ワイルドラズベリー他/平林雅芳の3歳戦ピックアップ

トピックス

土曜京都5R
3歳500万下
ダ1400m
勝ちタイム1.24.5

勝ち馬
ラガーリンリン(牝3、栗東・池添厩舎)

前のレースでも、この自厩舎のラインナップで3歳未勝利戦を勝ったコンビ。好発から積極的な競馬で勝利を掴んだ。けっこう速い流れを制してのもの。直線入り口で後続馬にアクシデントがあり、そんな喧騒を尻目に前々で競馬して、早めにゴールインのレースでもあった・・。

戦前の予想では、未勝利戦の内容から高倉Jのスナークヒロインが速く、ノルマンディー川田Jがそのスピードにどう対応してレースを進めていくものか、そこも見所かと思ってもいた。ところがゲートが開いた瞬間、ポンと好発のラガーリンリンが前に出て、内ではアンヴァルトもダッシュ力がある。中のノルマンディー、スナークヒロインの速さは目立つほどでなかった。
外から地方交流馬のスマートパワーも上がってきた。
スタートを出て1ハロンも行かないうちに、アンヴァルトが内から先手、2番手がラガーリンリンとなった。3コーナー手前ではそこへ外からスマートパワーも並びけっこうな流れに。
4コーナーへ向かう中間では、アンヴァルトが先頭、2番手ラガーリンリン、その後ろにスマートパワー、そしてノルマンディーにスナークヒロインといった隊列。前半3ハロンは34.5とけっこういいペースである。

4コーナーを廻る時には、先頭のアンヴァルトにラガーリンリンが並び、さらにその外へスマートパワーもしつこく迫ってきた。ただし、アクシデントがその後に起こった。内の2頭はそのまま直線へと入ってきたのだが、外のスマートパワーが手前を替えれないのか、小さく廻れていない感じだった。
その外へ来ていたスナークヒロイン、さらにその外へシャトーコジーン、さらにその外へシゲルケンシンが、進路を塞がられる形となってしまう。

スナークヒロインがその3頭の中では脚が残っていなかった感じだが、後の2頭はこれからと追い上げてきていたところ。
前を行っている2頭では、ラガーリンリンがアンヴァルトを振り切ってゴールを目指していた。
そこへ急追したのがシゲルケンシン。アンヴァルトを抜いて2番手に上がったところがゴール。もっとやれていただろうと思える競馬内容であった・・。

ラガーリンリンは早い時期にこのクラスでも好成績を挙げていた馬。前走芝では目立つものでなかったが、ダートならそんなに遜色ない成績の持ち主。今後も穴っぽく活躍するものだろうと推測される。


土曜京都9R
白百合S
芝1800m
勝ちタイム1.45.3

勝ち馬
ワイルドラズベリー(牝3、栗東・中尾秀厩舎)

先週のオークスを抽選負けで出走が適わなかったワイルドラズベリーだが、すぐさま勝利に結びつけるあたりの勝負強さ。3コーナーで馬群が凝縮された時でも、一番の手応えで目立っていたのがこの馬。
直線でのディオメデスとの攻防も、しっかりとした足取りで寄せ付けなかったもの。1500、1400、そして今回の1800芝と、どの距離にでも対応しての勝利である。秋のためにも大きな上積みをした戦いであったと言えようか・・。

2コーナーポケットからのスタートの、1800芝外廻り戦。以前は総じてスローな流れになり前を行く馬、もしくは内々のラチ沿いの経済コースを通る馬ばかりの決着ばかりだった。しかし最近は、けっこうそこそこ流れて、終いだけの競馬でも十分な結果が多くなった。
もっとも乗り手の意識なのだろうが、今回もけっこうなペースで前半が流れていった。内からエリモクイーンが出て行き、それを追うようにトランブルー、外からシャイニーナイトも前へと出て行った。スタートが今ひとつだったディオメデスが後ろ、その後ろの最後方がアマファソンである。

