北九州記念/平林雅芳の目

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日曜小倉10R
北九州記念(GⅢ)
芝1200m
勝ちタイム1.07.1
勝ち馬
メリッサ(牝6 栗東・佐山厩舎)

新潟よもやのドンジリ負けを喫してしまったメリッサだが、小倉では違うぞとばかりに直線鋭く伸びて快勝。夏女ぶりを発揮した。
鞍上の福永Jもこれまた絶好調で、この暑い夏を楽しく謳歌している感じだ。

前半3ハロンの32.1という数字は、おそらく関西では初めてではなかろうか。そもそも関西の競馬で33秒を切る速い流れを演出する事自体がこの近年ない事。
まして32秒台前半の猛烈な速さだ。でも実際に見ている者にはそれほど速いなと感じるものでもない。

やや真ん中の馬たちが、ちょっと速いかなと思えるぐらいにほとんど五分にスタート。
ケイティラブが押して押してハナに立っていった。コウエイハートデグラーティアの内から先頭に立ったのが1ハロン過ぎたあたりだが、そこらではもうケイテイラブは楽な先手。ここまでが11.6だから少し速い程度のラップ。ただ誤算だったのは、2番手コウエイライトが半馬身差でついてきた次の1ハロンが10.0と速すぎたこと。
3番手デグラーティアが1馬身と水を開けて下げている。

そのまま3コーナーのカーヴの残り3ハロンのところに入った。この間が11.5とやはり速い。テグラーティアの後ろには外がショウナンカザン、内にマルブツイースターが続くが、その後ろはかなり馬群が固まっての追走となっている。前はむしろ間隔が狭まって、残り2ハロンの4コーナー手前では、ケイティラブの外に並びかける様にコウエイハート、その外に半馬身差でショウナンカザン、さらにその外にスカイノダンがやはり半馬身差。内ではラチ沿いにデグラーティアが絶好の3番手、その直後にエイシンエフダンス、マルブツイースターと続く。

エーシンエフダンスの外めが前から5頭目ぐらい。ここにサンダルフォンレディルージュが接近してきている。この間のラップが11.2である。
そして直線に入ってきた。カーヴを曲がった途端にケイティラヴ、コウエイライト、ショウナンカザン、スカイノダンと4頭が並び、一番最内をついたデグラーティアが半馬身差で前もパカッと開いていて、最高のポジションと思えた。実際に少し行って残り1ハロンのところでは、ケイテイラブの内からデグラーティアの体が前に出た。
と思う間もなく、外のショウナンカザンとケイティラブとの間からメリッサが一気に出てきて交わして前に出て行く。
必死で粘るデグラーティアだが、外からスカイノダンの脚色がいい。その少し先のゴールでは、サンダンルフォンと大外からストリートスタイルにも先んじられて5着であった。

見た目にはそうは思わなくとも実際は速いペース、ケイティラブの速さはさすがであり、その流れに知らずしらずに付いていってしまったデグラーティアが直線最後に伸びを欠いたのが流れの速さの証明だ。
メリッサの今日は、ゲートをケイティラブより先に出ているぐらい。その後も中団の内めでじっとしている。ここらが自分の位置取りでマイペースなポジションなのだろう。
4コーナーのコーナーリングでやすやすと5番手ぐらいまで進出、ショウナンカザンの外へ行かずに内へ入ってきてと、進路の取り方も迷いなく決った感じだ。そして一瞬の間に先頭に立ち後はゴールまで流しての半馬身差と快勝であった。

昨年のこのレースでも同じ52キロだったが、位置取りが今年の方が断然にいい。良かれと思って行った前走の新潟アイビス・サマーダッシュでは、最後の1ハロンでもう戦意喪失なぐらいに脚色がなかった。
直線競馬が合わなかったのとしか言いようのない負け方だった。
この中間もなかなかいい動きを見せタイムも上々、流れにも乗り持ち味を最高に出せて重賞挑戦5回目での勝利。
福永Jとのコンビで、小倉1200芝でこれで2勝、それも強い勝ち方で重賞をもぎ取った。
馬も人もこの夏、絶好調といっていいだろう。