勝利コメント&研究員の目【5/9・東京】

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勝利コメント&研究員の目【5/9・東京】
写真は10Rのダイショウジェット)


●東京1R 3歳未勝利・牝(ダ1400m)


1着 ベネディーレ(古賀慎調教師)

「終わってみれば楽だったが、ジョッキーは『きつい競馬だった』と言って上がってきた。いいスタートを切り、押して前へ行けたのに、早めに来られて出入りが激しかったからね。そんななかでも最後までしっかり伸び、これだけ離せるなんて。イメージを一新させた。成長している証だよ。中山より広い東京向き」

2着 ネオヴェリーフェズ(横山典騎手)
「よくがんばっている。返し馬ではいい感触がなく、休ませても変わっていないと思ったが、実戦では反応してくれたね。大切に使っていけば、走ってくるよ」

3着 ハニーカラー(伊藤工騎手)
「終いは安定して伸びるようになってきましたからね。内枠に恵まれ、いいポジションを取れたのも大きい。マイナス体重でも細い感じはなかったですが、もっと成長してくれれば、これから楽しみな馬ですよ」

・勝ち馬は、厳しい競馬を制し、見事に勝ち切ったことで成長が見込める。横山典&古賀慎コンビサンテミリオンでおなじみだが、いろいろな場面でよく馬券になっており注意が必要。


●東京2R 3歳未勝利(ダ1600m)


1着 ユースフル(横山典騎手)

「精神的に幼いし、フラフラ走りがちなんだ。まだ良化途上なのに、こんな勝ち方ができるなんて。いいものがあるよ。これから良くなりそう」

2着 エイダイボルト(伊藤工騎手)
「前回がちぐはぐな競馬で力を出し切っていない印象を受けたので、後ろから脚を伸ばす競馬をイメージしていました。道中は力まず走ってくれ、直線のがんばりにつながりましたよ」

・直線でエンジンが掛かると他馬をごぼう抜き。これで良化途上だというのだから、今後が楽しみな存在。本馬は数少なくなってきたメジロライアン産駒だが、その中でも将来が期待できる一頭と言えそう。


●東京3R 3歳未勝利(ダ1400m)

1着 アプローチミー(松岡騎手)
「もともと能力はかなり。ソエが治まり、良くなっているよ。ただ、未勝利だから楽勝できただけで、まだ息も荒いし、本当は使うのが1週早かったくらい。本領発揮はこれから」

2着 サトノロック(後藤浩騎手)

「落鉄していたんだ。でも、いい競馬はできたよ。ダートでも走りはスムーズ」

3着 カレンデュラヴ(浜中騎手)
「外枠で、揉まれずに行けたのが良かった。まだ若さが残り、将来性がありそう」

・直線に向いても追い出すのをずっと我慢していたようにかなり余裕のあるレースっぷり。ここでは抜けて力が強かったと言える。昇級でも本気を出した際が楽しみ。2着のサトノロックは落鉄してた中でもスピード感十分の走りで、次走は確勝級


●東京4R 3歳未勝利(芝2400m)

1着 マイネルネオハート(武士沢騎手)
「すっとゲートを出て、いい位置を進めました。課題だった口向きの悪さも見せませんでしたよ。前走は道悪での好走でしたが、長い距離は走ります。いい馬場でもバテない強みを生かせました」

3着 ゴートゥザミラノ(柴田善騎手)
「いつもゲートは良くないんだ。それに加え、発走時間が遅れて待たされたからね。枠内での落ち着きを欠いてしまった」

・前走がややフロック視されていた感もあるが、舞台が東京に替わり、さらに馬場も良馬場となった今回、見事に適応してみせた。つまりは長距離の持続力勝負であれば舞台は問わないということだろう。渋太さを要求されるレースでは注意が必要。


●東京5R 3歳500万下・牝(芝1800m)


1着 マイネノーブレス(三浦騎手)
「道中はスムーズに追走。リラックスして脚をためることができ、ようやく本来の能力を出し切れた。馬も少しずつ力を付けている」

2着 コスモマクスウェル(松岡騎手)
「このクラスもすぐに卒業できる馬だが、外枠だったので前へ行けなかった。ちょっと馬もイライラしていたね」

(稲葉調教師)
「短期放牧でリフレッシュさせ、福島で2勝目を狙いたい」

3着 ヒラボクビジン(後藤浩騎手)
「よく伸びている。最後まで集中力を保てれば、このくらいは走れる馬なんだ」

・牝馬限定戦の割にペースはやや早目で、逃げた馬は殿負け。勝った馬は中団から脚をタメた分うまくはじけて優勝。今まで速い脚が使えなかったのがウソのよう。1800m戦への適性は高そうだ。コスモマクスウェルについては、次が福島ということだが、馬場がいい時に使ってくればおそらく勝ち負けになるだろう。


●東京6R 4歳上500万下(ダ1600m)

1着 ボンバルディエーレ(小西調教師)
「スムーズに折り合い、本来の末脚を発揮することができました。相当の能力を持っている馬ですが、気持ちが難しくて。ゲートが悪いのが課題なんです。少しずつ進歩しているのは確かですし、スタートさえクリアできれば、上のクラスでも、東京以外のコースでもやれますよ」