向こう正面ではけっこう縦長の展開。しかし3コーナーあたりでは、前はけっこう密集しだして、その馬群の一番後ろめに位置していたワイルドラズベリー。
3コーナーの坂を下っていく時でも手応えが抜群によく、目立つ感じだ。
4コーナー手前では、トランブルーが脱落して2番手シャイニーナイトの外へビートブラックも上がってきた。その後ろの馬の中にいるワイルドラスベリーがやはりいい手応え。
そこらで外へディオメデス、そしてその後ろにアマファソンも姿を見せはじめる。そして直線へと入ってきた。

手応えどおりにワイルドラズベリーが出てきて、その外にはディオメデスがいつものように終い脚を駆使してやってくる。
しかしワイルドラズベリーの脚色は乱れず、そのまま前半のリードを生かして押し切りを図り、結局は1馬身の差のままでのゴールとなった。
3着は、好位の4番手で競馬をしていたベストクルーズが、前の2頭から離されてゴール。

ワイルドラスベリーは桜花賞10着、その時に減っていた馬体も、今回はデビュー当初の数字に戻っている。これでひと夏越してまだ良くなってくるものだろうと推測される。
6戦3勝で秋を迎える事となるはずであり、2戦目でアグネスワルツに少し負けただけの内容からも、またの対戦が楽しみになるところであろう。
ディオメデスは、まだゲートとかいろいろな課題がある。でも非凡なものを持っている馬。しかし、今回で8戦とかなりな数を使ってきたが、能力を全開とまで行ってない感じ。
是非、秋には大きな処ところへ向かっていく馬になって欲しいと思える馬である、そんな春最後の一戦でありました・・・


日曜京都2R
3歳未勝利
ダ1400m
勝ちタイム1.24.4

勝ち馬
フィールドドリーム(牡3、栗東・石坂厩舎)

アストンマーチャンの弟といった血筋。デビュー戦2着で、距離も大丈夫と思えた同じ1800ダートの前走が敗戦。で今回は距離を1400に短縮して臨んできた。
するとそれに見事に応えて、4馬身差の快勝である。それも最後まで抑え気味でのゴール。やはり快速血統そのものなのか、今までと全く違う面というか、良さが出たレースでもあり、今後に大きく夢膨らむ勝利であった。

圧倒的人気に支持されたフィールドドリーム。一番内の初出走馬のメモリーパーミットがスッと出ない。外枠のヒロコファンタジーがいいスタート。内めでフィールドドリームもマズマズの出だ。
1ハロン行ったぐらいで、先頭は完全にフィールドドリーム。2番手ヒロコファンタジー、その後ろが4頭ぐらいがズラッと並ぶ感じだ。
3コーナーを過ぎて、4コーナーもそんなに離して行っている感じではない。それでいてペースは34.9とけっこう速い流れだ。

4コーナーも、2番手にヒロコファンタジーが追走して廻ってきた。しかし先頭のフィールドドリームは、全くの持ったまま。そして何もしないのに後続との差が開いていく、そんな感じであった。
1ハロンを過ぎても鞍上の秋山Jは抑え気味のまま。そのままゴールへと入って行った。
2着は、3コーナーから3番手グループの一番外へ上がってきていたライブリシーマ。3着はナムラジョイが追い上げてきていた。

フィールドドリームの最後の1ハロンは12.8。それを馬なりでのゴール。
追う展開になっていたら、どれくらいの数字を出したものなのか。
勝ち時計1.24.4も、素晴らしく速いもの。
前日にラガーリンリン(3歳500万下)の勝ち時計が1.24.5。上がりも0.5秒も速い。それも追ってなくてのもの。
だから3歳500万下に匹敵する内容でもあり、正直もっともっと速いものが出せただろう内容でもある。
実に楽しみな馬が出てきた感じだ。早くも次走が待ち遠しくなる馬であろうか・・・。


日曜京都6R
3歳500万下
ダ1800m
勝ちタイム1.51.6

勝ち馬
エイシンナナツボシ(牡3、栗東・坂口則厩舎)

