ケイアイデイジー他/平林雅芳の3歳戦ピックアップ

トピックス

土曜京都3R
3歳未勝利
ダ1400m
勝ちタイム1.24.6

勝ち馬
ノルマンディー(牡3、栗東・音無厩舎)

勝ち時計が1.24.6と、未勝利としては速いものをマークして勝ったノルマンディー。5ヶ月近い休養明けでの一戦であったが、スタートから先手を取ってそれもけっこう速い流れを演出しての快勝。どうやらダート適性が高い馬のようである・・・。

初出走馬が7頭。そのうちの2頭がゲートでアオって出た。外枠からスッとノルマンディーが出て行き、内からクエーサーも前へと出てきた。
最初の1ハロンは幾分様子を見ていたノルマンディーの川田Jだが、相手がそんなに行く気がないと見るや、もう2ハロン過ぎには先手を主張して行った。

3コーナー手前では2番手にビジュアルショックが上がった。3コーナーを過ぎて、先頭のノルマンディーは軽快に飛ばした。最初の3ハロンが34.7だが、1000通過も58.9と快ペースで行き、4コーナーでは2番手グループに差を開けてしまった。
その2番手グループは、ビジュアルショックにエーシンボルックスが並んでの追走となった。
直線に入ってもノルマンディーの勢いは止まらず、ゴールへと駆け抜けた。
さすがに最後の1ハロンは13.4とかかったが、ハイペースで飛ばしたものだけに仕方あるまい。
2着はエーシンボルックスで、同じ位置にいたビジュアルショックには5馬身もの差をつけて入ったが、前に強い1頭がいた。

ノルマンディーは、休む前の競馬がダート戦だった。そこで3着と適性を示していたもの。
持ち前のスピードで今回の押し切り劇。この開催での未勝利でも2番目に速い時計で勝ち上がった。
次回昇級しても、十分に楽しみにできるスピードだと言えよう・・・。


土曜京都5R
3歳500万下
芝1400m
勝ちタイム1.20.5

勝ち馬
マイネルカリバーン(牡3、栗東・加用厩舎)

休み明けの前走がプラス24キロ。それでいて、終いにいい切れを見せていたマイネルカリバーン。今回は一転しての逃げ競馬。やや激しい前半を乗り切って、後はひとり旅となってレコードのおまけつきで2勝目を挙げた。デビュー戦がエーシンダックマンの2着だったマイネルカリバーン。やっと軌道に乗り出してきた感じだ・・。

一番先にゲートを出ていったマイネルカリバーン。しかし内からエブリイニューデイビーチパーティー、そしてグレナディーンと、けっこう前へと出てきて、最初の1ハロンはやや厳しい流れとなった。
そこを乗りきったマイネルカリバーン。後続を引き連れながらの逃げとなった。
向こう正面から2番手グループの内めにグレナディーンで、外にフェブスカイが並ぶような態勢で進む。
そのまま4コーナーへと入ってきた。直線入り口でグレナディーンが外へ馬体を並ばせてきたがそこまで。残り1ハロン標識の手前から追い出したマイネルカリバーンだが、むしろ後続を突き放して行った。
完全にマイネルカリバーンの勝利が見えてきた。2番手グループがもがきながら耐えている時に、馬群の内目からアグネスティンクルが真っ直ぐに伸びてきた。なかなか目立つ脚色で、グレナディーンを内から差して2番手に上がったところがゴールであった・・。

マイネルカリバーンは、昨夏は470キロ前後の馬体で4戦を消化した。8ヶ月休んでの前走が498キロと大幅増となっての好走。そして今回のレコード勝ち。
前半3ハロンを34.3の入りで、上がりも34.6。この数字でレコードとなる馬場コンディションである。このタイムは直ぐにも破られるはずのもの。そんな絶好の馬場であるが、マイネルカリバーンもこれからますます良くなってくるだろうと思える体調のようだ。


