金鯱賞/平林雅芳の目

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土曜京都10R
金鯱賞(GⅡ)
芝2000m
勝ちタイム1.59.5
勝ち馬
アーネストリー(牡5 栗東・佐々木晶厩舎)

場所は京都競馬場。でも名称は例年の名古屋シリーズでの雰囲気のまんま。
だからなのか、いや京都だからよりそうなったのか、行った行ったの先行馬ペースでの結末である。
やはり前々でレースを造れる強みを持つ馬が、今年も金鯱賞を制した。逃げ粘るドリームサンデーを、2番手からアーネストリーがちょいと差したもので、休みを挟んでの重賞連勝である。
佐々木晶厩舎と佐藤哲Jは、タップダンスシチーでの3連勝とか、とにかくこの金鯱賞に強いコンビであるのは間違いない・・。

重賞を前走で勝っているのが、アーネストリーとアクシオン。ただ共に冬場から半年近い休み明けの一戦。やはり使い込んでいるナムラクレセントらの方が動けて結果を出しやすいはずと下馬評も低いムードであったが、いざ蓋を開けると、目の肥えた競馬通の馬券ファンはしっかりしていて、厳しい眼で1番人気にアーネストリーを支持していた。それに応えてアッサリと答えを出してしまうアーネストリーと佐藤哲Jだ。

スタートからスッと先手を取って出て行ったのがドリームサンデーで、アーネストリーは早めの2番手。
ナムラクレセントがやや行きたがって3番手。しかし前は淡々と進めて行き、1000メートルの通過が1.01.0とこれ以上ない流れを造っていった。
やや行きたがるナムラクレセント、アクシオンは好位置の4、5番手。スマートギアは、前回は最後方でも離れていたが、今回はソコソコついて行けている。
3コーナーの坂を下って、いよいよ上がりの速い流れ、しかし位置取りはそんなに変わらずにコーナーを迎えた。

前は小さくカーヴを廻り、後続馬は追い上げていく分で少し大きく廻る。それが直線で真っ直ぐになったときに、瞬時に差が開いてしまう。
後ろの組では、スマートギアがいい感じで上がってくるが、皆の外を廻ってくるだけに、グルっと廻った時にはまた差が出てしまう。
逃げ粘ってゴールを目指すドリームサンデーだが、アーネストリーがピタっとくっついて逃がさない。難なく交わして楽にゴールに入って、重賞連勝となったアーネストリーだった。

アクシオンは直線で一旦は3番手に上がったか、伸びたのもそこらまでで、そこから最後の詰めが出なかった。そしてナムラクレセントは、いつもの直線でもう一度伸びてくる渋太さもなく、末脚は不発。
そのナムラクレセントといい勝負ながら結果的にいつも後塵を浴びてきたスマートギアの方は、直線での伸びが鋭く、いい脚で外から3番手に上がってきたが、前々の決着ではここまでが精一杯か。

アーネストリー1着に2着ドリームサンデーの決着は、中日新聞杯と全く同じ。形もよく似たものであった。
金鯱賞という名前がそんな結果を呼ぶのか、まるでここは中京競馬場かと思えるレースの内容でもあった。
上位馬はこの後に宝塚記念に向かうものであろう。アーネストリーの前に行って粘り強い競馬は、実にいい武器となり得るもの。宝塚記念を盛り上げてくれる事だろうと思える・・。