前回からブリンカーを着用したエイシンナナツボシ。すでに現級で2着も3回している力を持つ馬だが、勝ちきるまでは行かなかった。
そして今回の積極策。最後は脚色もバタバタになりながらも逃げ切ったものだが、時計も当日の古馬1600万下に準じるもの。遅いぐらいの2勝目を挙げたものであった・・・・・。

スタートから押して押しての先頭を取りに行ったエイシンナナツボシだが、2コーナーを廻るまでには、そんなにペースは上がってはいない。しかし向こう正面に入ると、やや掛かり気味になったのか、後ろをいくテルミーホワイとの差が少し開いた。3コーナーを廻る時のラップは、1000メートル通過が1.02.0だから、べらぼうに速いわけではなく、平均ペースの逃げ。しかし、後続とはやはり少し離れてのものとなった。
4コーナーもそのままの態勢で直線に入ってきた。もう追い出しているエイシンナナツボシ、残り1ハロンが過ぎて鞍上の太宰Jが繰り出すステッキはかなりの数である。
4コーナーで好位の後ろにいたタガノジンガロがやっと迫ってきたが、前との差がかなりあって、抜くまで接近は出来ずじまい。何とか脚色が衰えながらも、1馬身残しての逃げ切りとなった。

ゴール前最後の1ハロンだけが13.0とかなりスピードは衰えてきていたが、そこまでは12.1~12.1のラップでの詰め。やはりブリンカー着用で、集中した走りを見せた。
未勝利をサンライズクォリアを負かして卒業した馬。そのサンライズクォリアは、今週のユニコーンSへ出走の力。
遅きの2勝めであろうエイシンナナツボシ。ブリンカーという武器を得て、これからの戦い方をも取得した格好。ライバル達をこれから追いかける立場となった・・・。


日曜京都7R
3歳500万下
芝1600m
勝ちタイム1.33.0(レコード)

勝ち馬
ドリームカトラス(牡3、栗東・佐々木晶厩舎)

3歳戦のマイル芝のレコードを更新した。8年前のそれを塗り替えたものだが。昨今の馬場状態を考えれば遅いぐらいの時計。平地戦の、それも4番手からスッと抜け出しての勝利で、レコードの勝利といった印象ではないもの。何せ、芝はどの競馬場も時計が要求されるものとなっている日本競馬である。

逃げたのが、前々走で先手勝利をしたマイネホコモモラ。前回がスタート後手から今一歩の競馬内容であったから、当然の積極策か。2番手がエトピリカ。前走が積極策で好走だったから、今回も同じような競馬となった。
そしてこれにピカピカテッタと、3頭が積極的に前へと出ていく流れ。その後ろにドリームカトラス、ロードセイバー、そしてペガサスキングビーが並び、その少し後ろにランリョウオーが外めにつける位置どりで、3コーナーを廻って行った。

4コーナー手前では前に5頭が並ぶ勢い。前の3頭が横並びになったところへ、ペガサスキングビー、そして本命馬のランリョウオーと接近。その直後に、最内にドリームカトラス、その外のロードセイバーが持ったままの手応えで、何か予感を抱く手応えで待機していた。
直線に入って外からランリョウオーがジワッと出てくる構え。
直線半ばでは、もうランリョウオーが先頭のシーン。しかし残り1ハロンのあたりで、一瞬のうちにドリームカトラスが出てきて先頭を奪いゴールを目指した。
4コーナーを抜群の手応えで廻ったロードセイバーだが、直線でなかなか馬と馬との間が広がらず、前へと出れず。手応えは残っているのに、それを発揮できる感じではなかった。プリムールが前に出て3番手に上がった後で、やっとスペースが開いたが、時すでに遅しの感じでちょっと惜しまれる4着であった。

結果的に前半1000メートルが57.4、6F通過が1.08.9と、先行馬には息の入りづらい流れとなった。
4番手の最内で決していい行きっぷりではなかったドリームカトラスだったが、その分で脚が貯まっていた感じで、先に抜け出たランリョウオーを一瞬の間に交わしての勝利。
3ヶ月の休みを終えて、これで未勝利、500万下と連勝である。それもレコード勝ちのおまけまでついてである。この休養の間に馬に実が入ったものと推測される。
まだ4戦のキャリアであるし、まだまだこれから楽しみが持てる馬であろう。
ランリョウオーは適鞍で勝ち切れなかったが、まだこの馬も5戦目。遅生まれの馬で、まだまだこれからしっかりしてくるはず。これもまた楽しみにしたい・・。