土曜京都9R
葵S
芝1200m
勝ちタイム1.07.6

勝ち馬
ケイアイデイジー(牝3、栗東・山内厩舎)

何かスタートでごちゃつく感じとなった。そして激しい先行争いとなっていった。通常2ハロン目の10秒台は当然なのだが、3ハロン目まで10秒台のラップを刻む事は少ない。12.1~10.4~10.8と推移していく流れ。1000メートル通過が55.9はかなり速いものである。その流れを受けて、ゴール前でキッチリと差しきったのはケイアイデイジー。
ここ数戦の内容がすこぶる良く、当然と言えば当然の勝利なのであるが・・・。

最内を利して、トーホウプリンセスが出て行った。芝でもスピードは十分にある様だ。外からツルマルジュピターが前を伺い、3番手にケイアイブリザードが続き、しばらくは速い流れが続いていった。
3コーナーから先頭に、内トーホウプリンセス、外がツルマルジュピターの2頭が並んで行った。3番手ケイアイブリザードの外へカレンチャン、そしてブイコナンが追いついて来た。その後ろにエスカーダジュエルオブナイルと続き、その直後にケイアイデイジーがいる。

だいぶ前の2頭と後続馬が接近して4コーナーへと入って来た。前の2頭の外へブイコナンが追い付き並んでいる。
カーヴへと入って来た。前が3頭が並んでいる。その外へジュエルオブナイル。内ラチ沿いにはカレンチャンがピタッと張り付いていで、ジュエルオブナイルの直後にケイアイデイジーが上がって来ている。そして直線へ。

先頭を行っていた2頭が、もう一度脚を伸ばす感じで頑張っていた。トーホウプリンセスの内が開き、その瞬間にカレンチャンが入った。
ツルマルジュピターの外へは、ジュエルオブナイルが馬体を並べに行った。
残り1ハロンを切った。内からカレンチャンが出て、2番手はツルマルジュピターかジュエルオブナイルかと思った瞬間、外からケイアイデイジーがグイグイと伸びてきて、馬群をひと飲みして先頭に入った瞬間がゴール板であった。

大混戦のゴール前であった。ジュエルオブナイルとツルマルジュピターの間のスプリングサンダーも突っ込んできていて、5頭が折り重なるようにゴールへと入った。

一瞬はカレンチャン勝利の目もあった。それを差しきったケイアイデイジー。
どうやら、スタート直後が狭くなって位置取りが後ろになったようだが、3コーナー過ぎではもう内ラチ沿いで中団にいたし、4コーナー手前では少し外めに進路をとって先行集団の直後まで来ていた。
そして直線ではジュエルオブナイルの後ろにいたのだが、その外へ出すタイミングもうまくいって6番手ぐらいの位置にあがり、そこからの追い込みとなったもの。

ツルマルジュピターが、先行争いをした中での4着と惜しすぎる内容。
そしてもう1頭、スプリングサンダーの末脚。道中後ろの内め。上手く馬群の中を上がってきていた。ゴール前はそれこそスペースを探してから伸びたといった印象であり、惜しまれる脚色であった。

ケイアイデイジーはダートで2勝をあげてからの芝参戦。でも一戦ごとに内容が良く、完全に芝で、それも終い脚を駆使できての競馬内容と、文句のない上昇ぶり。
これからの戦いがますます楽しみとなる馬である。


日曜京都2R
3歳未勝利・牝
芝1400m
勝ちタイム1.21.0

勝ち馬
テーブルスピーチ(牝3、栗東・角居厩舎)

やはり勝利には好発が一番、そんなスタートの良さを生かした競馬で、久々をものかわ勝利に結びつけた、そんな印象のテーブルスピーチの勝ち方であった。
たった1頭の前走2着馬ニホンピロエリナが2着で、初出走の1番人気ミッドタウンレディが惜しい3着。タイムも優秀でけっこういいレベルの戦いだった様子だ。

