トレセンレポート【府中牝馬S】ニシノブルームーン

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高:先生、ニシノブルームーン(牝6、美浦・鈴木伸厩舎)が府中牝馬ステークスに出走されますね。調子はどうですか?

鈴:調子は良いですよ、順調です。

高:前走はマーメイドステークスでしたけど、レース後の様子はいかがでしたか?

鈴:レース後も疲れは無く元気一杯でしたよ。去年のマーメイドステークスの後はちょっと疲れていましたけど、今年は疲れが見られませんでした。

高:その後、夏はどのように過ごして来られたんですか?

鈴:北海道の西山牧場で過ごしました。今年は元気があって、去年よりは牧場での乗り込みも凄く多かったので、美浦に帰ってきたときから良い感じでした。牧場から帰ってきて10日くらいで初めて時計を出しましたけど、坂路で50秒台が出ましたから。

高:凄いですね。

鈴:調整をしやすかったですよ。あとはどれだけ控えていくか、という感じでした。

高:調教をやり過ぎないように、ということで。今年は北海道でも暑かったですよね。ブルームーンのカイ食いは大丈夫でしたか?

鈴:大丈夫ですよ。一番大きいときで530キロくらいになりましたからね。今日(10/13・水)の時点では490キロくらいだったので、レースには480キロ台で出走すると思います。

高:秋初戦を府中牝馬ステークスにしようと決めたのはいつ頃だったんですか?

鈴:マーメイドステークスが終わってすぐです。夏はレースを使うのは止めよう、と。

高:なるほど。舞台となる東京のコース相性に関してはいかがですか?

鈴:あまりムキになって走らなくなってきたので、終いが生かせるような競馬をここのところずっと出来ていますから、良いと思いますよ。まあ「マーメイドステークスは、もう少し前に行かないといけなかったんじゃないか」という風に思っている人もたくさんいるかも知れませんけどね。前に行ければ行けるんですけど、マーメイドステークスだけを勝ちに行っているわけではないので。

高:なるほど。

鈴:せっかくヴィクトリアマイルでも、最後に良い脚を使って来ていますからね。終いを生かす脚質の方が成績も安定しているし、大きいところを勝てる可能性も高くなってきますから。ある程度掛かり気味に行って好位で競馬をするのは、見た目は良いですけどね。G1の舞台で終いタレちゃうと切れる馬に差されちゃうでしょう?中団や後ろから行って、脚を余すような形でゴール板に行くのが理想でね、そうすると大きいところも勝てるのかな、と思います。掛かって行って、それでも押し切っちゃうというのは力がひとつ上じゃないと出来ませんよ。

高:では府中牝馬ステークスでも終いを生かす形のレースを考えられて。

鈴:極端に後ろの位置にする必要はありませんけど、気分良く走れる位置で我慢して終いを生かすような競馬を出来ればと思います。

高:追い切りでもそういう形を意識されていらっしゃいますか?

鈴:そうですね、やり過ぎない形で。特に休んだ後の初戦というのは、競馬場に行くとやる気がガンガン出てきちゃうタイプなんでね。でもそれも、年齢を重ねて来ているので徐々に解消されて来ているとは思います。

高:この府中牝馬ステークスの後はエリザベス女王杯を目標にされていらっしゃるんですか?

鈴:そうですね。多分、府中牝馬ステークスの後は美浦トレセンに戻して、こちらで調教をしてレース前日に行くパターンになると思います。去年は栗東に滞在しましたけど、体重が減ってしまったので。もし栗東に行くのであれば、夏に栗東に入厩させて、1回関西圏でレースを使ってエリザベスに、という形で春の時点では考えていましたけど、いかんせん暑かったでしょう?北海道から栗東へ運ぶのはリスクが高いな、と。

高:なるほど。

鈴:だいぶ輸送も慣れて来て、いつもは20~30キロくらい減ってしまうのに、この間、函館から美浦へ入厩してきたときも10キロくらいしか減らなかったんですよね。だから今年のエリザベスでは美浦から前日に運んだとしても大丈夫かな、と。

高:分かりました。今回の府中牝馬ステークスはG1前の一戦ということで、若干余裕があったりは…

鈴:いえ、結構良い感じで仕上がっていますよ。そんなに余裕はありません。

高:楽しみですね。良い形でエリザベスに向かえると良いですね。今日はありがとうございました。

鈴:ありがとうございました。

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