平林2歳,観戦記(7/10.11)

トピックス

土曜阪神1R
2歳未勝利
芝1600m
勝ちタイム1.36.0

勝ち馬
エイシンオスマン(牡2、栗東・松永昌厩舎)

図抜けた人気となったエイシンオスマン。デビュー戦は相手が悪すぎた中身の濃い新馬戦。ここでは負けられない戦いとなった。スタート当初こそジワッと行ったが、1ハロンも行かないうちに先頭。そしてそのまま後続を引き付けてのレースで直線も気合を軽く入れた程度の完勝。初戦のレベルの高さがより判る一戦でもあった。

スタートから、内のタガノグレイグースがまず出て行き、それを交わしてマイネマグノリアが先頭に出た。そのすぐ隣りにエイシンオスマンが並ぶ。そして内をチラッと見て、相手があまり行く気がないのを見るや、エイシンオスマンがそのまま先頭に出て行った。1馬身、2馬身ぐらい前に出た格好である。しかしペースはゆったりだ。
3ハロンを行ったあたりで、2番手に外からエーシンチャージが上がりマイネマグノリアは3番手となった。35.5とペースはそんなに速くはない。4コーナーへ向かっていくあたりでは、2番手のエーシンチャージの外へスリーデビッドが並びかげんとなった。
そして4コーナーのカーヴへと入ってきた。ここらが先頭のエイシンオスマンに、2番手が一番接近した時であろう。前はいわゆる脚を貯めていた感じだ。そして長い直線へと入って来た。

直線に入っても、エイシンオスマンの手綱はまだ動いていない。内廻りの4コーナーのカーヴ地点を過ぎて残り2ハロンの赤い棒のあたりで、やっと鞍上がゴーサインを出した。この時に、外のエーシンチャージとは1馬身あるかないかの間隔。そこからスッと反応したエイシンオスマンは後続を離していく。残り1ハロンを過ぎて気合入れのステッキを一度入れたぐらいで、後は流し気味。それでも2馬身半の差となった。
上がり3ハロンが11.9~11.5~12.4。最後の1ハロンは余裕さえあっただけに、もっと時計は縮まっていたはず。
3着は、またマイネマグノリアが伸びてキープ。前へ行った4頭がそのまま上位入線の結果であった。
デビュー戦で負かされたアヴェンチュラがいかに強かったかが判る図式であり、またの再戦が待ち焦がれるものである


土曜阪神4R
2歳新馬
芝1400m
勝ちタイム1.23.4

勝ち馬
エーシンジェネシス(牝2、栗東・松永昌厩舎)

18頭とフルゲートの新馬戦。いかに先行力があるかが勝敗を握る。スタートから先手を取ったマルモセーラが際どく粘り2着で、3番手につけたエーシンジェネシスがゴール前でクビ差交わしての勝利となり、1番人気のディープインパクト産駒モスカートローザが猛追したが、クビ届かずのデビュー戦となった。

スタートは、中から外枠の馬たちが良かった。真ん中からマルモセーラが押して出て行った。一番外からモアグレイス。その間にレーガンもダッシュよく前に出た。エーシンジェネシスも行き足がついて、モアグレイスの内から前へと出てきた。ここらではオレンジとピンクの帽子の色の馬ばかりが並んだ。

1ハロンを過ぎて、先頭のレーガンの内からマルモセーラが前へ出た。3コーナーのカーヴへ入って行くが、前はそのまま外枠の馬ばかり。アドマイヤサガスが7番手ぐらい。先頭からは4馬身ぐらいの位置だ。その直ぐ内でダーズンローズクィーンオブライフが並んでいる。
モスカートローザはと見ると、まだまだ後ろの位置である。

そして残り800メートルの標識あたりで、外からモスカートローザが勢い良く上がっていった。しかし前は団子状態。
4コーナーのカーヴにかかる時には、最内がマルモセーラ、その外にレーガン。さらに外にエーシンジェネシス、その外モアグレイス、その外にアスカノバッハと、ピンク帽が3頭ならび加減。その直後のグループに、ラチ沿いにメーンテーブル、その外セイプロスペリティ、外がアドマイヤサガスで、その外へモスカートローザである。
そしてカーヴを廻って直線に入ってきたが、一番外のモスカートローザの番手が大外だけに、中団以下となってしまう。