初出走馬ミッドタウンレディのゲートダッシュが今ひとつだった。一番外のテーブスルピーチが好発のスタート。中からチキリパンドラクリーンダイアナが出て行き、それらを前に置く形での3番手に納まったテーブルスピーチ。内めからタガノサムアップも上がってきて、3コーナー過ぎでは3番手グループで並んでの追走だ。1000メートルが57.6と平均に流れるいいペース。
注目のミッドタウンレディはと見ると、中団の外めを引っ張りきりの手応えで追走。同じような位置だが、最内のラチ沿いをニホンピロエリナがいい感じで追走して上がって行った。

4コーナーを廻る時には、3番手の外めのテーブルスピーチの直後に、ニホンピロエリナが内から出てきて張り付いた。
そのすぐ後ろの外めに、ミッドタウンレディも上がって来ている、そんな位置関係であった。
そして直線へと入ってきて、残り1ハロンでチキリパンドラを交わして先頭にたったテーブルスピーチ。
その外めにニホンピロエリナとミッドタウンレディも並ぶように追い上げにかかってきた。

ちらっと外を見てから追い出したテーブルスピーチ。1ハロンを切ってゴールが近づくが、リードがグングンとせばまってきた。
追いかける2頭ではニホンピロエリナの伸びの方が良く、道中内々をロスなく通ってきている貯めが生きてきた。
ミッドタウンレディの伸びには鋭さがなく、ニホンピロエリナがテーブスルピーチにクビ差迫ったところがゴールであった。
その前の3頭の後を、外からデンコウセッカチがいい脚で伸びていたが、もうすでに態勢が決っていた感じだった。

勝ったテーブルスピーチは、休養前がダート戦のみ2戦。2ヶ月少しのブランク明けとなった今回が初芝であったが、むしろ好材料の感じ。
スタートセンスもいい馬のようで、前々で流れに乗り早めに進出しての勝利であった。
最後は久々の分かも知れない。でもタイムも悪くなく、最後の1ハロンも11.8であるのだから、決してスピードの切れが落ちている訳ではない。
次走昇級戦でも、おおいに楽しみな馬であろう。


日曜京都6R
3歳500万下
ダ1800m
勝ちタイム1.52.0

勝ち馬
パルラメンターレ(牡3、栗東・池江寿厩舎)

デビュー戦でソリタリーキングに信じられない脚を使われて、新馬勝ちを逃したパルラメンターレ。その後、順当に未勝利勝ちをして、昇級戦でバーディバーディに負けたが内容は濃いものだった。今回はその1戦から4ヶ月ぶりとなったが、やはりここでは能力が違っていた。

ゲートが開いてすぐに、パルラメンターレがダッシュよく先頭に踊り出た。
内からウインブシドウも前へと出て行き、外からトウカイパラダイスも楽に上がって行った。
1コーナー、2コーナーと、そのままの態勢で通過。2コーナーを廻って、少しペースを落としたパルラメンターレ。後続グループがグッとかなり接近して、スーサンストリームビーチランデブーも先行集団に取り付いてきた。
あまりの遅さにしびれを切らしたのか、ビーチパーティが向こう正面で外から一気に上がって行き、先頭を奪う勢いで一旦は前へと出た。
しかし、パルラメンターレが再び内から出て、先頭を譲らず。むしろ3コーナーではスイッチを入れなおした感じで出て行った。

少しずつ後ろとの間隔がまた開きだして、4コーナーも先頭で廻って直線に入ってきた。ここらで2番手グループが4頭ぐらい横に並び、一番外へエリモサプライズが上がってきた。
しかし前のパルラメンターレは、構わず先頭をキープ、そして追い出しにかかったのが残り1ハロン手前あたりから。左ステッキを1,2発入れて馬をうながした。そしてさらにもう1発ほどステッキを入れただろうか。

