平林雅芳 2歳観戦記(8/28.29)

トピックス

土曜小倉1R
2歳未勝利
ダ1000m
勝ちタイム59.7

勝ち馬
アスカノバッハ(セン2、栗東・川村厩舎)

小倉でダート路線に変更して3、2着と上昇中のアスカノバッハが楽勝。2着に5馬身もの差をつける軽快な逃げ切りで初勝利を飾ったが、それも最後は追ってないでのものだけに評価は高い。

スタートでちょっとアオり気味で出た瞬間の番手が悪かったシゲルコモンが、押して押して前に並んできた。すでに先頭に立つ勢いだったアスカノバッハに並びかけて前へ出ようかの勢いだったが、相手も引かぬ構え。少し控えたらもう4番手となる。外でマルサンライナーに一番外からマキハタファントムが押して前に出ていた。
先頭のアスカノバッハはもう単騎先頭で進めていく。3コーナーを過ぎて4コーナー手前で少し息を入れていたのか、アスカノバッハの外にマルサンライナーが並びかけ、後ろのマキハタファントムも2馬身ないぐらいの間隔である。しかし直線に入ってきてすぐに、アスカノバッハとマルサンライナーの差が広がリ、直後のマキハタファントムとの開いた隙間にシゲルコモンが入って上がってきた。
残り1ハロンのところで、アスカノバッハの左ムチが飛び、それに促されたかの様に、そこからまた差を広げにかかった。
完全に2番手にはシゲルコモンが上がり、内で粘るマルサンライナーの外からチーフミッチーが伸びてきて交わした。さらにその後ろでシゲルカンサヤクが、もの凄い脚色で伸びて来ているが、もう時間がない感じだ。

最後の30mぐらいは流し気味のゴールだったアスカノバッハである。だから最後の1ハロンが13.1もかかっているのは気になるものではない。むしろここを追う流れなら、あとコンマ5秒は短縮となるはず。
5着シゲルカンサヤクの伸びが目立ったが、これが意外と次走に繋がらないケースがあるので、ここは流しておこう。アスカノバッハを前走で楽に交わしたタガノロックオンのダート適性は、2歳馬としては恐ろしいものがある様に改めて思い知った感じだ。


土曜小倉2R
2歳未勝利
芝1200m
勝ちタイム1.08.6

勝ち馬
エーティーガンダム(牡2、栗東・湯窪厩舎)

今日は勝ったと直線半ばでも確信させる脚色だったキミニアエタキセキ。しかし、あともう少しというところで止まりだし、2番手追走のエーティーガンダムがクビ差交わして勝ち名乗りを挙げた。

外のフレンドハーバーが好スタートを切って前に出ていたが、それこそ楽な感じでキミニアエタキセキがスッと出て行った。枠順を利して、最内からサカジロゴールドが出てきていたが、1馬身ぐらいのところまで。そこで最内に入っての先行となったキミニアエタキセキ。外のエーティーガンダムが2番手に上がって来ている。
3コーナーを過ぎて、2番手エーティーガンダムに1馬身から2馬身までの間隔を開けてキミニアエタキセキが軽快に逃げていく。ここらで3番手にナムラエバーグリンが上がり、4番手にサカジロゴールドとなった。
4コーナー手前では2番手グループ以下の手応えの方が先頭より悪い。キミニアエタキセキはまだ余裕の手綱である。ちょっとカーヴをまわる時にひと息入れていた様子のキミニアエタキセキと、押しているエーティーガンダムとの差が1馬身ないぐらいのものになっているが、まだ余裕の手応えのキミニアエタキセキである。

そして直線へと入ってきた。残り1ハロン手前では、2馬身と水が開いた様子のキミニアエタキセキとエーティーガンダムの差。やや内へもたれ加減のキミニアエタキセキだが、脚色も衰えていないし、後ろのエーティーガンダムの方が終始追いっぱなしであるから差は縮まらないと思えた。ところが、ゴールがもうすぐ目の前という所で立場が逆転。外のエーティーガンダムの態勢が良くなり、キミニアエタキセキが止まりだした感じである。

