プレファシオ他/平林雅芳の3歳戦ピックアップ

トピックス

土曜京都1R
3歳未勝利・牝
ダ1800m
勝ちタイム1.54.2

勝ち馬
スマートアルティラ(牝3、栗東・小崎厩舎)

道中の手応えが抜群だったスマートアルティラ。後方からの競馬であったが、向こう正面では内々を進んで行き、3コーナーでも馬群の真後ろでかなりな手応えでいた。
圧巻は、4コーナーを回って、直線半ばで最内から外へ出してくる芸当での勝利。速い流れに後押しされた事もあったのだろうが、ゴール前で抜け出た脚色は、ここでは力が違っていたという印象であった・・。

高倉Jピュアストーンが逃げた。2コーナーを回って行った時は少し後ろの馬と離れたが、向こう正面から3コーナーでは淡々と逃げた。4コーナーまで絡まれずに来たが、ちょっと流れが速かったようだ。
前半の1000メートルが1.01.6と、このクラスでは速いもの。2番手は終始ネオスペチアーレ、4コーナー手前では内々から3番手そして2番手にと、オモイカナウが上がってきた。
その後ろにはポロメリアラスティングソング、その外へモンテローザと並んでいた。さらにその後ろめを、後方から少しずつ位置を上げてきたスマートカルティラが続いて、かなり手応えよく追走しているのが見えた。

直線に入って、前は逃げ粘るピュアストーン、オモイカナウも喰らいついて前を追った。その後ろがかなり込み合っていて、5、6頭が固まっていた。
直後の最内を追い上げてきたスマートアルティラが、思い切って進路を外へと切り替えた。一番外まで出たスマートアルティラだが、前との差はまだけっこうあった直線半ば。

しかし、そこから岩田Jの体が躍動した。前へと詰めて、最後は逃げ込まんとするピュアストーンと、追いかけるオモイカナウの2頭の外を交わしきってしまった。最後は、1馬身以上の差をつけての勝利となった。

このレースでは2頭の初出走馬がいたが、もう1頭のリシアンサスは、最初は好位置にいたのだが、終いで脚をなくした様子。
勝ったスマートアルティラとは間逆な内容で、直線でのゴール前最後の2ハロンが、13.0-13.9とかかっていた。いかに流れが速かったかを印象づけるもの。
でも、勝ったスマートアルティラのレース内容は、展開に助けられたといったものではなかった。次走が大いに楽しめるものだ・・・。


土曜京都3R
3歳未勝利・牝
芝2000m
勝ちタイム2.02.1

勝ち馬
ネヴァーフェイド(牝3、栗東・藤岡健厩舎)

勝利の明暗を分けたのはは、4コーナーを内か外かの、進路の選択だっただろう。同じ位置ぐらいにいたサクラインスパイアとネヴァーフェイド。勝ち馬は内ラチ沿いをスッとまわって出てこれた。対して、サクラインスパイアは、馬群の中からやや外めに進路を見出した。
その差がハッキリと出た感じの結果となったが、4コーナーのコーナーリングも、勝負を分けた要因だろう。

逃げたノースアグネスが、先頭で4コーナーまで来た。その後ろがコンカランで、その内にネヴァーフェイド。
前半1000メートルを1.02.3とまずまず楽なペースで逃げて、完全に前残りの流れである。
4コーナーを曲がる時には前が5頭ほどが並んだ。逃げたノースアグネスにコンカラン、そしてプルメリアチャーム
その外にアダマス、さらにいい勢いで上がってきたクレバーオペラが並んだ。しかし、その後ろの位置するネヴァーフェイドが、なかなかにいい手応えで、そのすぐ外にサクラインスパイアが控えていた。

直線に入って、前の5頭からはコンカランが抜けてゴールを目指した。そして、開いた内めからスッとネヴァーフェイドが2番手に出てきて、ちょっと後ろと水が開いた。
その後ろのグループからは、クレバーオペラが伸びて来た。サクラインスパイアはやっと馬群を抜け出てきたが、前との差は大きかった。

先頭を行くコンカランにネヴァーフェイドが迫る。
最後の力を振り絞って粘るコンカランだが、追いすがるネヴァーフェイドの脚色は完全に優っていた。
並んで抜いて前に出て行き、全くステッキを使わずにゴールを目指した。
コンカランの後ろは、ちょっと離れてクレバーオペラが入って、サクラインスパイアは4着。5着には、内々から脚を伸ばしてきたセルシウスが入った。