最後は手綱を押すだけの仕草でゴールを迎えた。
後ろでは、スーサンストリームが先に前に出たエリモサプライズを交わしてさらに前を追ったが、その差を逆転するまでには至れず。

ダート戦ばかりを使ってきたパルラメンターレ。これで4戦2勝2着2回である。
負けた相手が、ソリタリーキング、バーディバーディの2頭。共にダートでは部類の強さをみせる馬たちである。パルラメンターレも、ダートではかなり強い内容である。
3歳戦のダートは、この後にユニコーンSが6月6日の府中である。はたして2勝馬でどれだけの出走枠があり、どの馬が出れているのかだろう。
この馬もダート素質馬であるのは間違いないもので、古馬になってからも前述の馬たちとの切磋琢磨が続くものと推測される。


★次回注目馬

土曜京都1R
3歳未勝利・牝
ダ1200m

ワンダービーナス(8着)(牝3、栗東・領家厩舎)
(ポイント)
ここも初出走のこの馬。8着となったデビュー戦だが、大きくブレーキを踏んでのもの。4コーナー手前で前が4頭並ぶ直後を抜群の手応えで廻ったが、直線でいい感じで追い上げようとした時に前を走る馬が故障。
せっかくの勢いを止めざるを得ない競馬。そこからもう一度は利かないタイミングであった。たらればになってしまうが、あれが無かったらと悔やまれる程の直線への入る時の手応えが忘れられない。是非、次走こそはだ!

土曜京都5R
3歳500万下
芝1400m

アグネスティンクル(2着)(牡3、栗東・森厩舎)
(ポイント)
前2戦が、スプリングSとニュージーランドSと、オープン挑戦。と言うか、デビュー戦を勝利の後は、一貫してオープンで戦ってきたアグネスティンクル。やはりここではキラリと光るものがあった。
勝ったマイネルカリバーンが逃げ切りと仕方ないレース結果だったが、自身も直線だけでの追い上げ。馬場の内めから真っ直ぐに伸びてきていた脚がなかなか。もちろん、メンバー中最速の34.1を駆使。
自己条件が良かったのか、終い脚を生かす競馬がやっと実を結んできたのか、次走が注目だ・・・。

日曜京都1R
3歳未勝利
ダ1900m

ウインドミネーター(2着)(牡3、栗東・石坂厩舎)
(ポイント)
あまりない1900のダート戦。ゆったりとした先行ペースになるはずが、ウインドミネーターとアンコールワットの2頭が並んで先行する流れとなった。
2頭で後続を離しての逃げが、3コーナー手前まで続いた。4コーナーを廻っても、振り切って先頭を主張。
直線1ハロンでは一旦2馬身ぐらいの差を後続につけたが、最後はシルクマッドネスに差された。
だが最後の1ハロンも12.8とまとめていたものだし、一緒に先行していた1番人気のアンコールワットが9着敗退の結果をみても判る粘り。
次走の勝利は約束されたようなものだろう・・・。

日曜京都5R
3歳未勝利
芝1800m

エーラゴーデオ<(3着)(牡3、栗東・橋口厩舎)
プリンシパリティ(5着)(牡3、栗東・野中厩舎)
(ポイント)
エーラゴーデオは、前2戦とまったく違う内容。中団の外めでの追走であったが、直線で今までにない伸びを見せた。3週前に坂路で51秒台が出たように、休養前とはちと馬が違ってきた様子だ。
そしてもう1頭がプリンシパリティ。初出走馬にありがちなゲートタイミングの悪さがモロに出て、後方からの競馬。後ろの内めを走っていたが、坂の下りで少し外めに出して、4コーナーで大外へ出してきた。
そこでやや外へ流れるコーナーリング。しかし、そこからがまた凄いもの。直線半ばでは、内へもたれて鞍上が手綱をかなり矯正しているシーンが続いた。ゴールまでまともに追えないままで5着の次走出走権を確保。まともならばと思える競馬内容だった。
次走おおいに馬券を買ってみたい馬たちである。