見た目にはそんなに速くないのに、数字でみると前半3ハロンのラップが33.0で800メートルも44.5と、見た目以上に速い流れとなっている。ここらにキミニアエタキセキの問題があるのかも。
そしてエーティーガンダム。前走が意外とだらしなかったのだが、今日は渋太い面を見せてくれた。外へ逃げ気味だったところも矯正されていたし、タイムも初戦時から縮めた。追う立場の方がいい馬なのかも知れない。
3番手に上がってきたエーシンチャージも、小倉滞在でケイコを手控えてのもの。もっとやれるはずだけに、連闘で出てくるのなら警戒が必要か。


土曜小倉9R
ひまわり賞
芝1200m
勝ちタイム1.09.8

勝ち馬
テイエムキューバ(牡2、栗東・小島貞厩舎)

直線に入ってきた時に後続との差を確認して馬場のいい外へ出す余裕のテイエムキューバ。結局2着パティオに5馬身と影をも踏ませぬ差で九州産チャンピオンに輝いた。馬単で300円のガチガチの本命戦であった・・。

そんなにゲートの出が速いわけではないテイエムキューバ。しかし鞍上が押してからの二の脚が速い。スッと半馬身、1馬身と後続との差が広がっていく。内でテイエムオイチもいい先行力。外からテイエムキューバが前に出たのを見て、手綱を絞った。外からクリノマキバオーが2番手に上がり、そして前のテイエムキューバがあまり行かないと見たのか、ちょっと前へ出ようかという姿勢を見せた。それが、しかしまた内のテイエムキューバが勢いつけて行きだすとジワッと抑えタ。
2ハロンを過ぎるあたりで、もうテイエムキューバとの差は2馬身ぐらいか。今日はパティオのスタートも悪くなく、前から7番手ぐらいの位置に付けている。3コーナーを過ぎて2番手のクリノマキバオーとの間隔もそんなに変わらずで、先頭のテイエムキューバは軽快に飛ばす。3番手が外にカシラノラム、内にテイエムオイチ、その間にコウエイライトが顔を出してきた。直後にパティオがやや外めに進路をとって上がってきている。

4コーナーをまわって直線に入ってきた。内ラチ沿いを走っていたテイエムキューバだが、やや斜めにカーヴを出てきて後続をチラッと見て、さらに外へ出す。もう後ろとは3馬身近い差となっている。
2番手には最内でテイエムオイチがクリノマキバオーを交わして上がった様だが、外からのパティオの脚色がいい。
残り1ハロンのあたりで、テイエムキューバの鞍上が右ステッキを一発入れて最後の気合入れをして、その後は手綱をしゃくるだけでゴールを目指す。後ろで内のテイエムオイチを交わしてパティオが2番手に上がっていた。
2着馬に5馬身差の圧勝となったテイエムキューバ。初戦の新馬戦が4着で、1.09.2であり、次の九州産未勝利が1.09.4の勝ち時計。そして今回のひまわり賞が1.09.8と段々と遅くなっている。
やはり九州産の中では図抜けた存在である。まずはいい夏を過ごせたようである。


日曜小倉1R
2歳未勝利
芝1200m
勝ちタイム1.09.1

勝ち馬
マスターグレイマン(牡2、栗東・山内厩舎)

前半は顔を出していなかったが、3コーナーから外を上がっていく勢いがちょっと違っていたマスターグレイマン。ゴール前で2完歩ぐらいで先にいたレーガンを楽に交わしてのゴール。使った脚が34秒5と、他馬とはまったく違う脚色でもあった。