最後の3ハロンが11.6-11.2-11.5と、決め脚勝負の競馬となった。
勝ったネヴァーフェイドが、一番の上がり脚。いかにロスのない競馬で力を発揮したかの結果である。
ただ本日で416キロの小柄な体。デビュー時の422キロ以上に大きくなってくる事が望ましいだろう。もっとも、小粒でも辛い印象の競馬内容ではあったが・・・。
2着のコンカランも今日が初芝。勝たれた相手が悪かったもので、この馬も次走は当然に注目だろう。


土曜京都9R
昇竜S
ダ1800m
勝ちタイム1.51.6

勝ち馬
プレファシオ(牡3、栗東・藤岡健厩舎)

結果からみれば、前へ行っている馬でなく、後方からの競馬をした馬ばかりが上位を占めたレース。何か、京都3歳戦の上位条件のレースはかなり混戦となるケースが目立つ。それだけまだまだ安定した力を残せないのだろうし、流れがちょっと乱れると、思いもしない結果になる感じは否めない。まだまだ若い面々だけに、能力と結果が一致してない可能性も多い。ゴール過ぎまで勝ち馬が予測できない一戦となったものであった。

スタート良く出て行ったのが、内のシゲルタダカツ。横に4頭ぐらい並ぶ1周めのゴール前あたりだった。1コーナーを回って、先頭はブレイクチャンスで2番手シゲルタダカツ、3番手にミッキーバラードが続いた。後方にホローポイントキラウエアが置かれる位置取り。
向こう正面に入ると、先頭のブレイクチャンスと2番手に上がったミッキーバラードの間隔はかなり差が開き、3番手にシゲルタダカツ、メイショウエバモアが並んだ。
ホローポイントが少し位置を上げて、中団の中ぐらいまで来ている。一番ドンジリに、1頭だけビッグバンが離れての追走となっていた。

3コーナーも先頭はブレイクチャンスがキープだが、2番手グループがだいぶ接近してきた。ホローポイントも外々を回って3番手グループの外めにいた。
4コーナーを回る時には、2番手グループの一番外に並ぶかっこうだ。
その後ろにキラウエア、そのキラウエアの勢いと前の馬との間隔が狭くプレファシオがやや外へ出しそこねた感じが見られた。もう先頭からドンジリまでそんなに差はなくなってきてはいた。

そして直線に入ってきた。満を持してホローポイントがミッキーバラードの外に並んできた。まだ手応えも悪くない。しかし、後続馬もかなり接近してきている。
キラウエアにプレファシオも前に急接近してきた。内めからは、ナリタスプリングの脚色が目立っていい。
前は、粘るミッキーバラードを抜いてホローポイントが前に出たかに見えたが、その時に後続馬がドッと押し寄せてきた。

内からナリタスプリングの伸びがかなり良く、一番前に出そうな脚色だ。
外からプレファシオが、前でキラウエアが続き、さらにその後ろから外をエンジンのかかったビッグバンが一気に脚を使ってきた。
そして、ゴールでは僅かに外のプレファシオが出て、内のナリタスプリングと外のキラウエアが際どい2着争い。ホローポイントは4着と、終いの伸びを欠いた。外からビッグバンにも差されそうだったが、何とか堪えていた。

1000メートル通過が1.01.4だからメチャクチャ速い訳ではないのだが、3コーナーに入る前あたりが一番遅くなったぐらいで、後は平均に流れていった競馬。
ちょっと早めに前を捕らえに行ったミッキーバラードにつられた格好になったのか、ホローポイントの動きも結果から見れば早かったのだろう。
最後の1ハロンが13.1とかかっているのが、このレースを物語る。

勝ったプレファシオは、これで3勝目をもダートで挙げた。母はまったくダートに使ったことのない馬。父方の毛色がハッキリ出ているように、ダート適性がかなり濃厚に出ているのだろう。
ユニコーンSへと進める資格を確保した様子である・・。


日曜京都2R
3歳未勝利
ダ1200m
勝ちタイム1.11.9

勝ち馬
シゲルシゲザネ(牡3、栗東・藤沢則厩舎)

いくら不良の馬場コンディションとは言え、このタイムで馬なりでゴールしたシゲルシゲザネ。それも積極的に前々での競馬でのもの。2着につけた9馬身差が全てを物語っている感じだ。

最内からプリンセスネージェが出て行ったが、シゲルシゲザネにホッコーイェーガーらも負けじと喰らい付いて行った。外にはローザペルラタイセイグリッターと、横に並んで前へと行った。
その激しい流れは3コーナーを過ぎても変わらず。
4コーナーを回る時は、また5頭が並ぶ始末であった。
最内は変わらずプリンセスネージュ、その外シゲルシゲザネ、そしてホッコーイェーガーにタイセイグリッター、パープルダイヤと譲らない各馬だ。