残り1ハロンにかかるあたりで、先頭は内ラチ沿いのマルモセーラが1馬身ぐらいのリード。その直ぐ傍にエーシンジェネシス。そして少し水が開いて5、6頭が固まる馬群の中から、アドマイヤサガスとその外にモアグレイスが並んで出てくる。
そして、追いついてきたモスカートローザが、1馬身遅れぐらいで一番外に顔を出してきた。
ゴールが近づくにつれ、先頭のマルモセーラのリードがなくなり、エーシンジェネシスが接近、そして交わして一番前に出た。その時にやっとモスカートローザが鋭く伸びて来た。しかし3番手まで。クビ、クビ差の上位3頭であった。

1、2着は前々で競馬出来た2頭、一番いい脚で凄い内容なのがモスカートローザ。1、2、3着ともに牝馬。
エーシンジェネシスは、僚馬エイシンオスマンと芝で併せたりしていた馬。この2週での坂路も及第点以上のタイムと動き。機動力をいかんなく発揮しての新馬戦の勝利であった。
新馬戦に限らず、前々で競馬できる有利さを感じる一戦でもありました。


日曜阪神4R
2歳新馬
芝1800m
勝ちタイム1.50.3

勝ち馬
ショウナンマイティ(牡2、栗東・梅田智厩舎)

パドックでオッズ掲示板を見ていて、アルゴリズムのあまりの人気に驚いた。今時の新馬戦で、これほどまでに集中するものなのかと思えた程であった。
返し馬で出来るだけ各馬のキャンターをもジックリと見たが、それでも難しい新馬戦の印象は拭えなかった。
勝ったショウナンマイティは、直線でもステッキを一度も使わずでのゴール。着差以上の強さであり、逆にアルゴリズムを始め、力を出せずじまいで終わった馬が多かったのではなかろうか。
新馬戦の難しさ、若いサラブレットのデリケートな精神力を感じるものでありました。

小雨が振り出した阪神競馬場。でも芝は良馬場発表だが、何とも言えない馬場コンディションの新馬戦。
ややゲートの出が悪かったのが、アドマイヤネアルコ。中からシゲルジュウヤクが一番の出。しかし外からドリームガンが出て行く。3、4番手にローザディアマント。中団の外めにショウナンマイティ。その直ぐ後ろの内めにアルゴリズムが続く位置取りで、前半3ハロンが35.7と、距離1800のわりにはまずまず流れている。

3コーナーを過ぎて残り1000メートルの5ハロン標識あたりでは、先頭のドリームガンのリードが3馬身ぐらい。2番手シゲルジュウヤク、そしてトツゼンノハピネスと続くが、縦に長い流れとなっている。一番後ろではかなりの差があった様子。
4コーナーへと入って行くあたりで、ペースがかなり落ち着いてきたのか後続馬との差がかなりなくなってきた。カーヴを廻るあたりで、先頭のドリームガンにトツゼンノハピネスが接近し、その外にソーラーセイル、その3馬身ぐらい後ろにショウナンマイティがいて、直後にアルゴリズムとヴィクトリースターが位置する。

直線に入ってきて、だいぶ前の馬の勢いが止まりだした。まだ先頭はドリームガンだが、トツゼンノハピネス、ソーラーセイルが接近、その横にローザディアマント。そして一番外にショウナンマイティが上がってきた。後1ハロンにかかるあたりでショウナンマイティの勢いが一番いい。その内のローザディアマントの伸びを完全に上廻る。直後をダンテスクが伸びてきている。しかしアルゴリズムはいっこうに上がってくる気配がない。アルゴリズムに伸びてくる感じがない。
前ではショウナンマイティがしっかりした伸び脚でゴールを目指す。その内で必死にローザディアマントが追いすがるが、交わす勢いではなかった。そして、3番手にダンテスクが上がっていた。