レースの主導権はレーガンが握った。好発から前に出ていたが、内から出てきたビルケンハンマーを先にやり2番手に付けた。3コーナーからもつかず離れずで、4コーナーでは馬体を並ばせにかかったが、まだまだ手応えも十分。直線に入ってきても、内のビルケンハンマーを離しにかからないなと見ていたら、どうやら内へもたれ出している様子。だからなのか、鞍上の石橋Jもまだゴーサインをしゃかりきに出している感じではなかった様子。
内のビルケンハンマーもまだ粘っている残り40メートルあたりで、外から勢いがついて上がってきたマスターグレイマンの馬体が見えたところでゴーサイン。しかし相手の勢いが違い過ぎた。あっという間に前に出て差を広げて行った。

3着ビルケンハンマーには2馬身差の水を開けているのだから、勝った相手が悪かったと思えるレーガンのレースぶりであった。そのマスターグレイマンだが、スタートは五分に出ているがそんなに速くはない。だから最初の位置は6、7番手ぐらいのところ。でも3コーナー過ぎあたりから外を上がっていく脚色は目だっていて、4コーナーをまわる時はもう先行グループの直ぐ後ろまでとりついていた。

前半が34.1、上がり3ハロンが11.6~11.7~11.7である。そんなに速くもないけれども、終始流れているペース。何せ、後続から押し上げてきたのはマスターグレイマンただ1頭。
1頭だけが抜けた脚を使った、そんな印象であった勝ち内容。
けっこう面白い馬になりそうな予感のするマスターグレイマンの勝ち内容であった。


日曜小倉4R
2歳新馬
芝1200m
勝ちタイム1.11.0

勝ち馬
オウケンウッド(牡2、栗東・小崎厩舎)

道中2番手、4コーナーから直線に入ってくる時に持ったままの手綱であったから、これは楽勝と期待を抱かせたオウケンウッドの走りだが、意外に意外、そんなに伸びない。タイムも1.11.0とちょっと遅いもの。相手にあわせてしまったのか、派手なものは出なかったが。とりあえず圧倒的一番人気に応えてのデビュー勝ちを評価か・・。

外から先手をとったシゲルヒラトリの2番手、それも楽な手応えで追走のオウケンウッド。前半3ハロンが35.6と、新馬戦としてもかなり遅い流れだ。3番手の外めにシッポナが続き、その後ろにガルネリ、そしてまた3頭ぐらいが横並びで続き、シンボリストームがその中にいた。先頭から半馬身ずつで続く追走グループで、3コーナーを過ぎて4コーナーへと向かった。

カーヴの手前にある残り2ハロンの400メートル標識では、先頭のシゲルヒラトリに並びかけるオウケンウッド。後続馬もグンと差を縮めてきている。カーヴをまわって直線に入ってきたが、もう先頭はオウケンウッドが立っている感じだ。後ろにシッポナが続き、その外めにガルネリが取り付いてきている。しかし先頭のオウケンウッドが持ったままの余裕の手応えである。
残り1ハロンのところからオウケンウッドの福永Jがゴーサイン。左ステッキを入れて追い出し始めて、ステッキが2、3発、それに応えるように内のシゲルヒラトリとの差を広げにかかった。
1馬身ぐらい抜けたあたりでガルネリと併せ馬になったシンボリストームが、ゴール前で少し伸び出して2着を確保したのが見えた。シゲルヒラトリが4着であった。

スタートして3ハロンめから図ったかのように11.8のラップが続く。都合4ハロンが同じペースでの推移。追い出しての最後の1ハロンまでがまったく同じ11.8とはちょっと驚きだ。持ったままの4コーナーと、最速であるはずのゴール前が同じペースとは。だからタイムが地味だったのも判る。派手さのない新馬戦ではあったが、2着のシンボリストームの方が道中の位置取りとか考えると内容的には上廻るものであった。
でも新馬勝ちはオウケンウッド。勝負強くデビュー戦を飾った事は大きく、これから更なる磨きをかけて行ければ、また違った感じも出てくるのかも知れない。そんな新馬戦でありました。