そんな中からシゲルシゲザネの伸びが良く、後続を離して行った。2番手グループがもがいているのを尻目に、ドンドンと楽な手応えのままひとりでゴールを迎えた。
当然、馬なりでのもので、9馬身差の楽勝であった。

もつれる2着争いは、いつの間にか外からオールザワールドが伸びてきて、単独での2着を確保した。
3コーナーではドンジリだったオールザワールドが、メンバー中最速の上がりをマークしていた。

シゲルシゲザネは、2戦前がメイショウトリノの2着。
この時が逃げての競馬で0.9秒差負けはしたが、勝ったメイショウトリノが昇級したすぐの一戦を楽勝して、ユニコーンSに照準を合わせている。
その比較からも、積極的に前で競馬をしたらいい馬のようだ。
いくら水が浮いたコンディションとはいえ、最後に追っていなくての9馬身差。追っていれば、簡単に大差勝ちともなっていたはず。昇級してもの、楽しみ十分な馬であろう・・・。


日曜京都5R
3歳未勝利
芝2000m
勝ちタイム2.05.8

勝ち馬
トップミノル(牡3、栗東・南井厩舎)

不良馬場となった芝コース。前のレースでも外からの伸びが目立っていい様に思えたのだが、このレースでは内めからスルスルと出てきたトップミノルが、直線も内ラチ沿いを楽な手応えでゴール。休み明けの競馬であったが、力強く抜け出た。次走がまたまた楽しみになりそう。

2000メートルの芝で、フルゲートの18頭立て。この馬場だけに、俄然前へ行った方が有利だとばかりに、けっこう前へ前へと行く馬が多かった。
先頭はラインカイザー、スタートから出て行った。短い距離を使ってきた馬だけに、先行力は十分。2番手にテイエムキャンドル。3番手にオメガキングコングと、1コーナーを回って行った。
2コーナーを過ぎ向こう正面あたりでは、先頭のラインカイザーはやや掛かり気味な行きっぷりだ。

けっこう縦に長い隊列になっている。前半の1000メートルは1.02.4とまずまずのペースか。3コーナーを過ぎたあたりで、2番手、3番手の手応えの方がやや怪しくなってきている。
4コーナー手前では、2番手グループにウインドプレンティが上がってきて、顔を覗かせた。人気のナムラビリオンも、その2番手グループの一番外めに並びかけてきた。

一気に馬群が固まりつつある。4コーナーのカーヴを回る時は、内めからトップミノルが出てきて、前を行くウインドプレンティに並びかけ、直線に向くや先頭まで踊り出た。
その抜けた後をルールステディーが通ってきて前を追う形だが、だいぶ差が出てしまった。その間に外から一気にリヴィアローズが脚を伸ばして2番手に上がった。しかし先頭はトップミノル、内ラチ沿いをステッキを1発ぐらい頂戴したぐらいで、後は流し気味のゴールであった。

トップミノルは、最初は中団の後ろぐらい、向こう正面ではリヴィアローズの前で、こちらが外に位置していた。でも3コーナーあたりから内へ進路を取り、そこから順位を上げて、コーナーは最高の形で迎えた格好で、コースロスのない競馬となった。
2ヶ月ぶりの実戦となったが、むしろ芯が入ったような感じの競馬内容である。
道悪に助けられだけでの勝利ではない脚のさばきの良さを感じたものであった。


日曜京都6R
3歳500万下
ダ1400m
勝ちタイム1.23.4

勝ち馬
ペガサスヒーロー(牡3、栗東・石坂厩舎)

前走が前を追いかけすぎて終いなくした感じとなったペガサスヒーロー。今回は前が速い流れで十分に脚を貯めて直線を迎えた。4コーナーも内めからの抜け出し、先に少し前で競馬していたトウショウカズンとの追い合いとなったが振り切っての勝利。やはりこの馬には終いを生かす競馬が合うようで、今後も活躍できそうな馬だろう。

好発はイッツアチャンス。スッと出て、先頭で芝からダートへと入って行ったが、ナムラアトラクトがダッシュをつけて先頭を奪った。やはりスピードの乗りが早い馬だ。それを追うように、ヒラボクソングが2番手に上がって行った。
3番手をイッツアチャンスが行くが、内からトウショウカズンが追い上げてきて内から並びかけた。
4コーナー手前では、2番手のヒラボクソングの手応えの方が先に怪しくなって、先頭のナムラアトラクトがまだリードを保ったまま直線へと入ってきた。
2番手に、内からトウショウカズン、その外へイッツアチャンスも上がってきていた。
ナムラアトラクトとイッツアチャンスの間に進路を取ったトウショウカズン。その瞬間に、すぐ後ろに接近していたペガサスヒーローが、そのまま内ラチ沿いを進出。残り1ハロンを過ぎたあたりで、脚色の衰えたナムラアトラクトを抜いて3頭が横ならびで追い合った。

