マーメイドS/平林雅芳の目

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日曜京都10R
マーメイドS(GⅢ)
芝2000m
勝ちタイム1.59.5
勝ち馬
ブライティアパルス(牝5 栗東・平田厩舎)

今年は雨の影響は受けなかったが、毎年荒れるレースのイメージが大きいこのマーメイドS。今年も人気はやや割れ気味。ただ先行有利なのは間違いがなさそうと読めるレースだった。そんな中でのスタートで、ブラボーデイジーがスタートで安めを売ってしまった。ダッシュ良くセラフィックロンプが先手を主張、ブライティアパルス2番手、テイエムオーロラが3番手で流れも落ち着き、結局、その前へ行った3頭がそのまま上位へ残る前残り競馬となり、今年もやっぱり波乱の結果となった・・。

逃げると思えたブラボーデイジーが、スタートを出て躓いた様子。最初からセラフィックロンプがいつもよりもっと前での競馬をするつもりだったのか、ポーンと飛び出して行った。ブライティアパルスが2番手は、最初から予定のポジション。3番手にチャームナデシコで、すぐ後ろにテイエムオーロラが続いた。ゲートを出て2ハロンめが10.6と、ここらあたりはちょっと速く感じる流れだったのだろう。しかし最初のカーヴを廻ったあたりから後は、ずーっと平均的な流れ。絶好の馬場コンディションでもあり、12秒台の前半のラップで流れた。ヒカルアマランサスは、レジネッタと同じぐらいの位置で、いつもより前がかり。ニシノブルームーンは中団での競馬。リトルアマポーラと前後する位置であった。

4コーナーまでほとんど後続の動きがないまま直線へと入ってきた。平均的に流れてきて、後続馬よりも前の馬の方が手応えがいいぐらい。それも先頭のセラフィックロンプの勢いが良く、2番手ブライティアパルスが必死で前を追うがなかなか差が詰まらない。それもそのはず、最後の3ハロンが11.8~11.5~12.1、まるで上がり勝負の様な切れ味を要求されるものとなっている。
何とかゴール寸前にクビ差交わしたブライティアパルス。セラフィックロンプの驚異的な粘りには苦労したが、重賞初制覇となった。3着はテイエムオーロラが踏ん張り、ニシノブルームーン、ヒカルアマランサスの追撃をこらえた。

1着から3着までが前へ行けた馬で53キロの斤量。先行する馬だけに、内々を廻るコースロスのないのも当然最後の詰めに出たはず。しかし勝ったブライティアパルスは、前走があのショウワモダンの3着。それも2着シルポートとはハナ差のもの。この距離で楽に前で競馬出来るのも良く、穴人気を集めていた。さすがにお眼が高い大勢のファンは、見過ごせない勢いを感じたのだろう。

そして2着セラフィックロンプの粘っこい競馬内容。今回で29戦目であるが、京都記念でいくら49キロの軽量であれ、ブエナビスタの4着は今思えば凄い成績なのだと感心させられた。
先行有利だけでは片付けられないこのレース。前々で競馬できる脚質を持った馬が能力を発揮したのだが、もちろん地力があるからの事。
ここらに推理の面白さがあるはず。競馬の奥深さをまたまた実感させられました・・。