★次回狙える馬

土曜京都2R
3歳未勝利・牝
芝1600m

ファイヤービートル(5着)(牝3、栗東・佐山厩舎)
(ポイント)
勝ち馬は綺麗に逃げ切りの競馬だったこの牝馬限定戦。5着だったが、この馬の末脚が直線で目立っていたものだ。あらかた3ヶ月ぶりの競馬となったが、休む前の2戦はこれといった内容のない馬。いや2戦ともドンジリの成績の馬がである。
馬体も絞れていたのが良かったのか、直前のケイコが多少改善された感じはあったが、ここまで走るとは陣営も驚きだったはずである。
次走、どんな走りをするのかを見届けたい馬となった・・・。

土曜京都5R
3歳500万下
ダ1400m

シゲルケンシン(2着)(牡3、栗東・沖厩舎)
(ポイント)
直線入り口で、前で戦っていた地方交流馬のスマートパワーが手前を上手く替えられなかったのか、やや膨れ気味に廻ってしまった。そのアオリを喰った馬が3頭。前々で競馬していたスナークヒロイン、追い上げてきていたシャトーコジーン、そして一番外から追い上げてきていたシゲルケンシンであった。
脚色から、スナークはややバテ気味。一番外のこの馬が、もっともきつかったかも知れない不利。そこからあそこまで追い上げていった。
あそこがスムーズならば、勝ち馬にもっと肉薄していたかも知れないと思える不利、アクシデントであった。
何せ常に終い脚が目立つ馬である。いつでも終いだけで来ている成績であるが、流れに展開さえ向けば常にやれる馬と思える。今後も常に注意しておくべき馬だろう・・。

日曜京都1R
3歳未勝利・牝
ダ1800m

メイショウボヌス(2着)(牝3、栗東・浅見厩舎)
(ポイント)
勝ったスマートシルエットには追いつきそうもない脚色であったが、2着と上昇。それも4コーナーで最内から外へ出すまでの間がだいぶあって、待ち時間が長く感じるほどのものだった。
その間に勝ち馬はドンドンと前へゴールへと急いでいた時間帯。0.3秒差の2着であったが、前々走の新潟戦4着あたりから、ちょっと馬が変化してきつつあるようだ。
周囲から、今回がフロックと思われる次回が、まだ馬券的にも狙えるところかと思える・・。

日曜京都5R
3歳未勝利
芝1800m

スターダムオーラ(6着)(牡3、栗東・長浜厩舎)
ピットボス(3着)(牡3、栗東・中竹厩舎)
(ポイント)
実に順当に収まった未勝利戦であったこのレース。勝ったアカシックレコード、2着ヤマニンガーゴイルと、すこぶる順当な結末なのだが、惜しまれる内容と思えたのが、デビュー戦だったこのスターダムオーラ。
あまりいいスタートの位置でなかった。これは初出走だけに仕方ないもの。でも向こう正面で中団をいい感じで追走。4コーナーも外めを感じよく来ていた。ところが4コーナーのコーナーリングがあまり巧く出来ていなかった感じで、ロスある直線入り口であった。
ジワジワとした伸びに最後はなってしまった感じだが、馬っぷりといい、次走は大いにに変われそうだ。
そしてピットボス。新馬戦以来の競馬でのもの。
道中は勝ち馬の直後で、2着馬ヤマニンガーゴイルの外、4コーナーでもいい感じで追走していた。
直線で前が開いて勝ち馬の後ろを伸びて来ていたが、ジワジワといった印象ながら、最内を突いたヤマニンガーゴイルとはクビ差の際どいものであった。
8ヶ月ぶりの実戦で、体もまだ研ぎ澄まされたものではないはずでのもの。次走はいよいよエンジン全開といくだろうと推測される。