内のペガサスヒーローと、トウショウカズンの2頭の伸びがいい。2頭が叩き合ってイッツアチャンスを離して行った。
首の上げ下げの勝負となったが、最後まで内のペガサスヒーローが前の態勢のままゴールとなった。
3着はイッツアチャンスが粘ろうとするところを、外からトイボックスが差してきて交わした。枠なりで、終始外々のコース取りとなってしまい、脚は残っているのだが、追い合いには参加できていなかった。

勝負のポイントは、4コーナーのところだった様子。
トウショウカズンが外へ進路を取った事で前がスムーズに開いて、終始内ラチ沿いを進めたペガサスヒーロー。
対して、そこで外へ進路を見出して勝負に出た田中博Jの判断も決して悪いものではない。ただそこが岐路となった勝敗の分かれ目。
でも、負けたとはいえ、トウショウカズンも未勝利といい今回のこのレースといい、1400の距離はピッタリ。
ナムラアトラクトが造ったペースは、前半1000メートルが58.4で1200メートル通過も1.10.8の速いもの。
ヒラボクソングも、追いかけて脚をなくした感じはあるだけに、今日の一戦だけで見限りは禁物だろう。けっこう楽しめた一戦であったと思うが・・・。


★次回注目馬

土曜京都5R
3歳未勝利
芝1800m

ナゲットスマイル(3着)(牡3、美浦・松山将厩舎)
(ポイント)
結果的には人気馬どうしの決着に終わったこの一戦だったが、内容的にはかなり大味な競馬でもあった。逃げたナゲットスマイルが造ったペースは、前半3Fを33.9、1000メートル通過を57.8と超ハイペース。離れた2番手を進んだテラフィールドが16着になる程の暴ペースを3着に堪えたナゲットスマイル。
1800芝の競馬とは思えないペースで行って、最後の1ハロンが13.1と完全に止まっていながらも3着。
調べてみると、前走のコメントで『怖がりな面がある』とジョッキーが語っていた。今日はその点を考慮しての逃げとなった可能性も十分にある。それでいてこの3着は内容あるもの。
小回りコースとかだったら、楽に逃げ切っていたかもと思えるだけに、次走とは言わないまでも、近いうちに勝利を手中に収める馬だろうと思える。

日曜京都2R
3歳未勝利
ダ1200m

オールザワールド(2着)(牡3、栗東・白井厩舎)
(ポイント)
シゲルシゲザネが好時計で6馬身差で勝ったレース。その2着馬なのだが、五分のスタートだったが、その後がダッシュつかず、鞍上の和田Jが押しっぱなしの追走。それでも3コーナー過ぎてもドンジリ。4コーナー手前でやっと取り付き、当然に大外へ。それもかなり外めを回るコーナーリングだったが、直線での伸びは素晴らしく、もうズブさも出ていなく鞍上のステッキに呼応して素晴らしい伸びを見せた。
しかし勝ち馬は、遥かかなた。でも最速の上がり脚を見せたし、次走は確勝ものではなかろうか。
もちろん、このレースでの勝ち馬シゲルシゲザネも、昇級しても即、通用の馬なりのゴールで、まだまだ伸びしろのありそうな馬であることも記憶していて欲しい。

日曜京都6R
3歳500万下
ダ1400m

トウショウカズン(2着)(牡3、栗東・領家厩舎)
(ポイント)
最後の最後まで、頭の上げ下げだったペガサスヒーローとの叩き合い。着差は頭だったが、かなり肉薄してのもの。あまりスタート自体は速くなかったが、押して前へと出て行って、3コーナーでは3、4番手の内めでいい位置を確保。4コーナーでは、逃げたナムラアトクラクトの外へ、インから進路を変えて前へと出て行った。
その直後を絶好の手応えで追走していたペガサスヒーローが、その開いたスペースにスッと入って最短コースを取って先頭に踊り出たもの。
そこが勝負の分岐点だったが、それでいてこの着差。
未勝利をこの距離で勝ち、今回もこの時計での好勝負。鞍上の田中博J領家厩舎の相性も、相変わらず抜群。この後も目を離せないないコンビであろう。