2着 ロトスカイブルー(安藤勝騎手)
「追い出しを我慢し、余裕で抜け出したが、ラストの伸びは案外。でも、このクラスなら能力は上だね」

4着 ショウナンアゲイン(柴田善騎手)
「出だしのフットワークがちょっと硬かった。よく伸びてはいるんだが」

・4角を回った時点で前との差が絶望的で、万事休すと誰もが思っていたが、最後の最後まで伸びきって見事に差し切り勝ち。印象的な勝ち方で500万をようやくクリア。気性的に成長したとはいえ、まだゲートは不得手なので、その課題が解消されるかどうかが、さらなる高みに昇るためのカギと言える。


●東京7R 4歳上500万下(ダ1300m)

1着 クラッカージャック(土田調教師)
「いつもいいところまで伸びてくるのに、最後に集中力が途切れてしまう。それが、きょうはジョッキーの指示に応えてくれた。東京の1300m、1400mがベスト」

2着 エリモシード(福永騎手)
「休ませた効果を感じた。体が絞れ、行きっぷりが違ったよ。左回りもいい。500万なら力は上だよ」

4着 ローブドヴルール(内田博騎手)
「ゲートで立ち上がるくせがあり、きょうは2度も。いいスピードがあるが、気持ちに余裕がほしい」

10着 カフェマーシャル(松岡騎手)
「輪乗りからうるさくて。ゲートでは隣の馬に噛み付こうとして出遅れた」

・6Rに続き岩田騎手の追い込みが炸裂!引き上げてくる際、『完全にゾーンに入ったわ!』と本人が言っていたのが印象的であった。その言葉とおり、8Rでも人気薄のプロヴィデンスを絶妙なイン突きからあわや勝ち寸前のところまで持ってきたのだから恐れ入る。東京ダートで岩田騎手が乗った差し馬は、特に注意が必要だ。


●東京8R 4歳上1000万下(ダ1600m)

1着 シャイニングアワー(幸騎手)

「久々を使われて良くなっていた。前の2、3頭を見ながら、いいポジションを進めたね。追い出したときの手応えは一息だったが、遊びながら走る面が残っている。脚は十分に残っていたよ。精神的にしっかりすれば、もっと走れそう」

2着 プロヴィデンス(岩田騎手)

「イラつきがちだし、我がままな馬。1頭になったらダメなので、馬込みに入れたら、今日は我慢できた。秘めた力はすごい。滞在競馬がいいタイプだが、条件がかみ合えば、すぐに勝てる」

3着 タイキジャガー(伊藤工騎手)
「東京のマイルはいいですね。ただ、直線は外に張り気味でした。最後までがんばっているのですが、もう少しスムーズに走れれば」

・先行し他の馬の目標になりながらも、直線途中からまた脚を伸ばし、キッチリと人気に応えた。フラつく面もあるけど、その代わりというべきか末脚の持続力はなかなかのもの。とはいえ次走は昇級して準オープン。若い部分を解消していくことが必要になるだろう。


●東京9R 八ヶ岳特別(芝1800m)

1着 グリッドマトリクス(田中勝騎手)

「楽なペースで2番手を進めたのが勝因。折り合いもバッチリだった。それにしても、最後までしっかり伸びたし、この馬は強いよ」

3着 マイヨール(石橋脩騎手)
「ちょっと行きたがりましたね。それでも、いいラップを刻め、力は出せましたよ。休養させて馬はすごく良くなっています」

4着 サトノエクスプレス(藤沢和調教師)
「前残りのなか、よくがんばっている。1600mくらいがいいね」

9着 ドリームガードナー(中村均調教師)
「この馬だって速い脚があるんだが、あの位置取りでは。展開と前が止まらない馬場に泣いたね」

・勝ち馬は福島を勝ち上がったばかりだったが、舞台が東京に替わっても勢い止まらず連勝。休み明け3戦目で完全に脂が乗っていた。実はこの馬、昨年の5月からここまでの9走で馬券圏内をハズしたのが、唯一長期休養明けとなる3走前のみ。時計が出やすい馬場だったとはいえ、今回の走破タイムは上々で、昇級後も目が離せない。


●東京10R オアシスS(ダ1600m)

1着 ダイショウジェット(柴山騎手)
「1800mよりも東京の1600mのほうが乗りやすい。すぐには反応してくれないので、勝負どころではいったん離されたが、追えば味があり、ぐいぐい伸びてくれたよ。うまく特徴が生かせれば、まだ変わる余地もある」

2着 ナムラハンター(安藤勝騎手)
「引っかかると聞いていたが、スっと好位が取れたし、折り合いもスムーズ。あと一歩だったね。いいものがあるよ」

3着 ダノンカモン(岩田騎手)
「力はある馬だが、苦しくなったら耳を絞って嫌がっていた」

5着 ポートラヴ(小林淳騎手)
「大型で器用さがないうえ、意外と怖がり。でも、自分の形に持ち込めれば、このくらいがんばれる。流れひとつで、重賞でもいいところがあると思う」

8着 シビルウォー(蛯名騎手)

「芝スタートのこの距離は忙しい。付いていけなかったよ」

11着 クリールパッション(松岡騎手)
「この条件では脚がたまらない。コーナー4つがいいね」

・得意舞台で非凡な末脚を駆使し、キッチリと勝ちあがった。武蔵野Sで強豪相手に2着した実績は伊達ではなく、今後も東京1400~1600mでのレースではマークが必要。3着ダノンカモンは最後はキツくなったが、今回の東京ダートは差し有利の馬場だったことと、大型馬ゆえ叩いた効果で次走はパフォーマンスを上げてくる可能性は大いにあると見る。


by 研究員サトナカ