないかなという気はしますね。ただ、馬のポテンシャルが想像を超えて高いのであれば、おそらく距離もこなすんじゃないかなという気はしていますけどね。

－：痩せ型でいかにも切れる牝馬という体型ですが、やっていて難しさはありますか。

杉：競馬を覚えだしてきている分、以前よりも道中で馬の走る気がかなり溢れています。現役時のエピファネイアも、ゲート裏でテンションが上がった話を聞いています。この馬もエルフィンSの時にゲート裏から気合いが乗っていたので、そこは注意したいポイントです。エルフィンS通りの競馬が出来れば良いレースになる反面、ゲート裏でどうなるかは少し心配ですね。

－：ゲート馬で気合が乗るとレース前半の折り合いにも影響が出るということですか。

杉：ゲートを出てしまえば、大丈夫だと思うんです。ゲートの中に入った所、ゲートが開くまでです。

－：駐立の時間ですね。

▲初のクラシックを狙う杉山晴紀調教師

杉：僕の懸念が杞憂に終われば良いんですけどね。もしもう一段テンションが上がって、駐立が不安定になった場合、発馬で後手を踏むのは避けたいので。

－：それをなくすには？

杉：今回、入厩して次の週に松山ジョッキーを乗せて駐立練習をしました。ただ、あまり駐立練習をやり過ぎると、馬の意識が後方に向いてしまいます。ゲート練習も善し悪しがあるので、そんなに根を詰めてはやっていません。桜花賞で出遅れないような対策はしています。

－：理想はエルフィンSのような中団の出たなりのポジションを取って、そこから前の馬を差すということですね。

杉：松山ジョッキーもイメージはしていると思います。そのためには、前走ぐらいはゲートを出て欲しいです。普通にゲートを出て、自分でポジションを決めるのと、出遅れてそこしか取れなかったというのでは、同じポジションでもまったく違うと思いますからね。

－：出遅れた時点でもう選択肢がなくなりますからね。

杉：スタートを出た上で後方に控える時は脚が溜まるんですよね。でも、出遅れてそこしか取れないという時は、脚の溜まり方が違うと僕は思っています。どんな馬でもゲートは五分に出るべきですね。

－：3歳牝馬の難しい時期に行われるＧⅠですから、好スタートに越したことはないですよね。出たなりでちょっと噛むぐらいだったら、エルフィンSよりもポジションを上げて、そこでリラックスして走ってくれればいいということですね。

杉：僕が一番緊張するのは、ゲートが開くまでですからね。“ゲート裏からゲートを出るまで”そこに尽きると思います。ゲートを五分に出た後は、そんなにドキドキはしないという感じになります。ゲート裏をクリアしても負けたら、素直に力負けを認めるしかありません。いずれにせよデアリングタクトの力を出し切ってくれれば良いなという思いが一番強いですね。

－：競走馬というのは、どの馬でも初めて使う新馬戦は訳が分からずに出て、2回目から極端にイレ込んだり、持っているものが徐々に表に出てくると思うんです。今回は3回目で、十分に間隔は空けていますが、パドックでの様子や返し馬を注意して見ます。

杉：おそらくパドックは落ち着ていると思います。注目してほしいのはジョッキーが乗ってからです。返し馬に行った後、ゲート裏でのテンションの高さがどうなのか、そこを見て下さい。

－：最後に、デアリングタクトを応援するファンはかなり気合が入ると思います。一時は賞金的に出走できるかどうかという話もあったぐらいでした。出られてホッとしているファンにメッセージをいただけますか。

杉：まずは直行で行かせて頂けたのはオーナーのご理解があってのこと。心からオーナーに感謝しています。ファンの皆様と同様に僕も出走できるのか不安な時期はありました。最終的には登録段階で出走できることが確定したので、あとは競馬まで無事に調整していきます。そこが一番難しい所なんですがシッカリやって、何とかこの馬のパフォーマンスが出せるように頑張ります。

－：ありがとうございました。

(終わり)