ショウナンマイティは、4コーナーでは外へ逃げ気味なのか、鞍上の浜中Jがしきりに右の手綱を引いているのが、パトロールビデオで判る。そして直線では一度もステッキを抜いていない。最後は内をチラっと見てのゴール。
ゴールから最後の2ハロンめが10.9のトップスピードである。ショウナンマイティが前の馬に並び先頭に踊り出ようかのところでの数字だ。
切れのあるショウナンマイティの勝利であった。

3着のダンテスクも、道中はショウナンマイティの内めに位置していて、なかなかの切れを見せて追い込んできたもの。そしてディープインパクト産駒のヴィクトリースター。アルゴリズムと同じような位置にいたが、直線で外へ出してからの伸びはなかなか良く、前に届きこそしなかったが、目立つ内容であった。
しかしアルゴリズムは、直線でもまったく伸びる素振りも見せずに終わった。新馬戦だけに仕方ないといえば仕方ないのだが、実に難しい若駒の戦いである。


★次回狙える馬

土曜阪神4R
2歳新馬
芝1400m

モスカートローザ(3着)(牝2、栗東・池江寿厩舎)
(ポイント)
434キロと、小柄なディープインパクト産駒のモスカートローザ。五分にゲートを出ているが、その後が行けていない。18頭もの多頭数競馬で、あの後ろから3番目ぐらいの前半の位置取りでは苦しい。それでも3コーナーから4コーナーの間の上がっていく脚には見どころ十分。
しかし、4コーナーも前の馬が広がって廻るだけに、自然とまた位置取りが後ろとなってしまう不利。全てが悪いほうに出てしまったデビュー戦となったが、脚は十分に見せてくれた。次走はスタートから違ってくるだろうし、楽な競馬が出来るはず。どこでいつ使ってくるのか、未定ながら楽しみに待つこととしたい。

土曜阪神7R
3歳未勝利
芝1800m

ブルームウインド(4着)(牝3、栗東・宮本厩舎)
(ポイント)
このレースで2着した初出走のエクスペディションも、当然、次走はおおいに期待がかかるものだが、流れや数字面から押しておきたいのが、このブルームウインド。
1000メートル通過が58.6とちょっと速い流れを演出。離れた2番手を進んだビッグウィークが、直線で自然に先頭に立って押し切った一戦だが、0.8秒差の4着と粘っていたブルームウインドが、次走はマイペースでの競馬ができれば当然に勝ち負けとなるはずである。特に牝馬限定戦とかだと、かなり有力な馬となるかも知れない。

日曜阪神1R
3歳未勝利・牝
ダ1800m

フラワーガイア(2着)(牝3、栗東・藤岡健厩舎)
(ポイント)
ブルーモーメントの2着の今回だが、4コーナー入り口では前のグループの中では一番に手応えが悪く、鞍上が随分と押しつけていたもの。その上、直線半ばでは内から上がろうとしていたカワカミショコラと馬体が接触してしまい、一旦ひるむような感じもあったぐらい。しかし、その後にまた伸び出していたゴール前だった。今回のような速い馬場よりは、時計のかかるところがいいのかも知れない。カラカラ馬場の小倉あたりが、なおいいかも。

負けた相手が、圧倒的人気のヒーローでは仕方あるまい。それでもゴール寸前まで粘りに粘ってのクビ差の大接戦だ。それも3着には8馬身もの水を開けた。今回が8ヶ月ぶりの実戦となったニホンピロワルターであるが、馬体も28キロ増と数字面ではかなり重めなもの。でも中身がしっかりとしてきた様な実戦ぶりであった。
次走はもっとやれてくれそうであり、おおいに期待して良かろうと思う。

日曜阪神5R
3歳未勝利
芝1400m

キョウワマグナム(2着)(牡3、栗東・鶴留厩舎)
(ポイント)
4コーナー手前から勝ち馬のすぐ後ろ。追いかけるように出ていき、直線もなかなかの伸びを見せていた。このキョウワマグナムも8ヶ月ぶりの実戦となったが、返し馬のキャンターからなかなかいい走りを見せていたものである。
今日は勝ち馬の勢いには敵わなかったが、休養で馬がしっかりとした様子は伺える。次走はもっと動けるとみている。